豆皿懐石や豆すしで知られる料亭『祇をん豆寅』は、京都らしい風情の残る花見小路の奥、建仁寺のほど近くにあります。お店の向かいには祇園甲部歌舞練場。まさにこれ以上ない祇園を満喫できるロケーションです。京料理の伝統を大切にしながら、型にとらわれない独創的な和の味が楽しめる『祇をん豆寅』の名物は、なんといってもかわいい豆すし。おちょぼ口の舞妓さんでも食べやすいようにと、1口サイズに作られた小さな豆すしは、思わず歓声をあげてしまうほどの美しさです。せっかく祇園を訪れるのなら、京都の情緒を味わえるちょっとぜいたくな本格派ランチがおすすめ。もちろん、夜の祇園の雰囲気を楽しみながら季節のコースを味わうのも最高です。
グルメ
2016.08.15
花見小路の奥『祇をん豆寅』
かわいい豆すしが感動的!
writer : 砂野加代子
祇園で寅になる
『豆寅』の「豆」は豆皿からきています。手塩皿とよばれる小さなお皿に酒の肴やつまみを乗せて、それを食べながらお酒を楽しむのが、むかし京都の貴族のあいだで流行したそうです。その伝統を引き継ぎ、豆寅では様々な豆皿を使った豆皿料理が食べられます。『寅』はお酒を飲む人という意味の「虎になる」ということわざから。豆皿のお料理をつまみながらお酒を楽しめる店という意味もこめられているそうです。
いろいろな形や色の豆皿の数々。旬のもの、美味しいものを少しずつたくさん味わえる人気の豆皿料理は、器も楽しみのひとつです。
祇園の空気を堪能する
石畳の花見小路沿いにある落ち着いた佇まいの料亭の暖簾をくぐると、もうそれだけで華やいだ気分に。町家を改装した店内には、雰囲気のよい上質な和の空間が広がっています。1階には、お庭を眺めながら食事ができる個室もあり、ゆったりとくつろぐことができます。掘りごたつ席になっているのも魅力。季節の花や寅の絵が飾られていて落ち着きます。
2階には36人収容できる広い部屋もあります。壁には舞妓さんの絵が飾られ、祇園らしいしつらいに包まれています。3階にも2人部屋、4人部屋、12人部屋の個室があり、用途にあわせた部屋を選べるのもうれしいところです。
夜のみの利用となりますが、1階のカウンター席も人気です。目の前でお料理が作り出されるのを見るのも楽しみです。
見て美味しい、食べて美味しい「豆すし」
お昼の献立は、豆皿豆すし膳6000円(税別)と豆すし膳4200円(税別)の二つ。夜は、豆すし懐石や旬の食材を織り込んだおまかせコースなどが味わえます。大切にされているのは伝統と遊び心。お正月、立春、祇園祭、お月見など季節や祭事が様々な形で取り入れられているのも、訪れる人を楽しませてくれます。
こちらはお昼の豆すし膳。まず最初に出てくる先付は、季節が感じられる目にも鮮やかな一品です。
美しい椀、ファンの多い焼き物と続き、お待ちかねの豆すしです。蓋を開けてなんともいえないかわいい豆すしが目に入ると、思わず「うわぁ!」と声があがります。どれから食べようかと悩むのも楽しみ。壬生菜やなすのお漬け物などの京都らしい素材、春は筍・秋は松茸など季節を感じられるものも並びます。
デザートの黒糖わらびもち。ぷるぷるの食感が人気の、こだわりの逸品です。満足の祇園ランチになること、まちがいなしですね。
スマートポイント
- 旅行の予定が決まったらまず予約。当日でも空きがあればOKなので、あきらめずに電話してみて。
- 訪れる季節によって、季節感を取り入れたメニューが楽しめるのもうれしいところ。
- ちょっとぜいたくに個室でまったりと食事をするのもおすすめ。ラグジュアリー感アップ! ランチの時間帯は1人500円の個室代が必要です。
ライターのおすすめ
目にも口にも美味しいお料理の数々。豆すしのふたをあける瞬間は、何度目でもワクワクします。京都に遊びにきた友人を連れていくと、まちがいなく喜んでもらえるお店です。
砂野加代子
エディター&ライター。学生時代から生活の中心はほぼ京都。近頃つくづく「大人の京都は楽しいなぁ〜」と思う。
INFORMATION
スポット名 | 祇をん豆寅 |
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住所 | 京都府京都市東山区祇園町南側570-235 |
ジャンル | グルメ |
電話番号 | 075-532-3955 |
料金 | 昼:4,200円(豆すし膳)、6000円(豆すし豆皿膳)、 夜:8800円〜(豆すし懐石)※税別 |
営業時間 | 11時30分~14時00分(LO)、17時00分〜21時00分(LO) |
定休日 | 年中無休 |
駐車場 | なし |
備考 | HP : http://www.kiwa-group.co.jp/restaurant/196/ |