大阪府大阪市。JR天王寺駅から大阪環状線で2駅、桃谷駅から歩いて5分ほどの場所にある「本松葉屋」。
1927(昭和2)年創業の歴史ある店で、ここ大阪府の本店と兵庫県にある伊丹店に足を運んでしか食べられない、知る人ぞ知る大阪府で有名な和菓子店です。
会長は食の人間国宝や、黄綬褒章の受賞歴もある名工、西尾智司さん。菓子博などでさまざまな表彰を受けている松下雄一社長と共に、日々研究を重ねて新しい和菓子を生み出しています。
そのおいしさはもちろんのこと、他では買えない珍しい商品があると、お茶の先生のご贔屓も多いとか。グルメな方がわざわざ買いに行きたい、魅力的な商品がいっぱいのお店です。
お土産
2021.09.03
大阪の名工が作る和菓子の数々
わざわざ行きたい「本松葉屋」
writer : 並河智子
カステラ生地の風味豊かな代表銘菓「くらだし」
本松葉屋の代表銘菓は、創業当時から作られているくらだし(162円)。収穫量が少なく、希少な岡山の備中小豆を使った粒あんを、カステラ生地で挟んでいます。
備中小豆は、一般の小豆に比べて風味豊か。ただ皮が固く炊くのが難しいので、敬遠する和菓子屋さんが多いのだとか。その小豆を、独自の技術で、低温で風味を逃さないようじっくり柔らかく炊きあげています。
甘みのあるカステラ生地に負けない粒あんの味わいが、口の中いっぱいに広がる逸品です。
大阪のお土産にぴったりの「天守の甍」
天守の甍(てんしゅのいらか)(540円)は、大阪城の棟瓦を模様づけした、大阪府らしい商品。
国産の栗をまるごと一つ使い、こしあんと羽二重時雨生地の二層で包んでいます。黄味あんをベースにした、ほろっとほどけるような羽二重時雨生地。
口に入れると、驚くほどの栗の風味が広がります。抹茶仕立てと、黄身餡仕立ての2種類です。大切な方への手土産にもおすすめ。
月の1日にしか食べられない「月いち餅」
毎月1日に、ご先祖さまや神様に餅や菓子をお供えする習慣にならい、毎月1日に限定で販売している月いち餅(1桶5個入り918円)。
12ヵ月、毎月月替わりで餅菓子が登場します。
その日の朝に餅をつき、手で包んで作るので数量に限りがあります。売切れになることもあるので、事前に予約しておくのがおすすめ。
12月は、丹波の黒豆をたっぷり使った黒豆大福餅。甘さ控えめな粒あんを包んでいます。
3月は菜の花餅。よもぎ入りの餅でこしあんを包み、カステラのそぼろをまぶしています。よもぎ色と黄色の見た目も、春の訪れを感じる一品です。
夏と冬の季節限定商品も要チェック
いちご大福(324円)は、11月下旬から5月下旬までの季節限定。
その日の朝に、近くの木津市場に出向いて仕入れる新鮮ないちごを、まるごと一つ包みます。「どうしてもいいいちごが手に入らなければ、その日は作りません」と松下社長。素材への妥協をゆるさない、商品作りの心が伝わります。
一番外側の餅生地は、他の商品とは違った配合で作る、ふわっと柔らかいお餅。いちごのフレッシュさと、食感が際立ちます。
いちご大福と入れ替わりに夏季限定で登場するわらび餅(864円)は、リピーターが多い品。
本わらび粉で作るわらび餅に、国産大豆のきなこをかけていただきます。絶妙なやわらかさと、ほんのりやさしい甘さが人気の理由です。
ゆっくり商品選びができる
店内は清潔感があって明るい雰囲気。テイクアウトのみですが、商品を購入したお客さんには、お茶と小さなお菓子のサービスがあります。そんなお店の気遣いもうれしいですね。「通年の商品はあまりなくて、季節によって棚がしょっちゅう変わります」と話す松下社長。何度足を運んでも胸がときめく、和菓子好きにはたまらない空間です。
周辺情報
本松葉屋へ訪れる際は、合わせて四天王寺の参拝がおすすめです。
四天王寺までは徒歩約15分です。四天王寺から更に天王寺方面に向かうと天王寺公園があるので、天気がよければ天王寺公園で和菓子を広げるのもいいですね。
※こちらは、公開日が2016年11月4日の記事となります。更新日は、ページ上部にてご確認いただけます。
スマートポイント
- 和菓子の名工として、黄綬褒章の受賞歴もある西尾智司さんが会長を務める店。初代からの伝統を受け継ぎながら、改良を重ねた和菓子の数々は、どれも丁寧に作られたことが分かる逸品ばかり。
- 本松葉屋の商品に使われているあんは、すべて備中小豆から作る。北海道小豆などと比べて、風味が豊かで希少品種とされている。皮が固く、敬遠されがちな備中小豆をやわらかく炊く技術は、本松葉屋ならでは。
- 本松葉屋の代表銘菓「くらだし」の日持ちは一週間、大阪府らしい「天守の甍」は二週間。生菓子だけでなく、お土産にできる商品もたくさん揃っている。
ライターのおすすめ
本松葉屋の工夫を凝らした、おいしく美しい商品の数々に、うっとりする時間でした。思わずお土産も買って帰ったほどです!和菓子好きの方にはぜひ行ってほしいお店です。
並河智子
人を知ること、街を知ること、新たな出会いがおもしろいなぁとライター仕事を満喫中。
INFORMATION
スポット名 | 告季菓匠 本松葉屋 |
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住所 | 大阪府大阪市天王寺区真法院町1-14 |
ジャンル | グルメ・お土産 |
電話番号 | 06-6771-0304 |
料金 | 151円~ |
営業時間 | 9:00~19:00(祝日のみ17:00まで) |
定休日 | 日曜 |
駐車場 | なし |
備考 | HP:http://www.hon-matsubaya.co.jp/index.html |