札幌地下鉄「円山公園駅」から15分ほど歩くと、約6万坪の境内に豊かな自然が息づく北海道神宮があります。北海道の開拓と発展の守護神がまつられ、初詣はもちろん、春はお花見、夏は木陰の涼しいお散歩、秋は紅葉狩り…と、季節を通じて人々が集まる憩いの空間。運がよければ、木々の間をかけめぐる、かわいいエゾリスに会えるかもしれません。
北海道の発展を願って建てられた総鎮守
北海道神宮は、北海道の総鎮守として明治天皇の詔により1927(明治2)年に創祀され、1929(明治4)年に現在の円山に鎮座しました。当時は、札幌のまちづくりが本格的にはじまった時代。本州などからの移住者が慣れない土地で開墾にはげむなか、開拓の守護神をおまつりする神社として心の拠り所となりました。境内には、「北海道開拓の父」とよばれる初代開拓判官・島義勇(しま・よしたけ)の銅像が建立されています。また、毎年6月15日は「札幌まつり(北海道神宮例祭)」が行われ、16日には神輿渡御(みこしとぎょ)が行われます。例祭は1872(明治5)年から、神輿渡御は1878(明治11)年から続いています。
桜と梅が一度に咲くお花見スポット
北海道神宮は、隣接する円山公園とともに北海道有数の桜の名所となっています。例年5月はじめには、境内にある約千本の桜がいっせいに咲き誇り、多くのお花見客でにぎわいます。さらに桜と同じころ、約200本の梅も一度に開花し、豪華なお花見が楽しめます。また、北海道神宮を取り囲む原生林や植物は、1921(大正10)年から国の天然記念物として保護され、エゾリスや20種類以上の野鳥が生息。境内をゆっくり散策すると、北国の自然を身近に感じることができます。
お土産には神宮の梅酒を
近年は外国人参拝者も増え、英語や中国語など外国語のおみくじや、外国語の案内看板などがあり、国際色豊かなことも特徴です。参拝のお土産として、外国人にも日本人にも評判なのが、「御神酒神宮の梅」。境内の梅林でとれた梅の実を原料に、札幌市西部を流れる手稲山系の伏流水で製造した梅酒です(800円)。梅酒のビンは神事に用いる酒器の形で、北海道神宮の授与所だけで販売しています。このほか、境内の桜の花びらを使った湯茶「神宮の桜」もあり、梅酒とセットでお土産におすすめです。
※こちらは、公開日が2016年12月1日の記事となります。更新日は、ページ上部にてご確認いただけます。