北海道の阿寒国立公園の特別保護区に指定されている摩周湖は、周囲約20kmにも及ぶ切り立った断崖に囲まれ、外からの影響を受けにくく注ぎ込む川もない……あらゆるものを拒むような神秘的な佇まいをしています。その水の透明度と水深の深さによって現れる、吸い込まれそうな藍色は“摩周ブルー”と呼ばれ、訪れる時期・時間・見る位置によって色は変化し、時には霧で包み隠され、変化に富んだ姿で訪れる人を魅惑するのです。
摩周湖の表の顔、摩周第一展望台
約7,000年前、摩周火山が噴火、陥没した摩周カルデラに長い年月をかけて雨水や雪どけの水がたまったのが摩周湖の由来といいます。摩周温泉側から一番近い摩周第一展望台の正面には“神の山”という意味のカムイヌプリ(摩周岳)を火口部側から望み、中央に浮かぶカムイッシュ島、遠くには斜里岳が姿を見せる、なんとも贅沢な光景が広がります。併設されたレストハウスでは館内からも摩周湖を見ることができるほか、北海道らしいお土産も充実。
摩周湖の別の顔、摩周第三展望台
川湯温泉から摩周湖を目指して最初にあるのが、第三展望台。第一展望台よりも北に位置し、標高701mとより高い位置にあるこの場所からは、猛々しいシルエットを見せる摩周岳(標高857m)とカムイッシュ島がより近く正面に望めます。摩周湖を取り囲む絶壁の樹々が間近に迫り、摩周湖の別の顔、新たな摩周ブルーがここにあります。振り返ると大絶景なのも魅力のひとつで、日本最大のカルデラ湖「屈斜路湖」を見るのを忘れずに。因みに、過去に存在した第二展望台への細道は危険な箇所も多く、現在閉鎖中。
摩周湖の裏の顔!? 裏摩周展望台
「霧の摩周湖」と言われるほど、霧の溜まりやすいカルデラ壁に囲まれた形状をしている摩周湖では、なかなか全貌を見ることができないのも事実。第一・第三展望台の反対側に位置し、標高の低い裏摩周展望台は、霧がなく透明度の高い湖面を見られる確率が高い穴場スポット。お手洗いも完備されています。ここまで来たなら、北へ約11km行った先にある神の子池まで足を延ばすのもおすすめ。摩周湖の伏流水で満たされ、澄み切った青い池は必見。
※こちらは、公開日が2016年11月21日の記事となります。更新日は、ページ上部にてご確認いただけます。