大阪のええもんがいっぱい
天満天神MAIDO屋

なにわことばが書かれた提灯が目印

日本一長い商店街と大阪の人々が自慢する、天神橋筋商店街。多くの人でにぎわうこの商店街のなかに、たくさんの提灯が飾られた、ひときわ目立つお土産物店があります。提灯には「ごんた」「やつし」など、今では大阪の人も使わなくなってしまった、昔ながらの大阪弁が書かれていて、思わず足を止めて意味を考え込む人も。

店内に入るとお菓子や調味料、器、玩具など、さまざまなものがありますが、すべて大阪生まれ。地元の人も知らないような、隠れた名品やこだわりの土産ものを集めた、ありそうでなかったお店です。中央にある檜を使った什器は、京都からの物資を天満の南にある八軒家まで運んできた「三十石舟」をイメージした形。大阪を発展させた水運の歴史を表現しています。

大阪人も「おっ」と思う、こだわりの大阪もん

店の一番の売れ筋は、昔懐かしいお菓子です。豆菓子や飴などが並んでいますが、定番人気は松岡製菓の「満月ポン」。”ぽんせん”と呼ばれる大阪人が愛する醤油味のおせんべいで、昭和30年代には大阪の下町のあちこちで作られていましたが今では松岡製菓だけになってしまいました。

丸みのあるカットが特徴の「天満切子」のグラスもお店の人気商品。MAIDO屋がある天満周辺はガラス工場で栄えていた歴史があり、それを伝えようと「天満切子」というガラス細工を考案したそう。上からのぞくと万華鏡のように光が写り込み、飲み物を美しく輝かせます。現在作り手が一人しかいないそうです。

ソースにうるさい大阪人が幻のソースと呼ぶ「ヘルメスソース」も発見。ほぼ一人の手で手作りされているという希少なソースで、MAIDO屋でも入荷するとすぐに売り切れてしまうとか。見つけたら、ぜひその味を確かめてみてください。

自らプロデュースしたオリジナル商品も

店主の赤尾さんが、地元のお店とタッグを組んで開発したオリジナル商品もありました。唐揚げとだしまき卵が名物のお弁当屋さんにお願いして作り上げたのは、誰でも簡単に作ることができるだしまき用のつゆ。こだわりの昆布や鰹節を使ってお店の味を再現したつゆは、だしの効いた、関西らしいまろやかな味。いろいろな料理にも応用できそうです。

さまざまな形で大阪もんの魅力を発信

店内の各商品には赤尾さんの一言コメントも添えられていて、作り手の歴史やこだわりの理由を知ることができます。読んでみると西日本最古のワイナリーや400年前から作られている郷土玩具など、歴史のあるものが多いことにあらためて気付かされます。

さらに赤尾さんは、お店で取り扱っている商品が作られている畑や工房などを訪ね、実際の製造を体験するイベントを企画しています。ワイン畑で栽培のお手伝いをし、ワインの試飲などができるツアーは毎回人気なのだそう。

昔ながらの手作りの品や小さな生産者が作る逸品など、大阪にある素敵な品をもっと知ってほしいと、さまざまな商品を探し出して紹介している「天満天神MAIDO屋」。地元大阪の人にも自慢できる、素敵なお土産ものをきっと見つけることができますよ。

※こちらは2020年4月13日に公開された記事となります。更新日は上部にあります。