明治~大正時代にかけて、ニシン漁で巨万の富を築き上げた網元・青山家。1917(大正6)年から6年半の歳月と、現代の価格で30億円とも言われる費用をかけて建てられたのが、「旧青山別邸」です。北前船で運ばれた最高の素材、職人が細部にまで魂を込めた美術品や細工など、随所に見どころがある貴重な歴史的建造物となっています。
ニシン漁の繁栄を伝える大豪邸
明治時代後期から大正時代にかけて、小樽から稚内に至る日本海沿岸に大きな富をもたらしたニシン漁。その網元の一つ、青山家の二代目、三代目当主が、お客様をもてなすために建てた豪邸が「旧青山別邸」です。食事処が入った別棟の「小樽貴賓館」とともに一般公開され、おたる水族館にもほど近い人気観光スポットになっています。
予算度外視の建物と貴重な美術品
重厚感あふれる造りの旧青山別邸。使われている木材のほとんどは、ヒノキやケヤキ、スギなど、北海道には自生しない樹木です。これらはすべて北前船で青山家のルーツ、山形県から運ばれてきました。三代目当主・青山政恵はとくに美意識が高く、豪華な襖絵や書を邸内各所に描かせました。
食事処や四季折々に美しい庭園も!
渡り廊下でつながる小樽貴賓館では、北海道内在住のプロ・アマ画家が描いた花の絵、138枚が飾られた天井が圧巻。和風レストランではオリジナルのニシン料理や甘味、コーヒーなどが楽しめます。庭園は桜やツツジ、アジサイ、ユリなど季節ごとに美しい花々で彩られ、毎年5月下旬から7月初旬に開催される「牡丹・芍薬(ぼたん・しゃくやく)まつり」は初夏の小樽の人気イベントの一つです。
※こちらは、公開日が2016年9月10日の記事となります。更新日は、ページ上部にてご確認いただけます。