函館の原点でもある元町公園
港を見渡す眺望に癒される

五稜郭タワーも函館港に浮かぶ摩周丸も一望できちゃう

歴史的建造物が点在し、レトロで異国情緒あふれる雰囲気が魅力の元町エリア。函館らしい風景が楽しめるとあって、のんびり街歩きを堪能している観光客で、いつでもにぎわっています。

元町有数の観光名所のひとつが元町公園。市電の末広町電停を降り、基坂をのぼることおよそ５分、函館山の麓にあるこの公園は、函館港や市街地を一望できる、ビュースポット。

公園内にある何段もの階段を上った高い場所が、一番の絶景ポイントになります。そこに立つと、ぐるっと海を巻き込むように弧を描く港の形や、にょきっと突き出た五稜郭タワーなどが見えるほか、晴れた日ならば、駒ケ岳など函館の街を囲む周辺の山々までが見渡せちゃいますよ。その清々しい景色は見ている人の心をほっと癒してくれて、街歩きの疲れも吹っ飛びます！　

公園内のビューポイントには展望案内板が設置されているので、実際の景色と見比べてみましょう。実際見てきた観光地を確認するのも楽しいし、これから行く場所のチェックするのにもいいですね。

地名の由来にもなった！　函館の歴史がいっぱい詰まってます

元町界隈は、江戸時代にやってきた宣教師がはじめた教会など歴史的建造物が多く残っていて、函館の歴史を感じられる場所。元町エリアにあるこの公園も、日本の歴史公園100選にも選ばれるほど街の歴史がいっぱい詰まっているんですよ。

真っ先に確認したいのは、函館の地名の由来になっている公園周辺の土地。室町時代、松前藩初代藩主と共にこの地を訪れた河野政通が、公園付近に箱型の「宇須岸（うすけし）河野館」という建物を築いたことから「函館」の名前が生まれたといわれています。

元町公園のすぐ目の前にあるペリー広場には、河野館跡の案内板が立っていて、静かにその歴史を伝えています。いまやすっかり公園の一部として整備された跡地を眺めていると、なんだかしみじみとした気持ちに。

また、箱館奉行所跡の碑や、街の礎を築くために私財をなげうって奔走した函館四天王の像とその功績を称える石碑が立っているなど、公園内を巡るだけで数々の歴史を学ぶことができちゃいますよ。

レトロで趣ある歴史的建造物も見どころ

公園のある場所には、江戸時代から明治期にかけて、奉行所や役所などが立っていました。園内には、明治時代に官公庁として使われた歴史的建造物が残されていて、当時の雰囲気を感じさせてくれます。

公園の南東、旧相馬邸に近い場所にあるレンガ造りの建物は、北海道の有形文化財にも指定されている旧開拓使函館市庁書籍庫。使われている煉瓦はほとんどが函館で焼かれたもの。レンガをよく見ると一つひとつに製造年と函館製の文字が刻まれているので探してみてくださいね。

そのすぐそばにある薄緑色の洋風な建物は、1909（明治42）年に建てられた旧北海道庁函館支庁庁舎です。三角の切妻屋根と玄関前の４本柱が優雅で趣深いですね。


ここは現在観光案内所にもなっていて建物のなかにも入れちゃいます。案内所の奥には、古い写真などを展示したスペースも。風情ある館内でゆっくり観光の計画を立ててみるのもステキですよ。

ロマンチックな夜景も楽しめちゃう！

街が一望できる清々しい昼の景色もステキですが、ここは、ぜひ夜にも訪れてほしいスポット。ロマンチックな夜景を静かに堪能できる穴場なので、とくにカップルにはオススメですよ！　

ライトアップされた五稜郭公園やイルミネーションが施された摩周丸が眺められるほか、街の灯りに照らされてキラキラと光る、函館港の水面もきれいでうっとりしちゃいます。


公園に隣接する旧函館区公会堂をはじめ、元町エリアの歴史的な建物もライトアップされていて、昼間とは違うしっとりと大人な雰囲気を醸し出しています。
街がイルミネーションで彩られる「はこだて冬フェスティバル」の期間中は、目の前の基坂の街路樹が光で飾られてさらにロマンチックに！

美しい景色と歴史を感じさせる史跡や建物が楽しめる元町公園。公園の目の前に延びる基坂や、訪れたい坂日本一に輝いた八幡坂など、周辺には景色のよい坂もいろいろ。ゆっくり、じっくり、そして時間やルートを変えて、公園の魅力をたっぷり堪能しちゃいましょう！