増毛(ましけ)町にある蔵元・国稀(くにまれ)酒造は、北海道内では知らない人のいないほど、有名な蔵元です。創業は明治時代。堂々とした木造の店舗からも、歴史の深さが伝わってきます。お酒の販売はもちろん、店舗の奥にある酒蔵のなかを見学できるほか、数々の銘柄を試飲することも可能です。ほかに、米蔵やかつての倉庫で企画展示を楽しんだり、ひと休みもOK。日本最北の蔵元でおいしいお酒を味わい、蔵の歴史を感じられます。
増毛町とともに歩んできた老舗酒蔵
増毛町は、北海道北部、日本海側にある港町です。かつてはニシン漁で栄えた街で、メインストリートは往時を思わせる古い石蔵や、風格のある木造の建築物が目を引きます。なかでも堂々たる佇まいで、多くの観光客をひきつけるのが國稀酒造です。1882(明治15)年に創業し、昔から地元を代表する商家として知られてきました。現在は、銘酒の「國稀」を筆頭に、季節限定などを含め17種類を醸造。趣ある建物のなかで、道北の名峰・暑寒別(しょかんべつ)山系の雪解け水を使って造る北海道有数の銘酒に出合えます。
酒蔵見学に加えて試飲も楽しめる
店舗の奥にある石造りの酒蔵は、自由見学が可能です。仕込み水を味わったり、実際にお酒を醸すタンクの大きさに驚いたり、それから酒づくりの行程も学べます。また、酒蔵のなかでは、国稀で製造している銘柄を自由に試飲できる「利き酒コーナー」も。売店で販売しているすべての銘柄を試飲できるので、ここでいろいろ味わって、自分好みの味をじっくり選べます。石蔵内にある資料室では、昔のお酒のラベルや酒瓶のなど、国稀酒造の歴史資料が展示されています。
明治・大正期に建造した建物も必見
国稀酒造は建物も見どころ。堂々と風格の漂う店舗は、建てられた年によって、大きく二つに分けられます。通りからも見える木造部分は、1918(大正7)年建造。お酒の販売スペースのほかに、昔の民家をほうふつとさせる畳の居間があって、レトロ感いっぱい。その奥にある、石蔵は1902(明治35)年から醸造所として使われています。ほかにも、店舗から徒歩数分の場所にある千石蔵(冬期は休館)など歴史的建造物がいろいろ。ニシンの漁船や釣り具などを展示していて、町の歴史にふれられます。
※こちらは、公開日が2016年12月6日の記事となります。更新日は、ページ上部にてご確認いただけます。