カラフルで小さくて星形の砂糖菓子「金平糖」は、小さい頃からみなさんにとっても、なじみ深いお菓子ではないでしょうか。そんな金平糖ですが、京都には日本で唯一の「金平糖専門店」があるのです。「緑寿庵清水」は長い年月をかけて伝統を守り、独自の編み出し、普通の砂糖菓子の常識を覆す金平糖を作り出しました。小さな小さな一粒ですが、まるで今まで味わったことのない世界が広がりますよ。京都へお越しの際は、ぜひご賞味あれ!
お土産
2017.08.22
究極の金平糖がここにある
「緑寿庵清水」は唯一無二の味
writer : 鈴木ナナ
コテ入れ十年、蜜掛け十年
創業は弘化4(1847)年、現在店舗を構えている百万遍という土地で「緑寿庵清水」の歴史は始まります。当時は一種類の金平糖を2ヵ月かけて作り上げ、職人として一人前になるには「コテ入れ十年、蜜掛け十年」と言われていたほど。レシピがなく、天候や気温にも左右され、釜の中でザーッザーツと流れ落ちる金平糖の音を聞き、しっかりと状態を見極めながら出来具合を調整していくという、一子相伝の技は五感が勝負の世界。実に繊細さが求められるお菓子だったのです。
金平糖に風味をプラスするという挑戦
金平糖は普通砂糖だけで作られるものですが、ここに風味を加えるという新しい試みに挑戦したのが「緑寿庵清水」の金平糖。砂糖に素材を加えると結晶しないというお菓子作りの常識を覆し、さまざまな風味を加え、季節によって桜やブルーベリー、ヨーグルト、さらに技術を要するチョコレートなど、なんと60種類以上もの味わいを楽しむことができるようになりました。
ただ、新製品が出来上がるまでには2年以上という月日が必要だそう。それはすべて、作ってみなければわからないからだとか。数個だけ試作してみるということが不可能な上に、味がすごく美味しくてもイガが全く出ないものなどは商品として出せないこともあり、完成しなければわからないという難しさがあります。試行錯誤、試作、試食を何度も繰り返しながら、ようやく出来上がるという珠玉の金平糖。限定品ともなれば予約が殺到するのもうなずけますね。
キュートな見た目とその味わいが絶妙
まず一粒口に運んでみてください。本当にこれまでの金平糖のイメージを大きく覆すような風味に、驚かされるはず。たとえば「桃」なら、まさに桃そのものを口にしているかのようなフレッシュな香りと濃厚な味わい。しかもイガのある見た目とは裏腹に、ほんのり丸みを感じる食感は独特ですよ!
「チョコレート」は究極の金平糖シリーズのひとつ。普通ならば高温の釜の中ではチョコレートは溶けてしまうものですが、それを熟練の職人技で仕上げた画期的な逸品。バレンタインには大人気の商品です。(本店のみ、1月のみの取り扱い)。
「日本酒」も究極の金平糖。熱を加えるとアルコールは飛んでしまうのですが、それを18日間かけて一粒一粒にギュッと日本酒の風味を封じ込めました(本店のみ、11月のみ取り扱い)。
包装紙や器にも遊び心が
通常は透明の袋詰めになっている金平糖ですが、キュートな金平糖にはキュートな衣装をあわせてあげたい。緑寿庵清水では、職人が丹精込めて育て上げた金平糖を出来る限り手作業で包装しており、
季節によって「ハロウィン」ならハロウィンのデザインがあしらわれたパッケージ、「端午の節句」は兜飾り、クリスマスや七夕などの包装も全部取っておきたくなる可愛さです。
お正月に販売される「十二支ボンボニエール」はその年の干支が刻まれた陶器の器。ほかにもバラの花が蓋にデザインされた洋風の缶、携帯ケースも素敵です。
スマートポイント
- 究極の金平糖は最も技術を要し、少量しかできないため、キャンセル待ちが出るほど予約が殺到。早めに予約するのがベターです。
- 季節の金平糖は季節に応じた味わいを毎月お届け。さくらんぼやライチ、焼栗やトマトなどその味に感激するかも。
- 「柚子角平糖」も見逃さないで。核に柚子の皮を角切りにしたものを使っているのです! 少し噛むと柚子の皮そのものの食感と風味が広がりますよ。
ライターのおすすめ
とにかく究極の金平糖は頑張って予約してでも手に入れたい逸品!お土産にも喜ばれますが、自分へのご褒美にしたい。
鈴木ナナ
人間観察、食べ歩き、酒場めぐり、映画、旅が好き。魑魅魍魎の住む京都で、毎日よそもんの観光気分。
INFORMATION
スポット名 | 緑寿庵清水 |
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住所 | 京都市左京区吉田泉殿町38-2 |
ジャンル | ショッピング |
電話番号 | 075-771-0755 |
料金 | 究極の日本酒の金平糖3800円(税抜)など |
営業時間 | 午前10時~午後5時 |
定休日 | 水曜日・第4火曜日(祝日は営業) |
備考 | HP : http://www.konpeito.co.jp/shouhin.html |