北海道を代表する乳業メーカーである雪印メグミルクの酪農と乳(にゅう)の歴史館は、1977年に雪印乳業史料館として開館しました。
開拓当時に使われていたバター製造機など、数多くの展示品や文献が大切に保管され、入館無料で公開。酪農の歴史を学ぶのには最高のスポットです。
隣接する札幌工場も見学することができ、できたての牛乳やチーズの試食も! 子どもはもちろん、おとなも十分楽しめる歴史館と工場見学を、札幌観光にプラスαしてみてはいかがでしょうか!
観光
2016.05.29
writer : 上坂 由香
北海道を代表する乳業メーカーである雪印メグミルクの酪農と乳(にゅう)の歴史館は、1977年に雪印乳業史料館として開館しました。
開拓当時に使われていたバター製造機など、数多くの展示品や文献が大切に保管され、入館無料で公開。酪農の歴史を学ぶのには最高のスポットです。
隣接する札幌工場も見学することができ、できたての牛乳やチーズの試食も! 子どもはもちろん、おとなも十分楽しめる歴史館と工場見学を、札幌観光にプラスαしてみてはいかがでしょうか!
酪農と乳の歴史館へは、JR札幌駅から東へ一駅の苗穂駅で下車し、徒歩15分ほど。雪印メグミルク札幌工場の敷地内にあります。受付を済ませ、案内スタッフとともに3階のフロアへ。酪農の歴史を語る大型の写真パネルがズラリと並んでいます。
1874(明治4)年に、北海道開拓使次官・黒田清隆がアメリカに洋行し、米国農務局長のホーレンス・ケプロンを開拓使顧問に招聘。そのケプロンから農業指導の依頼を受けたエドウィン・ダンが、数頭の牛や羊とともに来道して、北海道の酪農は本格的にはじまりました。また、その時代に書かれた貴重な文献なども展示されていて、博物館の要素も兼ね備えているようです。
酪農の父と呼ばれた宇都宮仙太郎は、意外にも大分県出身。「牛乳は身体を丈夫にする」と聞きつけて、北海道にやって来ました。しかしこの時代は、牛乳を飲む習慣がなく、生産してもまったく売れません。困り果てた仙太郎は、保存の利くバター作りをはじめます。これはその時使われていたバター製造機。いまでも十分使えそうなツヤツヤ感です。
1925(大正14)年に、雪印乳業の前身である北海道製酪販売組合の組合長に仙太郎が就任し、本格的なバターの商品化がはじまりました。
大正から昭和へ時代が進み、乳製品が国民の食卓にあがるようになりました。製造機械も進化を遂げ、牛乳を粉状にする機械が、工場のジオラマとともに展示されています。昭和の頃の酪農は、天皇陛下が農場を視察するほど、重要な産業たっだことがわかる写真も。くるくると、電気で動く製造ラインの模型もあって、子どもたちも大喜びです。
酪農の歴史をたっぷり学んだあとは、昔の商品パッケージコーナー。バターの箱は、いまとほとんど変わらないデザインです。
酪農の原点だったバター作りから乳業が確立され、時代とともに、さまざまな商品が生まれました。昭和のパッケージが展示されたコーナーでは、懐かしさのあまり、足を止める人も多いそう。子どもの頃に食べた乳製品の箱に、出合えるかもしれませんよ。
酪農の歴史を学んだあとは、連絡通路を通って札幌工場へ。牛乳の生産ラインを見学することができます。普段はなかなかできない工場見学で、現地学習気分が味わえますよ。
北海道限定で発売されていた乳酸菌飲料カツゲンの瓶がチラリ。現在は紙パックのソフトカツゲンとして、子どもから大人まで、大変人気のあるロングセラーの飲み物に。「今より味の濃かった昔のカツゲンが飲みたい!」との要望もあり、2016年1月、発売60周年を記念して懐かしの味『あのころのカツゲン』も登場。道産子のカツゲン愛が生んだ新商品は、売り切れ続出になっています。
2005年には縁起のよい漢字を使った勝源神社が館内に誕生。受験生などが訪れる名物スポットになりました。勝源神社は歴史館1階のPR室横にあり、見学を申し込まなくてもお参りができます。飲んでおいしい、祈って合格! 北海道旅行ではぜひ、ソフトカツゲンを飲んでいただきたいですね!
一連の見学を終えた後は、牛乳とチーズの試食がうれしい! いつも飲んでいる牛乳より、おいしく感じるかもしれませんよ。現在は、チョコレートメーカーのロイズコンフェクトと提携して、なんと、チョコレート味のチーズも開発。酪農の父、宇都宮仙太郎もびっくりのおいしさです。
いまでは当たり前になった乳製品のある食生活ですが、先人の苦労と努力があったからこそ。酪農と乳の歴史館で、開拓時代や酪農の歩みを学んだあとに乳牛のいる風景を見かけたら、何だかありがたい気持ちになるかもしれませんね!
スマートポイント
ライターのおすすめ
なんといっても昭和の懐かしい商品パッケージや、レトロな広告看板を見るのが楽しい! 入館無料で試食付きというだけでも嬉しくなりますね。階段にある世界のカウベルは、ぜひ鳴らしてみてください。
上坂 由香
5年に1度くらいしか風邪をひかない体質を自慢していたら、普通に歩いていただけで膝の半月板を故障。足腰の弱まりを痛感している今日この頃。
スポット名 | 雪印メグミルク酪農と乳の歴史館 |
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住所 | 北海道札幌市東区苗穂町6丁目1番1号 |
ジャンル | 工場見学 |
電話番号 | 011-704-2329(問い合わせ・予約) |
料金 | 無料 |
営業時間 | 午前9時~午後5時 |
定休日 | 土曜日、日曜日、祝日 年末年始 |
駐車場 | あり |
備考 | HP : http://www.meg-snow.com/fun/factory/ |
地図 | 43.07252814002907 |