増毛(ましけ)町は、道北の日本海側にある歴史ある町。海沿いにある陣屋第二台場は、町の絶景ポイントの一つです。日本海沿岸らしい、起伏のある地形と海の景色が楽しめます。とくに海に夕陽が沈む時間帯は絶景! 江戸時代末期この場所には、秋田藩が北方警備のために砲台を設置していました。海を眺めつつ、いにしえの武士に思いを馳せてみるのもいいですね。清々しい海の景色に癒されに行こう!
観光
2019.12.11
日本海を見渡す陣屋第二台場
夕陽の景色は最高です!
writer : 金子 美里
雄冬岬を望む美しい海岸線にうっとり
札幌から約100㎞北に位置する歴史ある港町、増毛。町内のさまざまなところで、日本海の美しい景色を目にできますが、なかでも絶景スポットとして知られているのが、この陣屋第二台場です。
小樽から稚内まで、日本海側の港町を繋ぐ通称オロロンライン(国道231号線)沿いにぽつんと立つ赤い屋根の建物が目印です。ここは、海の景色をパノラマで楽しめる場所。
南の方へ目を向けると、海にせりだす緑に包まれた雄冬(おふゆ)岬が望めます。起伏のある海岸線は、美しいだけでなく、北の海の厳しさも感じさせてくれますね。
とくに綺麗なのは日の沈む時間帯の風景です。条件が整えば、夕陽の色に海が染まって、心を奪われるほど感動的。雲の多い日は空が鮮やかな茜色に。刻々と変化する夕景の表情は時間を忘れるほどの美しさです。やさしい波の音と海を見渡す展望で、日々の心のコリもゆるゆるほどけていきますよ。
眺望を楽しみつつ、元陣屋の砲台跡で歴史にふれよう
「台場」とは、海に向けて砲台を設置している場所のこと。ここには、江戸時代末期、北方警備のための大砲が設けられていました。当時は、ロシアなど外国からの脅威が強まっていたので、増毛に元陣屋を置いて、北の列強から国を守っていたのです。
いまは砲台(レプリカ)が置かれ、その歴史を伝えています。史跡がある場所から眺める海の景色は、なんだか味わいがありますね。
陣屋第二台場には、ニシン街道の碑も立っていて、町のもう一つの歴史を教えてくれます。大正中期から昭和20年代まで日本一のニシン漁獲高を誇っていた増毛町。最盛期には、毎年春には、ニシンの精子で海面が真っ白になる群来(くき)という現象が風物詩になっていました。かつては、ここからも群来が見えていたのでしょうね。雄大な風景を目の前に、町の歩みを感じてみるのも素敵ですよ。
食事処「陣屋」で海を眺めてのんびりひと休み
砲台のそばにある、食事処「陣屋」は海の景色を楽しみながら、ゆっくり食事が味わえる場所。木造のレトロな建物も雰囲気があります。オープンキッチンになっている1階だけでなく、らせん階段を上った2階にも小上がりの客席が。
2階から見下ろす海は、さらに広く大きく感じますよ。ラーメンや季節限定の海鮮を使った料理などがそろうメニューのなかでも、人気なのは、甘えび天そば/うどん。
地元の漁師から直接仕入れた前浜の甘えびの天ぷらが、丼いっぱい30尾ほど載っていて、増毛ならではの贅沢な味わいです。注文を受けてから殻をむいて揚げてくれるので、アツアツが食べられるのもうれしいですね。店の外には、ベンチがあって、天気のいい日は、潮風を感じながら料理と景色を満喫することもできますよ。
夏はキャンプ、秋は鮭の遡上、温泉も楽しめちゃう
景色を眺めるだけじゃ物足りない! もっと海を近くで満喫したい! という人には海岸にキャンプができるスペースもあります。夏場は近隣市町村の住民を中心に多くの人が、テントを立てて海水浴やキャンプを楽しんでいます。
また、陣屋第二台場の近くを流れる暑寒別(しょかんべつ)川では、秋になると鮭の遡上が見られます。鮭たちが背びれを揺らして、精一杯川の流れに逆らって泳ぐ姿は、力強くて健気で、思わず「頑張って!」と応援したくなっちゃいますよ。
周囲には寿司処ほか飲食店も並んでいて、海の景色で目を満足させた後は、おいしい食事でお腹も満たせます。台場と道路を挟んだ向かい側には、日帰り入浴もできる準天然温泉の施設もありますよ。
勇壮な雄冬岬の姿や、美しい日本海の景色にうっとりできるだけじゃなく、町の歴史にふれられて、周囲の施設も充実。自分らしい楽しみ方で陣屋第二台場を満喫しよう!
※こちらは、公開日が2017年1月9日の記事となります。更新日は、ページ上部にてご確認いただけます。
スマートポイント
- 夕景も素敵ですが、暗くなると、北の方に増毛や留萌の市街地のあかりが見えてロマンチック。カップルで立ち寄るとムードありです。
- 市街地にある増毛元陣屋では、台場を守っていた秋田藩の武士たちの歴史を学べます。合わせて立ち寄ると、より知識を深められます。
- 道路向かいにあるオーベルジュましけは、増毛出身の名シェフ・三國清三さんが監修した宿泊施設付きのレストラン。地元食材を使った上質な料理と日帰りでトロン温泉が楽しめます。
ライターのおすすめ
歩いて5分ほどのところにコンビニがあるので、飲み物やおつまみを片手にゆっくり風景を楽しめます。夏でも夕方になると肌寒くなることも多いので、夕景を満喫したいという人は一枚羽織るものを忘れずに!
金子 美里
フリーランスライター。地元情報誌の編集として勤めたのち独立。現在は観光情報誌や旅行雑誌などに執筆。
INFORMATION
スポット名 | 陣屋第二台場 |
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住所 | 北海道増毛郡増毛町別苅1-1 |
ジャンル | 観光 |
電話番号 | 0164-53-3332(増毛町商工観光課) |
地図 | 43.8545264781295 |
スポット名 | お食事処 陣屋 |
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住所 | 北海道増毛郡増毛町別苅1-1 |
ジャンル | グルメ |
電話番号 | 0164-53-1576 |
料金 | 800円~1,000円 |
営業時間 | 午前11時~日没 |
定休日 | 不定休 ※10月上旬~4月下旬は冬期休業 |
駐車場 | あり |
地図 | 43.8543408 |
スポット名 | オーベルジュましけ(トロン温泉) |
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住所 | 北海道増毛郡増毛町別苅217-1 |
ジャンル | 温泉 |
電話番号 | 0164-53-2222 |
料金 | 日帰り入浴 大人550円、小学生310円 |
営業時間 | 午前11時~午後10時 |
定休日 | 無休 |
駐車場 | あり |
備考 | HP : http://www.auberge-mashike.jp/ |
地図 | 43.853277 |