函館山のふもと、元町エリアは函館開港時、外国の領事館が集中していた場所で、歴史ある教会がいくつも見られます。味わい深い坂道と、美しい教会の組み合わせは、どこを切り取っても“絵になる風景”ばかり。もちろん、いまも多くの信者の方が通う神聖な場所ですが、観光スポットとしても多くの人が訪れます。時間や曜日によっては、内部を拝観できる教会もあり、美しい祭壇やステンドグラスを見ることもできます。
坂を歩きながら教会めぐり
函館を代表する坂の一つ、「大三坂(だいさんざか)」と、その先の「チャチャ登り」という急な坂道に面して、三つの教会が建っています。すべてキリスト教の教会ですが、宗派がちがい、建物のデザインも大きく異なっています。それぞれの特徴を比べながら見るのも楽しいもの。高さ33mのとがった大鐘楼があるゴシック様式の「カトリック元町教会」、白い壁に青緑の屋根、ロシアビサンチン様式の「函館ハリストス正教会」、大きな十字架が印象的な「函館ヨハネ教会」、あなたはどの教会がお気に入り?
ライトアップされる夜も必見!
「大三坂」を下り、「弁天末広通り」を北西に進むともう一つ、「日本基督教団函館教会」があります。優しいクリーム色の壁に、緑の窓枠やアーチ型の扉があざやか。これらの教会群は、日没から午後10時ころまで美しくライトアップされ、さらにドラマチックな風景が広がります。函館のまちの灯とともに、夜空に浮かび上がる教会群を見ていると、遠い異国に迷い込んだような気分です。
週末は鐘が鳴るハリストス正教会
函館のシンボルであり、国の重要文化財でもある「函館ハリストス正教会」は、日本初のロシア正教会で、開港と同年の1859(安政6)年に誕生しました。その後、火事にあって大改修され、現在の聖堂は1916(大正5)年に建てられたもの。市民には「ガンガン寺」の愛称で親しまれていますが、これは教会にある鐘が由来しています。毎週土曜日の夕方と、日曜午前の礼拝の時間には、美しい鐘の音が函館山のふもとに響き渡ります。
※こちらは、公開日が2016年6月8日の記事となります。更新日は、ページ上部にてご確認いただけます。