新型コロナウィルス肺炎感染症拡大防止のため日本航空(JAL)が行っている対策のひとつとして、座席指定を一部制限し、お客様同士の距離をとって飛行機内でのソーシャルディスタンシングを実施しています。感染症終息後に、飛行機を利用して旅行に行きたい方はきっと多いはず。具体的にどのような取り組みをしているのかをご紹介します。
空港・飛行機
2020.05.14
飛行機内でもソーシャルディスタンス!新型コロナウイルス対策
writer : 編集部
飛行機は3密じゃない?
新型コロナウィルス肺炎感染症防止のため、密閉空間、密集場所、密接場面の「3つの密を避けましょう」という言葉をよく耳にするようになりました。飛行機内は、窓を開ける事ができないし、人が集まるし、隣りの座席のお客さんと距離が近いし、「3密」なのでは?と心配な方もいるのではないでしょうか。
実は、飛行機内の空気は、常に機外から新しい空気を取り入れ機内で循環させ、 その後、機外へ排出することにより、概ね2~3分ですべて入れ替わる仕組みになっています。ちなみに、新幹線は6~8分に1回、車内の空気と外気が入れ替わるそうです。
常に外気を取り入れてているだけでなく、JALグループで運航するジェット機は、機内で循環する空気を清潔に保つための高性能空気フィルターを完備しています。
次に、密集場所、密接場面への対策として、「ソーシャルディスタンシング*」を行っています。機内でできるだけお客さま同士の空間を広く確保できるように、一部の座席が指定できなくなっています。それにより、飛行機に搭乗する人数が制限され、他のお客さんと一定の距離を保つことができます。
*ソーシャルディスタンシング
日本語で「社会的距離」を意味します。新型コロナウィルスは無症状でもウイルスを保有している可能性があり、気づかないうちに他者へ感染してしまうことがあります。自分だけでなく、相手への感染を防ぐために、社会的距離の確保として、ソーシャルディスタンスという考え方が提唱されました。最近では、フィジカルディスタンス(身体的距離)という言葉を用いられることもあります。
新型コロナウィルス肺炎感染症の感染経路のひとつである飛沫感染は、くしゃみや咳によって他者へ感染させてしまいます。このくしゃみや咳による飛沫が到達する距離は、くしゃみで3メートル、咳で2メートルといわれていて、この距離を感染防止のために保つべき距離として、人と人との距離を2メートル以上とることが推奨されています。
機内におけるソーシャルディスタンシング対応
日本航空ではソーシャルディスタンスを確保するため、2020年6月30日(予定)まで、飛行機内の一部の座席を指定対象外としています。(一部の機材・路線、国際線ファーストクラス、ビジネスクラスは対象外)
すでに航空券を予約している場合、座席番号の変更をお願いされることがあります。隣同士の座席を予約したはずなのに、座席が離れてしまっている場合は、おそらくソーシャルディスタンスの取り組みによるものです。
では実際、どこが座席指定できて、どこができないのでしょうか?
機材・路線によって、飛行機内の座席の配列が異なるので、国内線で使用されている機材の座席の配列でご紹介します。
※今後の状況によって変更となる可能性があります。
2列・2列
真ん中に通路を挟んで、左右に2列座席がある機材の配列です。通路側の座席が指定不可となっています。
クラスJや、前方、後方の座席は配列が異なる場合があります。
機材例:エンブラエル170(E70) 76席、エンブラエル190(E90) 95席、ボンバルディアDHC8-Q400CC(DH4) 50席 など
3列・3列
真ん中に通路を挟んで、左右に3列座席がある機材の配列です。中央の座席が指定不可となっています。
クラスJや、前方、後方の座席は配列が異なる場合があります。
機材例:ボーイング737-800(738/73H) 144~165席
2列・3列・2列
右に2例、両側に通路をはさんで中央に3列、左に2列座席がある機材の配列です。
左右にある2列の座席は、通路側、中央にある3列の座席は真ん中の座席が指定不可となっております。
ファーストクラスやクラスJ、前方、後方の座席は配列が異なる場合があります。
機材例:ボーイング767-300(767) 261席、ボーイング767-300ER(763) 199~261席
3列・3列・3列
通路を挟んで、3列ずつ右・中央・左に座席がある機材の配列の場合、中央の座席が指定不可となっております。
ファーストクラスやクラスJ、前方、後方の座席は配列が異なる場合があります。
機材例:ボーイング787-8(788) 161~291席、エアバスA350-900(359) 369席
3列・4列・3列
左右に3列、中央に4列座席がある大型機材の場合、中央の座席が指定不可となっております。
ファーストクラスやクラスJ、前方、後方の座席は配列が異なる場合があります。
機材例:ボーイング777-200(777/772) 375席、ボーイング777-300(773) 500席
自分がどの配列の機材なのか、わからなくても大丈夫!座席指定時に選べなくなっているので一目でわかるはずです。
他にもたくさん!機内の新型コロナウィルス対策
JALではソーシャルディスタンシング対応以外にも、お客さまの安心と安全を確保するためさまざまな対策を行っています。
・機内消毒
夜間整備中に、座席回り、テーブル、肘掛け、トイレのドアノブや、蛇口などお客さまの手が触れる部分のアルコール消毒を実施しています。
・客室乗務員のマスク、手袋着用
飛行機内で安心してサービスを受けられるように、全路線の客室乗務員はマスクを着用しています。飲み物のサービス時などに手袋も着用しています。
・地上係員のマスク着用
空港で接客をしている地上係員のマスクの着用を推奨しています。
・乗務員の健康状態管理の徹底
・機内サービスの一部変更
ブランケットや枕の貸し出しを中止、飲み物を紙パック入りのお茶に変更しています。
ご自身でも充分な予防を!
いろんな対策を行ってはいますが、ご自身での予防対策もお忘れなく!飛行機搭乗時にマスクの着用や、体調が優れない場合は無理をせず搭乗を控えましょう。
一日もはやく新型コロナウィルス感染症の流行が終息し、安心して旅行にいける日が戻ることを願います。