若者に人気のYUFURAや、歌舞伎ファンに馴染みの大阪新歌舞伎座がある上本町は、昔ながらの商店街と新しい商業施設が混在する賑やかなエリアだ。なんばや天王寺にも電車で2駅という便利さから、界隈のホテルを利用する旅行者は多い。飲食店も多く選ぶのに迷ってしまうが、穴場店としてチェックしておきたいのが、近鉄上本町駅から南へすぐ、表通りから数メートル入った場所にある「上本町富喜」。繁華街にあることを忘れるような静かな和食の店なのだ。
グルメ
2016.07.15
素材と味のアレンジが絶妙
「上本町富喜」の和食
writer : 松田きこ
肉厚のタチウオと極太のアスパラを組み合わせた一品
スタートは魚料理。春から初夏にかけて出回る極太のアスパラに、タチウオの身を巻き付けて焼いたアスパラのタチウオ巻き(2,000円)。ゆっくりとローストしたタチウオに醤油ベースのタレ、アスパラの淡白な味がよく合う。刺身用の新鮮なタチウオをあえて野菜と組み合わせて焼く、ぜいたくなメニューは意表をつくおいしさだ。
旬の食材をシンプルにかき揚げに
旬のものを組み合わせたかき揚げは、シンプルなだけに素材の味と組み合わせが大きなポイント。春の一時期に出回る桜エビと島ラッキョのかき揚げ(1,200円)は、まろやかな辛みの大人の味。別の季節にどんなかき揚げが登場するのか再来店したくなる。
和食の料理人が作るカレーパンとは
オープンから6年、この店の名物の一つがカレーパン(600円)。中に入っているキーマカレーは、たっぷりの野菜の旨みが溶け出したマイルドな辛さがポイント。お酒のあとのシメに食べたくなるのだ。
もともとはタンシチューとセットで出していた自家製パン(1袋300円)。あまりにも好評でテイクアウトができるようになった。ただし数に限りがあるので早いもの勝ち。
種類豊富な地酒たち
日本酒好きにはたまらない銘柄が並ぶ。料理に合わせて様々な地酒を味わってみたい。
店主の吉田さんは、和食の道に進んで20年以上。素材の良さで勝負したいと、積極的に生産者とつながりを作っている。鮎は富山の鮎釣り名人から、ジビエは丹波篠山産のものなど、信頼できるところから仕入れるのだ。なかでも猟期となる冬は猪、鹿、時には熊肉も登場する。白い脂身の部分に天然の栄養を蓄えた熊肉は、だししゃぶでさっぱりといただくのがベストだそう。
スマートポイント
- 大阪上本町駅から3分ほどの便利な場所ながら静かな一角にある店は、落ち着いて食事やお酒を楽しめる。
- 近隣にホテルがいくつもある便利なエリア。カウンター席もあるので、ちょっと優雅な一人ごはんにも利用できる。人気店なのでなるべく予約を。
- 造り、焼物、天ぷらといった正統派の割烹メニューに加えて、サラダやカレーパンなど、洋のテイストを取り入れた料理が楽しめる。
ライターのおすすめ
大阪のミナミで店を任され、独立して上本町に店を構えた吉田さん。その味のファンとなり、長いお付き合いのお客さんも多い。近くの劇場に出演する役者さんたち御用達の店でもある。
松田きこ
おいしいものを食べるのも作るのも大好き、お酒はもっと好き。取材の旅先で酒蔵や温泉を訪ねるのが趣味です。
INFORMATION
スポット名 | 上本町 富喜(うえほんまち ふき) |
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住所 | 大阪府大阪市天王寺区上本町6-8-25 亀井ビル1F |
ジャンル | グルメ |
電話番号 | 06-6775-1267 |
料金 | 7000円 |
営業時間 | [ランチ]11:30~13:30 ※土日祝のみ [ディナー]17:00~22:30 |
定休日 | 火曜 |
駐車場 | なし |