京都一のお茶所・宇治で江戸期1860年からお茶問屋をしている老舗「辻利兵衛本店」が、構想から5年、2015年8月に茶寮をオープンさせました。元はお茶工場だった空間を昔ながらの良さを残しつつ、モダンにリノベーション。茶寮には純粋に抹茶のおいしさが楽しめるお濃茶をはじめ、老舗ならではの贅沢なお茶の使い方をした氷出し茶や抹茶スイーツが数多くスタンバイしています。その空間、提供されるメニュー、スタッフのおもてなしまで、老舗の神髄が詰まったこちら、京都市内から少し距離はあるものの、わざわざ足を運ぶ価値のある一軒です!
グルメ
2016.07.26
辻利兵衛本店の茶寮で味わう
ほんまもんの抹茶スイーツ
writer : 江角悠子
表情豊かな日本庭園と和モダンな空間
お店があるのは、JR宇治駅から徒歩約5分のところ。住宅街の中にあって、わざわざここを目指していかなければたどり着けない場所にあります。門をくぐり抜けるとそこには何とも立派な庭園が広がり、緑豊かなアプローチを進むほどに期待感が高まります。
1階はテーブル席、2階には小上がりになった畳の席などありますが、特等席は何といってもお庭が望めるソファ席。まるで光と風の中で過ごしているような感覚で心地よさは抜群。
茶葉を贅沢に使ったスイーツはここだけの味わい
辻利兵衛本店ではお土産用の抹茶スイーツも数多く手掛けていますが、茶寮で提供しているのは持ち帰り不可、ここでしか食べられないスイーツばかり。「お濃茶パフェ 宇治誉れ」(1600円)は、サクサクと軽い口当たりのフィアンティーヌや抹茶クーベルチュールでコーティグした和栗、碾茶のジュレなど、一つひとつ食材に合わせて使う茶葉を変えるこだわりよう。抹茶の上品なほろ苦さを消すことのない、ほのかな甘味が絶妙です。
手間暇かけたメニューでお茶の旨みと苦みを堪能
お濃茶とは、たくさんのお抹茶を使って練ったもので、とろりとクリームのような舌触り。これほどの濃い抹茶を飲んでも、単なる苦さだけではない芳醇な抹茶の風味が感じられるのは、本当に上質な茶葉を使っているからこそ。
ワインクーラーの中で12時間、氷が解ける速度に合わせて抽出される「氷出汁 玉茶」(1200円)。濃厚な旨味と鼻に抜ける芳醇なお茶の風味…お茶好きならずともぜひ一生に一度は試してもらいたい味。
スイーツを味わった後は、京土産も忘れずに
茶寮のすぐ横には茶葉のほか、抹茶カステラや茶福餅、碾茶入り抹茶クランチなど抹茶スイーツが購入できる物販コーナーも併設されています。奥には茶工場だったころの名残、ほうじ茶を焙煎する機械もガラス越しに見ることができます。「先人たちが残したかったほんまもんの味を、今の人にもきちんと伝えていきたい」という6代目当主。ゆくゆくは抹茶を使ったランチメニューも登場予定だそうで、今後の展開も楽しみです!
スマートポイント
- パフェに限らず、茶葉のおいしさを生かせるように素材選びからこだわったというスイーツの数々。スタッフの方がメニューの詳しい説明もしてくれるので、聞けばより一層おいしさが感じられるはず。
- 玉露や煎茶などは、上質の茶葉を購入しても、淹れるときのお湯の温度など淹れ方でずいぶんと味が変わってくるもの。お店には茶葉ごとに詳しくお茶の淹れ方を紹介した冊子があるので、ぜひそちらも参考に。
- 100年もの歴史ある茶工場と蔵をリノベーションした空間には、さりげなく歴史的人物、勝海舟や黄檗宗隠元の書などが飾られていたり、昔ながらの機械が展示してあったりするので、そちらも要チェック!
ライターのおすすめ
老舗だからこそできる贅沢な茶葉の使い方をしたスイーツはどれも濃厚で、甘いだけではないお茶の本当の美味しさが詰まった味! お店の雰囲気、スタッフの方のおもてなし、どれをとっても大満足の一軒でした。
江角悠子
広島出身。主に京都関連のガイドブックで記事を執筆するフリーライター。大好きな京都を思い入れたっぷりに紹介します。
INFORMATION
スポット名 | 辻利兵衛本店 京都宇治本店 |
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住所 | 京都府宇治市宇治若森41 |
ジャンル | スイーツ |
電話番号 | 0774-29-9021 |
料金 | 1600円 |
営業時間 | 10:00~17:00(LO) |
定休日 | 火曜 |
駐車場 | あり |
備考 | HP : http://www.tsujirihei.co.jp/ |