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2020.01.17

人々の心に灯をともす
冬の風物詩・小樽雪あかりの路

writer : 千石 涼太郎

伊藤整の詩にあやかった小樽雪あかりの路は、1999年に市民の有志がはじめた市民による冬のイベント。
雪や氷、ワックスボールと呼ばれる手作りのキャンドル、そして、浮き玉キャンドルが幻想的で美しい風景を作り出します。
浮き玉キャンドルが幻想的
厳寒の2月、キーンと冷えた空気を雪あかりがやわらかく照す路。
痛いほどに冷たくなった頬を包み込む、オレンジ色の雪あかり。
大事な人と手をつないで歩きたくなる“心あたたまる時間”が港町、小樽に漂う……これが、小樽雪あかりの路なのです。

手作りのキャンドルに心あたたまる時

明治、大正、昭和と繁栄した小樽の街にはいまも小樽運河沿いを中心に、石造り木造建築の倉庫が数多く残っています。
日本で三番目、北海道初の鉄道・旧手宮線の軌道も、散策路として現存。
この歴史ある場所を使って行われる雪とキャンドルの共演には、10日あまりの開催期間中、年間50万人近い人々が押し寄せます。
それは、雪あかりのぬくもりと、人間が醸し出すぬくもりに、感動した人が毎年のように訪れるからなのです。
人間が醸し出すぬくもり

提供写真:小樽雪あかりの路実行委員会

まさに手作りの会場は、外国人を含むボランティアが、おもてなしの心をこめて、作っています。
だから、寒くても、あったかい!のです。
おもてなしの心をこめて

写真提供:小樽雪あかりの路実行委員会

小樽運河に浮かぶキャンドルは星空のように

浮き玉キャンドル
運河の水面で夜空の星のように輝いているのは、漁具であるガラス製の浮きをモチーフとした浮き玉キャンドル。
訪れた人々は小樽運河沿いの路を歩きながら、傍らのキャンドル見ては感動し、橋の上に立てば、運河に浮かぶ光に目を奪われ、しばし言葉を失うことも。
そして、「来てよかった!」と心のなかでつぶやくのです。
運河に浮かぶ光

イチオシ! 人情に包まれる手宮線会場

スノーキャンドル
ワックスボール
小樽の観光大使もお薦めしている目玉は、旧手宮線跡。
スノーキャンドル、ワックスボールのやわらかな灯が、なんともいえない雰囲気を漂わせています。

家族連れ、カップル、友達同士が仲よくあるく雪あかりの路をキャンドルの光と、市民があたたかく見守ってくれています。

旧手宮線跡で小樽人のやさしさに感動!

餅やじゃがいもを焼く
アイスバー
ドリンク
地元の方が、餅やじゃがいもを焼いてプレゼントしてくれたりするのが、ほかのイベントにはない「小樽」を感じさせる最大の要因。
年によってはアイスバーも登場することも。
ちょっとシャイだけれど、情に厚い小樽人と、雪あかりに照されながら、言葉を交わすふれあいのひと時。
風景を楽しむだけじゃない! これが小樽雪あかりの路なのです。

旧手宮線跡は夏は清々しく散策路ですが、冬には感動が待っています。
小樽雪あかりの路

小樽は、街そのものが会場です!

幻想的

朝里川温泉会場  提供写真:小樽雪あかりの路実行委員会

街そのものが会場

天狗山会場  提供写真:小樽雪あかりの路実行委員会

公式には、運河会場、手宮線会場がメーン会場となっていて、準メーン会場が朝里川温泉会場。
このほかに天狗山会場などがあるのですが、実は会場はそれだけではなく、小樽駅と運河の間にあるアーケード街、都通りも雪あかりの路となるように、街のあちこちに灯がともります。
ハートの光

カトリック富岡協会  提供写真:小樽雪あかりの路実行委員会

小樽署の前にも、寿司屋通りにも、市民や会社が独自に作った雪像やスノーキャンドル、アイスキャンドルなどが並んでいます。
誰かに頼まれたわけでもなく、自らの意志で街を彩る市民。
みな小樽にやってくるみなさんを心から歓迎してくれているのです。
雪像

※こちらは、公開日が2016年1月18日の記事となります。更新日は、ページ上部にてご確認いただけます。

スマートポイント

  • 小樽雪あかりの路記念スタンプラリーに参加すると特産品があたるかも!?
  • 期間中に撮影した写真を応募する「愛のフォトコンテスト」に入選すると商品や賞状が!
  • 冷えた体を外と中から暖められる素敵な飲食店が会場のすぐそばにたくさんあります。
    狙い目は都通りと交差する路地の店です。

ライターのおすすめ

マンネリしているご夫婦、ちょっとぎくしゃくしているご家族も雪あかりの路を手をつないで歩けば、あたたかい気持ちになるかも!? もちろん熱々カップルにもオススメです。

千石 涼太郎

北海道や旅、地域文化に関する書籍を多数上梓。「北海道新聞」、月刊誌「O.tone」等でエッセイ連載中です。

INFORMATION最新情報は、各施設の公式ウェブサイト等でご確認ください。

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