札幌市の北部に隣接する海の町・石狩市。オロロンラインと呼ばれる国道沿いにある厚田(あつた)区望来(もうらい)にある「ありすcafé」は、この地区でとれる土に魅せられた陶芸家MIHOさんが営むアットホームな陶器のお店。
廃屋だった平屋の家を少しずつリノベーションしてできた店内は、ほっこりと心まで癒されるくつろぎ空間に、さりげなくディスプレイされた陶器のギャラリーと工房だけ。贅沢なものは、何一つないスローなお店で、素朴な作品を手に取ってみませんか?
お土産
2017.04.07
海のそばにある癒し工房
ありすcaféの素敵な陶器
writer : 上坂 由香
地元を愛する陶芸家の優しさが込められています
札幌の中心部から車で約1時間。都会の喧騒から離れてのんびりと旅したいなぁと思う方にオススメなのが、この石狩市厚田地区望来。海を見ながらのドライブや、ぶらり路線バスの旅など、札幌からの日帰り旅に丁度いい距離の浜辺の町です。
レトロとも少し違う手作り感にあふれた店内は、座り心地のよさそうなテーブル席が二つ。壁際にはカップや皿、ボウルなどさまざまな陶器が並んでいます。「ここの土は、焼くといい色がでるんですよ」と微笑むMIHOさんは、望来の海に魅せられてこの地に移り住み、ひとりでお店を切り盛りしています。シンプルで優しい風合いのカップは、作る人の優しさや土の温かみがあって、和やかなティータイムを演出してくれそうです。
食事がおいしくなりそうな温かみのあるお皿はいかが?
厚田地区の町おこし「地元の土で焼き物を作るプロジェクト」に参加したことがきっかけで、陶芸家の道に入ったMIHOさん。ボランティアで陶芸の体験工房を任されていた時期を経て、2006年にお店をオープンしました。
土を掘るところからはじまり、乾燥、精製、そして粘土になるまで約1か月。それから器の形を作ってまた乾燥、素焼き、本焼きと、陶器作りは手間ひまがかかります。ぽってりと厚みを持たせた温かみのあるお皿やボウルは、パスタやサラダなどを盛り付けるのにピッタリの大きさ。料理をおいしそうに引き立ててくれそうです。店内に飾られているカップやお皿は500円から販売しています。そっと手に取りながら、お気入りのものを見つけてくださいね。
混雑する日以外は、おもてなしのお茶(コーヒーやハーブティーなどが選べます)と、ゴマがたっぷり入った手作りクッキーがふるまわれます。友人の家に遊びにきたような居心地の良さに、つい長居をしてしまいそうです。
浜辺で拾ったシーグラスの美しさに魅了されます
「ありすcafé」の裏手にある望来の浜辺では、波に洗われて丸みをおびたシーグラスが打ち揚げられます。シーグラスは硝子の瓶や漁業に使う浮き球などが割れてできたもの。海のなかを転がるうちに、ふんわりと曇り硝子のような風合いに。
丹精込めて練った粘土の上に、毎朝拾いに行くというシーグラスを置いて焼き上げた小物入れや箸置きは、青や緑の淡い色合いが素朴なアクセントになっています。販売はしていませんが、シーグラスのランプなどが店内に飾られているのでぜひ見てみて! ため息が出るほどキレイですよ。
望来の静かな浜辺散策も楽しんでみませんか?
シーアンバーと呼ばれるコハクや、赤色や乳白色のメノウ、なぜかちゃんと燃える石炭まで、砂浜で拾うことができる不思議な望来の海には、海洋生物学者や地質学者もたびたび訪れて研究を重ねています。
岸壁の地層のからは貝化石が発掘されたり、突然コロン~と砂浜に転がっていることもあるそう! 楽しい発見がありそうな浜辺散策になりますよ。 ウミネコが気持ちよさそうに飛んでいる静かな海を眺めているだけで、遠くに来たような旅情に包まれます。大地の恵みでできた陶器を訪ねる「ありすcafe」までの小さな旅に、あなたも出かけてみませんか?
スマートポイント
- テレビ塔の東側にある中央バス札幌ターミナルから「浜益行き」か「厚田行き」に乗り「望来坂下」で下車。バス停からすぐ近くに「ありすcafé」のピンク色の店が見えます。
- 「ありすcafé」は、カフェといっても食事はできませんのでお間違いなく。
- 望来地区から車で15分ほど北にある厚田地区の「カントリーキッチン・アン」では、「ありすCafé」の皿やカップが使われています。アンの食事はボリュームがあっておいしいと評判ですよ。
ライターのおすすめ
夏は海水浴客でにぎわう望来ですが、静かなオフシーズンの冬もオススメ。札幌で天気がよくても望来では吹雪いていることもあるので、冬の訪問は事前に問い合わせてみてからの方が安心ですよ。
上坂 由香
5年に1度くらいしか風邪をひかない体質を自慢していたら、普通に歩いていただけで膝の半月板を故障。足腰の弱まりを痛感している今日この頃。
INFORMATION
スポット名 | ありすcafé |
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住所 | 北海道石狩市厚田区望来93-16 |
ジャンル | 観光 |
電話番号 | 0133-77-2495 |
料金 | 500円~1,000円 |
営業時間 | 正午~午後4時 |
定休日 | 月曜日、火曜日(冬期間の営業日は電話で問い合わせ) |
駐車場 | なし(店の前に数台置ける場所あり) |
備考 | HP:http://blog.goo.ne.jp/tuac2006 |
地図 | 43.31304274369096 |