※※優佳良織工芸館、国際染織美術館は長期休館中です※※
「優佳良織(ゆうからおり)工芸館」は、旭川で生まれた染織工芸「優佳良織」の歴史と作品を展示しています。道産の木やレンガをふんだんに使った建物は、どっしりと重厚で、趣のあるたたずまい。
優佳良織は、羊毛を素材にし、一つの作品に200〜300もの色を使っていることが特徴です。テーマは北海道の自然や風土、四季のうつろい。手仕事のすばらしさを、見て触れて、じっくりと堪能しましょう。
観光
2016.08.08
writer : 石田 美恵
※※優佳良織工芸館、国際染織美術館は長期休館中です※※
「優佳良織(ゆうからおり)工芸館」は、旭川で生まれた染織工芸「優佳良織」の歴史と作品を展示しています。道産の木やレンガをふんだんに使った建物は、どっしりと重厚で、趣のあるたたずまい。
優佳良織は、羊毛を素材にし、一つの作品に200〜300もの色を使っていることが特徴です。テーマは北海道の自然や風土、四季のうつろい。手仕事のすばらしさを、見て触れて、じっくりと堪能しましょう。
工芸館は、旭川を一望する高台にある「北海道伝統工芸村」の一角にあります。建物は、道産のクルミやオンコのほか、現在では希少な埋もれ木(土中に8,000年以上の間埋もれていた木)、道産の土で焼いたレンガなどが使われ、まさに北海道づくしの空間。
展示室に進んでいくと、色鮮やかな作品がたくさん出迎えてくれます。
優佳良織の作品は大きく二種類に分かれていて、ミズバショウや白鳥、湖の景色など、絵を描くように織り上げたものを「つづれ柄」といいます。
もう一つは、左右対称に模様が織り込まれた「浮柄」。微妙なグラデーションや美しい模様が浮かび上がり、幻想的な世界です。
どの作品も自然のなかで目にする色があふれ、凜とした厳しさとともに、やさしい温かさが感じられます。北国の美しい風景が、目に浮かんでくるようです。
優佳良織を創り上げたのは、旭川市の染織作家・木内綾さん(1924-2006年)。世界各地の技法を研究し、独自の染織を探求して1962年に「優佳良織工房」を設立しました。
最初に注目されたのは、国内ではなく海外だったそうです。1970年代からヨーロッパ各地の展覧会に招かれ、1978年には「国際織物ビエンナーレ」で金賞を受賞するなど、高く評価されました。工程はすべて手作業で、まずは羊毛を染め、色を混ぜ、糸をつむぎます。
つむいだ糸を、作品のデザインに合わせて準備し、織り機にかけて1本ずつ織り上げていきます。
現在、この織りの技術をもつ職人さんは20人ほど。羊毛を染めてから作品が完成するまでに、何年もかかることも。たいへんな手間と技術と、長い時間が必要なんですね。
優佳良織は、和のイメージが強いかもしれませんが、そんなことはありません。洋服やバック、ストールなどもたくさん展示しています。
イスの背もたれにも優佳良織が。こちらは館内にある喫茶室のものです。
販売室には、名詞入れやネクタイ、テーブルセンターやタペストリーなど、いろいろな商品が並んでいます。じっくり選んでお気に入りを見つけましょう。
また、2週間前までに予約をすると、手織り体験も可能です。実際に使用している色糸を自分で選び、1時間ほどでオリジナル作品ができます。
企画室の木内佳珠さんに、優佳良織の魅力をお聞きすると、「鮮やかな色彩と、軽くて暖かく、とっても長持ちするところです」とのこと。
美しいだけでなく、日常に溶け込んでいることがわかります。北国の風土がぎゅっと詰まった優佳良織工芸館で、手仕事のぬくもりにふれてみませんか。
スマートポイント
ライターのおすすめ
道民にはおなじみの優佳良織ですが、その成り立ちや奥深さをあらためて知ると、驚きや発見がたくさんあります。
石田 美恵
札幌出身。料理本編集者として東京の出版社に勤めたのち札幌にUターン。海藻と羊肉、鮭、お寿司が好きです。
スポット名 | 優佳良織工芸館 |
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住所 | 北海道旭川市南が丘3丁目1-1 北海道伝統工芸村内 |
ジャンル | 観光 |
電話番号 | 0166-62-8811 |
料金 | 入館料:一般(大人)500円、高校・大学生300円、小・中学生250円 ※3館共通券: 一般(大人)1,300円、高校・大学生850円、小・中学生650円 手織り体験:大人2,160円、高校・大学生1,620円、小・中学生1,620円 ※手織り体験者は入館料が無料になります。 |
営業時間 | 午前9時〜午後5時 |
定休日 | 年末年始(12月30日〜1月4日) |
駐車場 | あり |
備考 | HP:http://www.yukaraori.com/yukara/ |
地図 | 43.771853 |