小樽駅から運河方面へまっすぐ歩くと、10分ほどで小樽運河の中央橋にぶつかります。中央橋の西側に見える橋が龍宮橋です。この観光客の喧騒が落ち着く龍宮橋から西が北運河です。北運河は小樽運河よりも海が近く、船もたくさん停泊しています。また、大幅に埋め立てられた小樽運河とは異なり、利用していた時代と同様の40m幅のまま残されています。小樽運河より観光客が少なく、落ち着いた雰囲気の運河脇にある散策路を歩いて行くと、当時の風情を残した風景に出合うことができます。
北運河の今と昔
龍宮橋を越えて進むと、突然運河の幅が広がります。当時は荷物をいっぱいに積んだたくさんの小舟でにぎわっていましたが、
今は小型船がたくさん係留されている風景が見られます。運河は運河公園の前で終わるのですが、かつてはここから旧日本郵船小樽支店の前まで水路が引かれていました。今はかつての水路の幅(40m)の1/4スケールの噴水が設置され、かすかな面影を残すのみとなっています。
時代を感じさせる貴重な歴史建造物
北運河周辺には貴重な歴史建造物がたくさん残っており、大きな倉庫が多いのが特徴です。龍宮橋から西側を向いて右手に見ることのできる4階建の鉄製の扉と階段が印象的な建物は1921(大正10)年の創業の「北海製罐(ほっかいせいかん)」の第三倉庫。
小樽で最も古い鉄筋コンクリート建造物です。さらに西に進むと、広い公園とひときわ目立つ洋館が現れます。1906(明治39)年に落成した旧日本郵船小樽支店です。現在では、資料館として入館料300円で一般開放されています。明治・大正期の海運を中心とした小樽の発展経過が資料として展示されています。午前9時30分〜午後5時までの営業で、火曜日が休館です。
北運河そばにある趣のある倉庫群
運河の北端には旧広海倉庫、旧右近倉庫、旧増田倉庫という歴史建造物が3棟連なって建っています。この3つの倉庫は全て明治時代の石造り倉庫で、最も古いのは旧広海倉庫の1889(明治22)年です。どれも未だ現役で、少しずつ改修を重ねながらも建設当時の姿を今に残しています。周辺には倉庫を改修したおしゃれなカフェもあるので、歩き疲れたらカフェで休むのはいかがでしょうか。
※こちらは、公開日が2015年12月18日の記事となります。更新日は、ページ上部にてご確認いただけます。