札幌の中心部に店を構える七番蔵は、北海道を代表する酒蔵・小林酒造が直営する居酒屋です。もちろん、お店で扱う日本酒は酒蔵から直送されたものばかり。酒蔵にある直売所でも扱っていない限定酒をはじめ、季節限定の「新酒しぼりたて」や「あらばしり」など、日本酒好きにはたまらないラインナップが楽しめちゃいます。蔵直送の銘酒と、お酒との相性を追求した料理で、ほっこりほろ酔い気分に浸っちゃいましょう!
グルメ
2018.01.22
札幌の居酒屋・七番蔵で
蔵元直送の酒と旨い肴に酔う夜
writer : 金子 美里
創業140年を迎える北海道の酒蔵・小林酒造が直営
繁華街のど真ん中にありながら、静かで落ち着いた雰囲気を醸し出す居酒屋・七番蔵。この店を直営する小林酒造は、札幌から約40㎞離れた栗山町で1878(明治11)年に創業し、銘酒「北の錦」で、道産子にはお馴染みの酒蔵です。
六つの蔵で100年以上も日本酒を醸してきた小林酒造が、“七番目の蔵”として、2003年、札幌にオープンさせたのが七番蔵なのです。
店の入り口に掲げられた趣きある酒林や、仕込み水を思わせる水路が、酒蔵直営であることを伝えてくれます。店の前にある「北海道のお酒あります」の看板も、辛党の心をくすぐりますね。
シンプルな暖簾をくぐると、店内は天井が高くてほの暗く、酒蔵のなかのように静かな雰囲気です。どことなく神聖ささえ感じられる空間で、ゆっくり、じっくりお酒の味を堪能しちゃいましょう!
限定酒は注文マスト! 蔵直送の日本酒でほろ酔い気分
お店で扱う日本酒は、もちろんすべて小林酒造の蔵から直送されるもの。蔵を代表する銘酒「北の錦」をはじめ、定番の銘柄7~8種類に季節限定酒を加えて、常時10種類強の日本酒を取り揃えています。
なかでも屋号が名前になっている「まる田」は、北海道産の酒米を使って醸造した“道産”の日本酒です。小林酒造は、道産酒米の日本酒を醸造し始めた先駆的酒蔵。お米のまろやかな旨みが活きたその味には、困難と言われた道産酒米の開発を行った農家や農業試験場の人たち、杜氏をはじめとする蔵人など、たくさんの人の情熱がいっぱい詰まっているのです。
ぜひオーダーしたいのは、七番蔵でしか味わえない純米吟醸酒「汲みたて蔵出し」(1杯650円)。これは蔵元の直売店でも扱っていない、正真正銘の限定銘柄です。
また、北の錦・北斗随想(1杯750円)も希少な銘柄。札幌市内でも数軒の特約店でしか手に入れられないお酒ですよ。店が選ぶ銘柄3種類が味わえる利き酒セットもあるので、飲み比べて日本酒の多彩な旨みを感じてみるのもいいですね。
お酒の味を際立たせる、旨さ極上・魅惑の酒肴たち
美味しいお酒には、美味しい酒肴がつきもの。メニューのコンセプトは「日本酒に合う味わい」。道産の素材だけにこだわらず、お酒との組み合わせの妙を追求した創作和食や、旬の味覚で迎えてくれます。
酒の肴の代表格といえば、やっぱりお刺身! 刺身盛り合わせ(写真は3,000円)では、季節のネタがいろいろ。毎朝料理長自らが市場で厳選した、その日、その時季一番いい魚介を盛り合わせているので、味も鮮度も間違いなし。脂ののった魚をつまみに、旨い日本酒をちびりとやれば、思わず「くぅ~」と笑顔もこぼれちゃいますよ。
炙り物盛り合わせ(1,700円)は、辛党を喜ばせる人気の逸品。寒干しししゃもや姫ホッケ、鮭トバなどを炭火で軽くあぶっていただきます。ちりちりと熱が加わった干物は、香ばしくて噛むほどに旨みがじわり。
なかでも板ウニは、ウニの濃厚な旨みが凝縮された珍味中の珍味。焼き色のついた部分からは、ふわりと磯の香りがして、お酒を誘う大人な味わいが楽しめちゃいます。
名物料理で老舗酒蔵に思いを馳せる
七番蔵の料理は、料理そのものだけでも旨みにあふれているだけでなく、お酒とマリアージュさせることで、美味しさに深みが加わるものばかり。数あるメニューのなかでも、蔵元直営店らしいイチ押しの料理が「名物 酒林」です。
名前の通り酒蔵の象徴でもある酒林をモチーフにした一品で、三角屋根の部分がじゃがいもを香ばしく揚げたもの、メインの杉玉部分は、なかに半熟卵を抱き込んだつくねになっています。つくねを割るととろーりと黄身が流れ出してきて魅力的なルックス!
玉子の濃厚な旨みとジューシーなつくねの味があいまって、うっとりするような美味しさですよ。ここに、米の豊かな香りがする日本酒をひと口。口のなかは、極上の美味しさで満たされて幸福な空間に。
店内は、小林酒造が所蔵する珍しい酒杯のほか、和風の小物が品よく飾られて格調高い雰囲気になっています。ここは、繁華街の喧騒を忘れて、心静かにゆっくりと北の銘酒に酔いしれる居酒屋なのです。
スマートポイント
- カウンター席やテーブル席のほか、掘りごたつの半個室もあるので、一人でもグループでも利用しやすいです。ゆっくり、じっくりお酒と料理を楽しみたい人におススメ!
- 小林酒造がその時季出している銘柄を全種類味わえます。まる田などの定番商品は札幌市内の酒屋やお土産店でも扱っているところが多いので、気に入った味をお土産にするのも◎
- 日本酒以外にもビール、焼酎、カクテルなど幅広いお酒を用意。なかでも日本酒カクテルはライムの爽やかな酸味をいかした一杯で、日本酒が苦手な人でもクイクイいけます
ライターのおすすめ
利き酒師である金子達也店長はじめ、専門知識を持ったスタッフが徹底した鮮度管理を行っているので最上の状態で日本酒が味わえますよ。また道産の桜姫鶏を使った鶏料理が絶品です。
金子 美里
フリーランスライター。地元情報誌の編集として勤めたのち独立。現在は観光情報誌や旅行雑誌などに執筆。
INFORMATION
スポット名 | 地の酒・地の酉まる田 七番蔵 |
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住所 | 北海道札幌市中央区南2条西4丁目7-1 フェアリースクエアビル1階 |
ジャンル | 居酒屋 |
電話番号 | 011-271-1947 |
料金 | 4,000円~5,000円 |
営業時間 | 午後5時~午後11時(L.O.午後10時20分) |
定休日 | 日曜日(月曜日が祝日の場合は店舗に確認が必要) |
駐車場 | なし |
備考 | HP : http://www.kitanonishiki.com/nanaban/ |
地図 | 43.057521 |