大阪のソウルフードといえば、お好み焼き。その専門店として日本で初めてオープンしたのが、難波に本店を構える「大阪ぼてぢゅう」です。昭和28(1953)年の創業当時から変わらない生地の配合と焼き方で、ふわっと柔らかく、ボリューム満点のお好み焼きを提供しています。
本店と西店で体験できるのが「お好み焼き体験道場」。店で使うものと同じ材料、道具を使って、スタッフさんの指導を受けながらお好み焼きを自分で焼き上げます。「どんな風に体験できるの?」その模様をお伝えします。
この日指導いただいたのは、マネージャーの宮原さん。まずはお好み焼きの歴史を話してくれます。およそ700年前、千利休がお茶席で出した焼き菓子がお好み焼きの発祥とされているのだそう。そこから「もんじゃ焼き」や「一銭焼き」と呼ばれるものになり、庶民に浸透していきました。今では、お好み焼きの店は大阪に6400軒ほどあるそうです。
グルメ
2016.08.06
本場の味を作って食べよう
「お好み焼き体験道場」
writer : 並河智子
決め手は粉・ダシ・卵の分量にあり!要の生地作り
いよいよ、お好み焼き作りの開始です。まずは生地作りから。国産の中力粉と、何時間もかけて店で煮込むオリジナルの鶏ガラスープの分量をはかってボウルに入れ、しっかりと混ぜます。
思ったよりも力がいるこの作業。粉のブツブツがなくなるまで、しっかり丁寧に混ぜます。中力粉はねばりが強いので、手が痛くなりますが、ここが頑張りどころ!
生地ができたら小さなボウルに移し、キャベツを入れます。さらに紅ショウガと、コクを出す天かすを好みの量入れ、卵をのせます。実は粉やスープの分量は、この卵1個の分量に合わせて逆算して決めているのだそう。一番おいしい生地になる配合なのです。
具材を生地の間にはさむことで、食材の旨みを引き出す
続いて焼きに入ります。まずは具材をすべて混ぜますが、ふんわりとした食感に仕上げるためには、ここがポイント!底から5回ほど混ぜるだけで、混ぜすぎてはいけません。
生地の3分の2ほどを鉄板に広げ、その上に具材を置いていきます。エビと豚肉が2枚、イカと、たっぷり具材がのったミックスのお好み焼きです。
残りの生地を上からのせて、具材をサンドします。この生地の間に具を挟むのが大阪流。中に閉じ込めて蒸し焼きにすることで、肉や魚介の旨みをしっかり引き出すことができるのです。
返しの後が重要!「上から押す」は絶対NG
片面を3分ほど焼いて、いよいよ「返し」。一番どきどきする瞬間です。そんなに難しいことはないので、テコを両手で持ち、落ち着いて返しましょう。
この時、テコで上から押さえないのも大事なポイントです。生地がつぶれてしまうので、周りを整えるだけにします。一度返した後も、1分に1回くらいのペースで返しを繰り返すことで、豚肉の油が生地全体にまわり、よりおいしくなるのだそうです。生地にヘラの先を刺してみて、生地が付いてこなければ焼き上がり。最低でも15分ほどかけて、中までじっくり火を通します。
特製ソースとマヨネーズをたっぷりかけて、完成
ソースは、4種類の手作りソースが常備。フルーツをたっぷり使ったとろみのある「甘口」、ケチャップを多めに入れた一番人気の「オリジナル」、濃い目の味わいでサラっとした「辛口」、香辛料を数十種類入れた「ピリ辛」があります。
選んだソースを生地の上にたっぷりとかけます。ジュワ~っいう音とソースの焦げる香りが食欲を刺激します。
マヨネーズをかけ、上からかつお節ときざみのりを散らして完成です。お好み焼きといえば青のりのイメージがありますが、青さの味が勝ってしまうので、大阪ぼてぢゅうでは使わないのだそう。「自家製ソースの味を楽しんでください」と宮原さん。
アツアツをテコでそのまま頬張る
自分で焼き上げた、できたてのお好み焼きを「いただきます~!」。お皿を使わず、小さなテコでそのまま口に運ぶのが大阪流なのだとか。「あつあつ!」と言いながら、わいわい仲間と頬張るのも楽しみのひとつですね。
体験の最後には、免許皆伝認定書がもらえます。
おいしいお好み焼きはお腹に消えてしまいますが、思い出の品が持ち帰れるのもうれしいですね!友人や家族と一緒に、体験して楽しい、食べておいしい「お好み焼き体験道場」。大阪に来たなら、ぜひ体験してみてくださいね。
スマートポイント
- 難波に2店舗をかまえる「大阪ぼてぢゅう」は、お好み焼きの専門店として、大阪ではじめてオープンした店。ふんわりとした生地と、ボリュームたっぷりの厚みが特長。
- お好み焼き体験道場では、スタッフさんが丁寧に焼き方を指導してくれるので、誰でもおいしくお好み焼きが作れる。
- 体験メニューは、ミックス1玉と、ウーロン茶、わらび餅がつく。最後には免許皆伝書がもらえ、思い出の品として持ち帰ることができる。
ライターのおすすめ
大阪生まれの大阪育ちでしたが、お好み焼きがこんなに奥深く、手間のかかった料理だったとは!家で作る時にやってみよう!と鼻息を荒くするシーンがたくさんありました。お好み焼きはふわっとした食感で絶品でした。
並河智子
人を知ること、街を知ること、新たな出会いがおもしろいなぁとライター仕事を満喫中。
INFORMATION
スポット名 | 大阪ぼてぢゅう |
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住所 | 大阪府大阪市中央区難波4-3-21 |
ジャンル | 体験 |
電話番号 | 06-6632-3631 |
料金 | 2,630円(体験費、ミックス玉、ウーロン茶、わらび餅付) |
営業時間 | 11:00~23:30(23:00) |
定休日 | なし |
駐車場 | なし |
備考 | HP : http://www.osaka-botejyu.com/ |