京都・西陣にあり、昭和9年創業。京都で最も古い居酒屋のひとつとして知られ、古今東西の酔人の心を虜にしてきたお店です。歴史ある街に歴史ある居酒屋となると、なかなかよそもんには敷居が高そうに思えます。でも大丈夫。お酒が好きなら大歓迎、美味しいものが好きなら大満足。まるでずっと前から通っているような温かさに包まれる、アットホームな居酒屋なのです。
昔ながらのチロリで燗酒をいただきながら、出てくる料理は四季折々、酒好きをうならせるものばかり。帰る頃には「必ずまた来よう」と心に誓い、お店を後にするに違いありません。
グルメ
2016.04.12
女性同士でもお気軽に
昭和9年創業・居酒屋「神馬」
writer : 鈴木ナナ
神馬の歩んだ歴史
この界隈はその昔、遊郭の五番町をはじめとして映画館や飲食店がひしめく西陣京極の歓楽街でした。
そこへ昭和9年、元々は酒問屋を営んでいたことから酒場として飲めるお店を始めたところ、飲みに訪れるお客さんの行列がズラリとできたとか。
それ以来「神馬」は80年以上もの間、街の移り変わりを眺めてきました。店内へ一歩足を踏み入れると、まるで時が止まったかのような空気に一瞬驚かされるかもしれません。そんな、当時の風景を思い起こさせる居酒屋で、しっとりしたお酒を楽しんでみてはいかがでしょうか。
神馬の酒
入ると手前にコの字型の大きなカウンター席、奥には長いテーブル席があり、カウンター内には懐かしい銅製の燗酒器「チロリ」が。熱燗はこれに神馬オリジナルという、6~7種類の酒を配合した甕酒を注ぎ温める創業以来のスタイル。
甕からひしゃくでお酒を注ぐ様子が、またいい雰囲気なのです。
ほかにもワインや梅酒などがあり、日本酒が苦手でも軽めのお酒がいただけるのはうれしいですね。最近では女性客も増え、奥のカウンターでは、大勢でワイワイガヤガヤとお酒を楽しむ若い男女の姿。カウンターでは老夫婦が静かにお酒と肴を楽しんでいたり、女性同士のお客さんも少なくありません。
神馬を存分に食らいつくそう
神馬で、京都の四季を通じていただける酒肴の数々は、まさに舌鼓を打つ
でしょう。妥協のない食材選びと、酒飲み心をくすぐる粋な味わいに、お客さんが全国から足を運んぶのもうなずけます。
壁のメニューには毛蟹、ふぐ、ハモなど旬のものはもちろん、ぶり大根や鴨ロース、天ぷらなどの一品、ドジョウ、ヒラメなど天然物の魚料理などが並びます。
カウンターの前に並べられたハモ寿司やサバ寿司は飛ぶように注文が入り、すぐ売り切れに。もしも目にしたら、席につくなりお酒と同時に注文するくらいでないとありつけないかもしれません。モチッとした寿司飯とほんのり甘酸っぱい〆鯖が、またお酒を進ませます。
気どった割烹料理は敷居が高いし、お値段も高め。でも京都に来たなら京都らしさを納得の値段で味わいたい…。そんな旅行者にうってつけです。もちろん近場の人でも、フラリと寄ってつまんで帰る、なんてスマートな使いかたもおススメです。
調度品が歴史を感じさせる
神馬の独特なレトロ感を醸し出しているのが、調度品の数々です。
入口の縄のれんや赤ちょうちんからもすでにその雰囲気は漂いますが、入るとさらにタイムスリップ。
壁に貼られている昔ながらのポスターや、トイレに行く途中にある朱塗りの太鼓橋、お会計の際に渡す伝票や目に飛び込んでくる4ケタの木製レジ。どれもこれも当時の面影を残す年代物なのです。「今でも使っていますよ」というレジに座るおじいちゃんの姿も、しっとりとその風景に溶け込んでいます。
スマートポイント
- カウンターのハモ寿司または鯖寿司はお持ち帰りも可能です。
- カードは使えません。
ライターのおすすめ
何といってもお店に流れる独特な空気感。気どりがなく庶民的でありながら、割烹レベルのお料理を出すのが素晴らしい。鯖寿司は外せません。
鈴木ナナ
人間観察、食べ歩き、酒場めぐり、映画、旅が好き。魑魅魍魎の住む京都で、毎日よそもんの観光気分。
INFORMATION
スポット名 | 神馬 |
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住所 | 京都府京都市上京区千本通中立売上ル西側玉屋町38 |
ジャンル | 居酒屋 |
電話番号 | 075-461-3635 |
料金 | [夜]¥6,000~¥7,999 |
営業時間 | 17:00~21:30 |
定休日 | 日曜日 |
駐車場 | なし |
備考 | 食べログ : http://tabelog.com/kyoto/A2601/A260203/26002592/ |