道北の稚内港~利尻島・礼文島、それに道南の江差・せたな港~奥尻島と、北海道の離島を船で結んでいるハートランドフェリー。観光客やビジネスマンだけでなく、島の人たちにとっても生活に欠かせない船として親しまれています。どの路線も、車やトラックと約500名の定員を収容する3,600トン級の船なので、乗り心地も穏やかに過ごせますよ。
道北では、稚内港から利尻島の鴛泊(おしどまり)港、一部は沓形(くつがた)港へ、さらに礼文島の香深(かふか)港への航路があります。稚内から礼文は、直行便と利尻経由の便との2パターン。今回は、利尻の鴛泊港から礼文の香深港まで約20km、45分の旅をしてみましょう。稚内からは、利尻経由便で2時間50分(直行便は1時間55分)です。
観光
2017.09.24
稚内から憧れの利尻・礼文へ
ハートランドフェリーでGO!
writer : タカハシアキコ
1等にする、それとも2等? 離島フェリーでワクワク旅
利尻島の鴛泊フェリーターミナル(海の駅おしどまり)から見えるのは、ボレアース宗谷。ほかにも、サイプリア宗谷、フィルイーズ宗谷の計3隻が道北航路を往復しています。(写真は3隻のなかでも人気が高いサイプリア宗谷)
予約チケットの発券や、1等席券の購入は乗船の20分前までに(車がある場合や当日のみ発売の2等席券は40分前)フェリーターミナルのきっぷ売り場で手続きを済ませておきましょう。自転車やバイクを持ち込む場合は、別料金がかかります。乗船時刻は、出発のだいたい20~30分前から5分前まで。混みあう夏の観光シーズンの2等席で、窓際の席など好みの場所を確保したい人は、早めに並んでおきましょう。
2008年に就航した「サイプリア宗谷」に乗船! 港を離れる出発時は1階のデッキに出るのもいいですね。深い藍色の海に、白くなびく航跡と利尻山を眺めながら、いざ礼文島へ! 暖かく天気の良い日なら、デッキのベンチ席で海風を受けながら過ごすのも快適ですよ。
売店には、酔い止めやオリジナルグッズ、名物アイスも
乗船したら、チェックしておきたいのが1階の売店を兼ねた案内所。分からないことはここで尋ねておきましょう。お菓子やドリンク類、おつまみなどもそろっています。酔い止めの薬もあるので、揺れそうな時は購入しておくと安心。
乗船中にアイスはいかが? 珍しいクマザサ味や宗谷の塩味もある稚内牛乳アイスクリーム(260円)は、低温殺菌のミルクを使ったコクのある味わいでおすすめ。ハートランドフェリーオリジナルのペーパークラフトやキーホルダー、ボールペンやストラップも旅の思い出にどうぞ。
サイプリア宗谷の船内は、スマートでちょっと上質な雰囲気。左側の障子デザインの壁は一人ずつの仕切りがあって横になれる1等和室、右側はバリアフリーの優先席があります。
同じフロアには2等のいす席も。ボレアース宗谷、フィルイーズ宗谷は、ここがじゅうたん敷きのスペースになります。サイプリア宗谷も、売店の裏側にじゅうたん敷きの2等スペースがあります。
まるでホテルみたいな特別室で、旅の贅沢してみちゃう?
ちょっとグレードアップしたい人は、2階の1等ラウンジ席へ。利尻島から礼文島間なら、1等ラウンジは大人片道で1,570円。2等席は800円です。稚内から礼文島間は、同じく4,520円と2,260円。1階にある1等和室は、1等ラウンジ席よりも料金がちょっとお安めです。
贅沢気分に浸るなら1等ラウンジ席がおすすめ。列車のグリーン席のようなリクライニングシートで、席同士のゆとりもあるので快適に過ごせます。海側の席をキープすれば、窓からの大海原や海鳥、近づいてくる島影といった景色も楽しみ。
とっておきの時間をグループや家族で過ごしたいなら、一部屋限定の特別室へどうぞ。まるでホテルのようにラグジュアリーな空間です。好きなワインを持ち込んだりして、ちょっとしたパーティー気分で過ごすのもいいですね。料金は一室貸し切りで、稚内から礼文島まで2万円、利尻島からは1万円です(別に人数分の2等席料金が必要)。
今日も安全で快適な運航! 活躍する航海士たち
普段は立ち入り禁止になっている、2階の操舵室(ブリッジ)もちょっとのぞいてみましょう。たくさんの計器が並ぶ先には、窓が横一面に並んでいます。フェリーの先頭だけあって、さすがのナイスビュー!
操舵装置のほか、船同士の衝突を防ぐレーザーモニターや、サイプリア宗谷には横揺れを軽減するフィンスタビライザーの操作盤などが並んでいます。このような機器を操作する航海士の方々の努力で、安全で快適な乗り心地を楽しめるのですね。
利尻島からの出発から30分ほどで、礼文島が見えてきます! デッキに出て近づく島の眺めを楽しむ人、写真を撮る人とこれからのワクワク感も高まってきます。ハートランドフェリーで最北の離島へ、忘れられない思い出を作りに行きましょう!
スマートポイント
- フェリーは期間によって運行本数、時刻が異なるので公式サイトをチェックして。利尻島は北部の鴛泊フェリーターミナルがメインですが、西部の沓形港を発着するフェリーもあります。
- 夏の観光シーズンに欠航を心配する人もいますが、2016年6~8月に欠航したのはたった2日。10月~3月ごろの冬季は、例年欠航が多くなるので注意を。公式サイトやLINEでも運行情報を配信しています。
- フェリー内には無料Wifiがあるので、礼文島での観光情報などをスマホで調べておくのもいいですね。乗客用のコンセント設備は無いので、乗船前に宿などでしっかりと充電しておきましょう。
ライターのおすすめ
売店には、礼文島キャラクター「あつもん」パッケージのおしゃぶり昆布(320円)、稚内のキャラ、ゴマアザラシの「出汁之助」ほっけ燻製スティック(220円)などプチ土産にしたいユニークな物もあります!
タカハシアキコ
北海道移住歴20年。亜熱帯の血を持つ寒がりライター。お手ごろで魅力的なモノやスポットを発掘すべく歩き回っています。
INFORMATION
スポット名 | ハートランドフェリー |
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住所 | 北海道札幌市中央区北3条西3丁目1番地 札幌北三条ビル12階(本社) |
ジャンル | 観光 |
電話番号 | 0162-23-8010(予約受付、稚内)、011-233-8010(本社、土曜日、日曜日、祝日は休み) |
料金 | 稚内~鴛泊:片道2等席2,030円・1等ラウンジ席(座席指定)4,090円 稚内~香深:片道2等席2,260円・1等ラウンジ席(座席指定)4,520円 鴛泊・沓形〜香深:片道2等席800円・1等ラウンジ席(座席指定)1,570円 |
定休日 | 通年運航 |
駐車場 | 各フェリーターミナルにあり |
備考 | HP : http://www.heartlandferry.jp/ |
地図 | 43.0653687 |