「哲学の道」から一筋入った鹿ヶ谷通りに、ツタのからまる、とんがり屋根の白い洋館があります。お城のようなお洒落な洋館は、ヴォーリス建築事務所設計で、もともとはオーナーの伯父さまの住居として建てられたもの。当時から人が集まることが多かったという2階のリビングが、現在はカフェになっています。「ホームパーティで友達や家族をもてなすような雰囲気を大切にしたい」というオーナーのおもてなしの心が、随所に感じられる「ゴスペル」。おしゃれなお家に遊びに訪れた感覚でくつろげる、非日常の極上空間です。
入り口はこちら。
歴史を感じさせる木の階段にむかえられて、2階に上がります。
グルメ
2016.03.18
ヴォーリス建築の洋館カフェ
クラシカルな魅力「ゴスペル」
writer : 砂野加代子
特別感のある優雅で静かな時間
2階に上がると、そこは明るくオープンなカフェ。1920年代のアンティークで統一された店内は、うっとりするような優雅な空間です。
ドイツSIEMATIC製のキッチンでは、取材時にちょうど、レモンケーキと、チェリーチョコのケーキが焼きあがったところ。店中が美味しいにおいに包まれていました。
そして、特筆すべきは、オーディオファンにはたまらないJBLパラゴンのスピーカーの存在です。スピーカーの上に並べられたJAZZレコードのコレクションは、約4000枚。幻の銘機といわれるパラゴンから流れる、ゆったりとしたJAZZの調べは心地よく、オーディオファンならずとも魅せられます。
オープンなのに個室感がある居心地の良さ
広い店内には、テーブルがゆったりと配置され、オープンな空間なのに、それぞれ個室にいるような感覚さえ覚えます。というのも、各テーブルの椅子の高さが違い、視線が合わないように考えられているのです。
とんがり屋根の下は、まさに特別な小部屋。
窓際のテーブル席も、外の景色を楽しみながらゆったりと過ごすことができます。店内にあるチェコのPETROFのピアノを使って、サロンコンサートが行われることもあるそうです。
奥のソファ席。居心地が良すぎて時間を忘れてしまいそう。
英国風ティータイムを楽しむ
「ゴスペル」のメニューは、オーナーが家族や友達に食べさせたいと思う、素材にこだわった手作りのものばかり。ボリュームのあるスコンは、伯母様直伝のイギリス流。外はかりかり、中はふんわり。(紅茶・コーヒー・ハーブティーセット1300円)
本日のランチは1350円。えびグラタンは、こっくりとしたやさしいホワイトソースが人気です。2時間以上炒めて甘みを出した玉ねぎと、15種類のスパイスを煮込んだ特製カレーや、手作りハンバーグもファンの多い一品です。
敷地内の庭で育てたハーブをブレンドした、飲みやすい自家製ハーブティもおすすめ。(さわやかな「シトラスブレンド」900円)
パイントグラスで飲む冷たいレーベンブロイビールや、ギネスビール、ワインなど、ゴスペルならではアルコールメニューも楽しめます。
ゴスペルで感じる京都の四季
ゴスペルの冬は、暖炉に火が入り、なんともいえない温もりに包まれます。「京都の冬は雪も降ります。ぱちぱち薪の燃える音を聞きながら、暖炉で温まってください」とオーナー。
春になると、外壁をつたうツタの葉も青々と元気を取り戻します。気候の良い春や秋には、窓が開け放たれ、風を感じながらのティータイムも楽しめます。ハーブガーデンも夏は元気。四季折々のゴスペルの魅力を楽しみに訪れてみてください。
スマートポイント
- 銀閣寺、哲学の道からすぐの、閑静な住宅街の中にある洋館カフェ。散策途中のコーヒータイムにぜひ立ち寄りたい。あたたかい紅茶、ハーブティは、たっぷり飲めるポットサービス。夜は暗めの照明で更に大人の雰囲気。
- チョコレートケーキやレモンケーキなど、焼き菓子はテイクアウトできるものもあり。自分用のおやつや、お土産にどうぞ。
- 1階には、アンティーク雑貨と古書を扱う店「迷子」もあり。コーヒーも飲める。蓄音機があったりと、ちょっとおもしろい空間。合わせてのぞいてみたい。
ライターのおすすめ
「京都で学生時代を過ごした両親の、思い出の場所だと聞いて来ました」と訪れる修学旅行生もいるとか。ゴスペルとは、“GOOD SPELL(良い知らせ)”。開店35年の老舗の“変わらない魅力“は、素敵です!
砂野加代子
エディター&ライター。学生時代から生活の中心はほぼ京都。近頃つくづく「大人の京都は楽しいなぁ〜」と思う。
INFORMATION
スポット名 | ゴスペル |
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住所 | 京都市左京区浄土寺上南田町36 |
ジャンル | カフェ |
電話番号 | 075-751-9380 |
料金 | 1,300円 |
営業時間 | 12時00分~23時00分(LO22:30) ※夜は貸切の場合あり。要問い合わせ |
定休日 | 火曜休 |
駐車場 | なし |