100年以上も市民の足として親しまれてきた札幌市電。ゴトゴトとゆったりした速度で街を走る姿は、どこかかわいらしさがあります。もいわ山ロープウェイの入り口や、中島公園など名所の近くに電停もあるので、観光にも便利です。
低床の新型車両ポラリスの登場や、2015年12月から始まったループ化など、近年話題も満載の札幌市電に揺られて、のんびりぐるりと札幌の街を周遊してみませんか?
観光
2017.05.01
ループ化された札幌市電で
ゴトゴトのんびり街を一周
writer : 金子 美里
名所巡りにも便利! 札幌市電で街中散歩
札幌は、市街地を路面電車が走る日本でも数少ない街の一つ。ごとんごとんとレトロな音をたてて、ビルに囲まれた大通りを電車が走るようすは、どことなくかわいらしくて絵になります。
札幌市電が走行する線路の全長は約9km。札幌の中心地といえる大通公園に近い駅前通り西4丁目から、西は市電の電車事業所がある西15丁目通り、南は豊平川に近い南22条通りを走って、札幌の象徴ともいえるすすきの交差点や新設された狸小路を回って西4丁目まで、約45分で街を一周します。
観光名所にアクセスのよい電停もありますよ。ロープウェイ入口の電停は、もいわ山展望台へ続くロープウェイの山麓駅まで徒歩でおよそ8分の場所。自然いっぱいの中島公園に近い中島公園電停も。名所巡りだけでなく、中心街をゆったりと走る電車の車窓を眺めて、札幌の街の雰囲気を感じるにも札幌市電はもってこいですよ。
ループ化されて乗りやすく。撮影ポイントはすすきの交差点
2015年12月に、駅前通り札幌三越交差点の西4丁目電停と、すすきの電停の線路がつながって、札幌市電はループ化されました。ループ化に伴って新設されたのが「狸小路」の電停です。
旧来の電停が道路の中央にあるのとは違って、新しい狸小路の電停は歩道から直接乗車できるのが特徴。お洒落な電停には、木のベンチもあって、電車を待ちながらちょっとひと休みにもぴったりな雰囲気です。狸小路から地下街へ通じる出入り口からも近いので、乗り換えもスムーズですよ。地下鉄やバスと市電を乗り継いで移動すると、乗車料金も割引されるので賢く使いたいですね。
ループ化されたことで、札幌の象徴として知られるすすきの交差点のNIKKAの看板と札幌市電を一緒に写真に収めることも。旅の記念の一枚にするのもいいですよ。
車両いろいろ。かっこいい新車両を狙って乗るもよし!
札幌市電は、レトロなものから最新のものまでさまざまな車両があるのも魅力です。2013年に登場したA1200形、通称ポラリスは、モノトーンのお洒落な車体。
三つの車両が連結されていて、全長17mという長さも特徴的です。低床で誰でも乗りやすいうえ、札幌市電車両としては、初の冷房を搭載しているので暑い夏も快適ですよ。
各電停には、時刻表と並んで、運行状況を示した電光掲示板があって、ポラリスがどこを走っているか一目瞭然になっています。新型車両を狙って乗るのも楽しいですね。
レトロな雰囲気が好きな人には、M100形と呼ばれる1961(昭和36)年製の車両もあります。モスグリーンとベージュの車体は愛嬌のあるルックス。1体しか残っていないので、この車両に出合えたらかなりラッキーです。
北海道らしい電車といえば、除雪用のササラ電車。線路の雪を飛ばすための竹製のほうきが付いた車両で、札幌の冬の風物詩になっています。
電車好きなら予約で電車事業所見学も
札幌市電の車両が集まる電車事業所は、予約をすれば見学も可能です(夏期のみ)。電車事業所電停から歩いてすぐの場所にあって、アクセスも便利。車庫にずらりと市電の車両が並んでいる様子は圧巻です。
市電のスタッフが30分ほど事業所内を案内してくれ、市電のことについて説明してくれたり、質問に答えてもくれますよ。事業所内での撮影もOK。車体を洗浄するようすも見られたり、電車好きにはたまらないツアーです。
各電停に時刻表や運行状況も掲示されていますが、約10分間隔で電車が来るので、とっても便利な札幌市電。いろいろな車両があったり、事業所が気軽に見学できるなど魅力もいっぱいです。単なる移動ツールとして活用するだけでなく、さまざまな楽しみ方でそのよさを思い切り満喫しちゃいましょう。
スマートポイント
- 土・日曜日、祝日と年末年始(12月29日~1月3日)には1日乗り放題の「どさんこパス」360円がお得。1枚で大人1人、子ども1人が利用できます。料金の支払いにはSuicaも使えます。
- 予約をすれば市電の貸し切りも。飲み物食べ物の持ち込み可能で、路線1周約1時間を自由に利用できます。グループでパーティーをしたり、大切な人と思い出に残る時間を過ごすのもOK
- 毎年冬には、コカ・コーラのクリスマス仕様車両や雪ミクラッピングカーを運行。特別車両の時刻表もHPで公開されるので、話題作りに狙って乗るのも〇。
ライターのおすすめ
札幌の街を感じるのに最適な乗り物としておすすめ。目的地を決めずに、始点から終点まで1周するのも楽しいですよ。
金子 美里
フリーランスライター。地元情報誌の編集として勤めたのち独立。現在は観光情報誌や旅行雑誌などに執筆。
INFORMATION
スポット名 | 札幌市電 |
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住所 | 北海道札幌市中央区南21条西16丁目2-20 電車事業所 |
ジャンル | 観光 |
電話番号 | 011-551-3944(札幌市交通局高速電車部運輸課) |
料金 | 大人200円、小人100円 ※地下鉄乗継320円(小人160円) |
営業時間 | 午前6時~午後11時30分 |
定休日 | 無休 ※悪天候などによる運休あり |
駐車場 | なし |
備考 | HP:https://www.city.sapporo.jp/st/shiden/sidenromen.html |
地図 | 43.0303562 |