食の王国にあって、道外ではあまり知られていない道民食・ザンギ。
道産子が愛してやまないこのご当地グルメは、
老若男女に必須のご当地グルメであり、ソウルフードなのです。
その正体は「鶏肉の唐揚げ」であって「鶏肉の唐揚げ」ではない!?
単純な料理でありながら、謎の料理……。
熱々で旨味たっぷりな逸品、みなさんも食べてみたら、いんでないかい!?
なまらうまいべや!
北海道おもしろ情報
2015.12.28
writer : 千石 涼太郎
食の王国にあって、道外ではあまり知られていない道民食・ザンギ。
道産子が愛してやまないこのご当地グルメは、
老若男女に必須のご当地グルメであり、ソウルフードなのです。
その正体は「鶏肉の唐揚げ」であって「鶏肉の唐揚げ」ではない!?
単純な料理でありながら、謎の料理……。
熱々で旨味たっぷりな逸品、みなさんも食べてみたら、いんでないかい!?
なまらうまいべや!
鑓水(やりみず)商店のザンギ定食。4、6、9個と、
数を選んで注文できるのがうれしい。
そして、不思議なのがサイドメニューのザンギのほかに、
単品メニューに「唐揚げ4入り」があるのです。
なぜ? 違うもの? と思うところですが、なんと同じ物。
「道外の人などザンギを知らない人にもわかりやすく」とのこと。
鑓水商店のメニューの謎はこれで解明。
しかし、ザンギの語源や発祥についは、いまも謎のままです。
函館の陶々亭が発祥だという説、釧路の鳥松が発祥だという説もあれば、
本当は違う店だと主張する人も道内各地に存在し、
愛好家の第一人者でもどことは断言できないのです。
呼び名の語源に至っては、炸鶏(ザージー)に幸運の運の「ン」を入れて、
「ザンギ」と、名付けたという説もあれば、炸子鶏(ザーツゥチー)、
「揚鳥」(ジャージー)が変化したという説など諸説ありますが、
北海道民は「そんなことは、どうでもいんでないかい?」と、
思っているのです。
鑓水商店のザンギ丼。持っているのは店長の鑓水英人さん。
ご本人が大柄なので、ちょっと小さく見えますが、
ザンギはどれも1個40g近くあるので、ボリューム満点です。
甘酢とタルタルソースが食欲をそそる逸品。
がっつり食べたい人にオススメです。
道民は、ザンギをそのまま食べるだけでなく、
丼物にするなど、あれこれアレンジをします。
それだけ道民はザンギが好きなのですが、実はその定義も曖昧。
一応の目安としては「醤油やショウガ、ニンニク」などで作ったたれで、
下味をつけてから油で揚げた鶏唐揚げということになるのですが、
それがすべてではないところが、ザンギの面白いところ。
味付けも店によって大きく違い、鑓水商店では醤油を使っていません。
それぞれの店に、それぞれの旨さがあるのです。
ザンギ愛好家の第一人者といわれる人物になると、
コンビニで売っているザンギから、中華料理店のザンギ、
居酒屋のザンギ、定食屋のザンギ……。
そして花見でもザンギを揚げて食べています。
時にはラー油をかけ、ハンバーガーに入ったザンギを食べ、
美唄の米麹みそ味のザンギや三笠の石炭ザンギ。
彼ら愛好家たちは、まさにザンギとともに生きている!
と言える存在なのです。
ザンギが美味しいことで知られる札幌の弁当屋さん、あじ太郎。
愛好家推薦の隠れた名店です。
この店は「ザンギの盛り合わせ」が人気なのですが、
サラダと一緒にお弁当になったザンサラ弁当、
ザンギパーティーなるオードブルもあり、
そしてなんとザンギチャーハンまであります。
北海道民がいかにザンギをアレンジして楽しんでいるか、ご理解いただけたでしょうか。
コンビニはお弁当だけでなく、お総菜を買うところになりました。
当然といえば、当然ですが、道内ではザンギもコンビニで売っています。
そして、道民が愛するコンビニ、セイコーマートになると、
なんと焼そばにまで、ザンギが入っていたりします。
ザンギを定義するのが難しいことはすでに書きました。
唯一、確かな定義は「鶏肉の唐揚げ」であることのはずなのですが‥…
なんと、道民は自らこのセオリーを破っているのです!
たこの唐揚げを「たこザンギ」といってみたり、
カラフトマスを載せた丼をオホーツク網走ザンギ丼と呼んでみたり、
奇想天外なことが行われているわけです。
これは増毛(ましけ)の新名物、たこザンギ。札幌で食べられますが、
羽幌(はぼろ)や増毛、石狩といったたこの名産地のたこザンギは、
ぜひ食べていただきたい逸品です。
このように、道民は料理もアレンジするけれど、
言葉もかなりアレンジしてしまいます。
わかりにくい!と思う方もいらっしゃると思いますが、
北海道民はおおらか気質。小さいことは気にしないのです。
スマートポイント
ライターのおすすめ
鑓水商店のザンギは食感も味もいい国産のもも肉のみを使っているので、食感も旨味も抜群です。
千石 涼太郎
北海道や旅、地域文化に関する書籍を多数上梓。「北海道新聞」、月刊誌「O.tone」等でエッセイ連載中です。
スポット名 | 鑓水商店(やりみずしょうてん) |
---|---|
住所 | 北海道札幌市中央区南1条西19丁目1−251 |
ジャンル | グルメ |
電話番号 | 011-631-8134 |
料金 | 600〜1,000円 |
営業時間 | 午前11時~午後3時、午後5時~午後11時 |
定休日 | 日曜日、祝日 |
地図 | 43.05611727585018 |
スポット名 | あじ太郎 西線店 |
---|---|
住所 | 北海道札幌市中央区南4条西14丁目2-26 |
ジャンル | グルメ |
電話番号 | 011-562-2676 |
料金 | 500~1,000円 |
営業時間 | 午前9時〜午後10時 |
定休日 | 年中無休 |
備考 | HP:http://ajitaro.co.jp |
地図 | 43.05361582107921 |