鉄板で焼ける音もおいしい！
みんな大好き泉屋のスパカツ

地元民の思い出が詰まった歴史ある洋食店

レストラン泉屋は、1959（昭和34）年に創業。地元の人には、まだまだ洋食が縁遠かった当初からグラタンやポークソテーなどのメニューを提供して、たくさんの釧路市民に洋食のおいしさを伝えてきました。なかには「フォークやナイフの使い方は泉屋で覚えた」という人もいるほど。洋風なメニューが身近になってからも、記念日やデートなどに訪れるちょっと特別なレストランとして親しまれています。

子どもの頃から親に連れられて何度も足を運び、いまや自分が子どもを連れてたびたび訪れるという市民や、帰省のたびに足を運ぶ元市民も一人や二人じゃありません。地元に寄り添って歴史を重ねてきた老舗なのです。

本店の店舗は、飲食店が集まる末広町にあるちょっとレトロなビル。木の温もりが感じられる店内に、釧路市民の思い出がいっぱい詰まっているのだと思うと、なんだかほっこりますね。

不動の人気ナンバー１！　スパカツ

店を代表するメニューは、スパカツ（890円）。このメニューは、市民だけでなく観光客にも広く知られていて、店を訪れる人のおよそ半分が注文するという人気ぶり。釧路市民のソウルフードともいわれています。旅の思い出づくりにも、ぜひ味わってもらいたい一品です。

ふとっちょおじさんの看板に導かれて、２階のレストランスペースに足を踏み入れたら、迷わず「スパカツ！」か「ミートカツ！」と注文してみましょう。（泉屋のメニューにはスパカツにカッコ書きでミートカツと表示されています。通っぽくいきたいなら、ぜひ「スパカツ」で!?）

正式名称は「スパゲティーミートソースカツレツ」。その名の通り、スパゲティーにミートソースがかかり、さらにカツレツも載った豪華な料理です。店の創業まもなく誕生したこのメニューは、当時の贅沢なものを三つ組み合わせて作られていて、爆発的な人気を博し釧路中に知れ渡りました。

豪快なルックスとやさしい味。そのギャップにハマる

スパカツの魅力は、まずそのルックスです。迫力満点の盛りっぷりと、こぼれんばかりにかけられたミートソース。アツアツの鉄板で、ソースが煮立つ様子にも心が弾みます。ソースやスパゲティーが焼けるパチパチという音と香りも食欲をそそりますよ。

この豪快な外見から、大味を想像してはいけません！　手間を惜しまず作られていて、まろやかで上品な味が楽しめます。ボリュームたっぷりですが、そのおいしさで女性もぺろりと完食するほどです。

こだわりの一つは、スパゲティーの麺。やや太め1.9㎜の特別麺で、もちもちとした歯ごたえにどこか懐かしさを覚えます。ミートソースは、玉ネギやホールトマトなど３日かけて作られていて、甘みと酸味のバランスがとれた飽きのこないおいしさです。サクッと揚がったカツは、軟らかくてジューシー。一口目で、見た目とのギャップに驚き、二口目にはそのおいしさのトリコになること間違いなしですよ！

あれこれ食べたくなる多彩なメニューに心うきうき

おいしいのはスパカツだけじゃありません！　老舗洋食店として、バラエティーに富んだ洋風メニューが数々用意されています。本店のビルに足を踏み入れると、ショーケースにはメニューサンプルがずらり。目移りするほどの多彩さに思わず心も踊ります。

「いろいろな味を楽しみたい」という人には、Cセット（1,350円）がオススメ。サラダも含めて５種類の料理が一皿になった欲張りなメニューです。ホロホロに煮込まれたビーフシチューや、スパカツと人気を二分する「泉屋風」のスパゲティーなど、どれも味わい深くて老舗の実力を感じさせます。

釧路市民に愛され続けてきたレストラン泉屋とスパカツ。地元の人の思い出がさまざま詰まったこの店の料理を味わえば、あなたも釧路市民の気分に浸れますよ！