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2020.01.16

白い雪のなかで芸術鑑賞
芸術の森かんじきウォーク

writer : 上坂 由香

札幌市の南区にある札幌芸術の森の野外美術館は、74点の彫刻作品を森のなかに展示し、自然との調和を楽しみながら芸術鑑賞ができます。1月中旬から3月上旬は冬期休業中の野外美術館を無料開放し、昔ながらの雪上歩行用の「かんじき」をはいて、館内を自由に散策できる「かんじきウォーク」が楽しめます。
札幌芸術の森の野外美術館
かんじき
四季折々の趣きや、陽の光の移ろいによって表情を変える作品を楽しみながら、雪国の北海道でもなかなか体験できない「かんじき」をはいて、森に点在する作品に会いに行きませんか?

芸術の拠点で「かんじきウォーク」を楽しんじゃお!

1986年に開園した札幌芸術の森にある野外美術は、札幌の中心部から国道453号線で支笏湖方面に向かい約30分。公共交通機関では、地下鉄真駒内駅で下車し、中央バス2番乗り場から「空沼(そらぬま)線」か「滝野線」に乗って「芸術の森センター」で下車します。そこには74点もの彫刻作品が森のなかに点在し、自然と一体になったアートが! 夏は豊かな緑を背景に、冬は真っ白な雪が真綿のように作品を包み込み、見る人の心にさまざまな感性を与えてくれます。
かんじきの履き方
かんじきを履いた様子
開園当初から冬のイベントとして人気を集めているのが「かんじきウォーク」。雪国の北海道でもなかなか見ることのできない竹製の「かんじき」は、長靴を履いてヒモで縛るだけのシンプルな構造。長靴と「かんじき」は無料で貸し出していて、これを体験しない手はありませんよ。ヒモの縛り方を見ながらしっかり装着し、さっそく雪原の野外美術館を歩いてみましょう!
かんじきウォークの様子

提供写真:札幌芸術の森

森の住人のような彫刻たちとの出合いにわくわく

「かんじき」は、古くから雪国で使われていた雪上を歩くための履き物。ふわふわの雪の上でも足が埋まることを防ぎ、少々の斜面でもグリップが効いて難なく登ることができます。
新雪についた足跡
キュキュっと音を立てて新雪(降ったばかりの雪)を歩いていると、遠くに「かんじきウォーク仲間かしら?」と目を凝らしたら…彫刻だった!ということも。
風の中の道化

坂坦道「風の中の道化」

陽の光りを受けて天を仰ぐ彫刻をみていると「今日はお天気がいいですね」と、思わず声を掛けてしまいそう。芸術の森センターには、「かんじきウォーク用マップ」があるので、歩きながら作品名を確かめてみて。
風と舞う日

峯田敏郎「風と舞う日」

「かんじき」を履いて起伏のある雪原を歩くと、じんわり汗がにじんで身体がポカポカ。誰も歩いていない、真っ白の雪を踏みしめた足跡を見ると、心地よい達成感も湧いてきますよ。
起伏のある雪原

野鳥が好きな人には感動的な出会いも!

自然のなかで暮らすさまざまな野鳥や、エゾリスなどの小動物たちとの出会いもあります。小鳥のさえずりが近くに聞こえてきたら、辺りを見渡してみて。白い顔が愛くるしいシマエナガがすぐそこに…。可愛らしいフォトジェニックさんを、息をひそめてそっと撮影。胸が高鳴る瞬間です!
シマエナガ
眼光鋭いフクロウの彫刻が、雪原の一番いいところで森を守っているかのようです。雪の上で寝転んで、のんびり空を眺めるのもいい体験に。大自然と一体になった爽快な気分も味わえますよ。
コタンクルカムイの詩

米坂ヒデノリ「コタンクルカムイの詩」

見上げた空
雪をすっぽりかぶって、まるでかくれんぼをしながらニコニコしているよう。自然に降り積もった雪もアートのひとつですね。見る季節や時間帯によって、いろんな感じ方が楽しめるのも、芸術の森かんじきウォークの素敵なところです。
二人の空

峯田義郎「二人の空」

旬の野菜を使ったビュッフェランチはおふくろの味

「かんじきウォーク」のコースは決められていませんが、ゆっくり歩いて1時間ほど。心地よい運動量でお腹も空きます。芸術の森センター2階にある「ごちそうキッチン畑のはる」で、野菜をメインにしたランチはいかがでしょうか。
ごちそうキッチン畑のはる
野菜たっぷりのランチビュッフェ
木のぬくもりにあふれる店内には、季節感あふれる旬の野菜を中心にしたお惣菜がいっぱい。「おふくろの味」を思わせる家庭料理が並びます。野菜たっぷりのランチビュッフェ(大人1,870円、小学生990円)は、ヘルシーな美味しさで人気を集めています。札幌芸術の森野外美術館の「かんじきウォーク」は、一見、地味なようですが、やってみると童心に戻ったような楽しい時間が過ごせます。ちょっと苦労して出合った作品の輝きを、間近に感じてみてくださいね!
冬の札幌芸術の森野外美術館

※こちらは、公開日が2017年3月21日の記事となります。更新日は、ページ上部にてご確認いただけます。

スマートポイント

  • 「かんじき」は説明書を見ながら装着しますが、うまくいかない人は、受付のスタッフに教えてもらいましょう。貸出の長靴は22,5㎝~28㎝まで(数量限定)。こども用のプラスチック製「かんじき」もあります。
  • 「かんじきウォーク」に行くときは、帽子や手袋などの防寒対策をお忘れなく。野山を歩くと汗をかくこともあります。首にタオルを巻くといいかも。
  • レストラン「ごちそうキッチン畑のはる」を利用すると、次回の駐車場が無料になるクーポンを配布しています。「かんじきウォーク」をすると、テイクアウトで「ぜんざい」が冬期限定で楽しめます。

ライターのおすすめ

ここはちょっと無理かなと思う斜面の雪山でも「かんじき」を履いていれば不思議と勇気がわいて登ることができます。作品の前まで行くのに時間はかかるせいか、到着するとじっくりと観賞したくなりますよ。

上坂 由香

5年に1度くらいしか風邪をひかない体質を自慢していたら、普通に歩いていただけで膝の半月板を故障。足腰の弱まりを痛感している今日この頃。

INFORMATION最新情報は、各施設の公式ウェブサイト等でご確認ください。

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