1717(享保2)年からの歴史をもつ、日本茶の専門店「一保堂茶舗(いっぽどうちゃほ)」。その店名には、「茶、一つを保つ」という、お茶一筋の姿勢が込められています。すべてオリジナルの配合でブレンドした抹茶、煎茶、玉露、番茶があわせて約40銘柄。木津川と宇治川に挟まれた山間の土地で栽培された茶葉を使って、まろやかで上品な甘みの「京銘茶」を作っています。
店は、蛤御門の変(1864年)の後に建てられたものに、手を入れつつ現在も活用。店内に入れば、昔は茶葉を保存するために使われていた茶壺がずらりと並び、老舗ならではの趣を感じる落ち着いた空間です。売場では試飲をしたり、店員さんに相談しながらじっくりお茶を選ぶことが可能。ほか1階に喫茶室「嘉木(かぼく)」、2階にはワークショップスペースを備えています。
グルメ
2016.12.30
京都で知るお茶の楽しみ方
「一保堂茶舗」
writer : 並河智子
正しいお茶の淹れ方を知れば、家でもお店の味が楽しめる
喫茶室『嘉木』のコンセプトは「淹れるところからご自分で」。お茶は淹れ方によって味がまったく変わってきます。商品を売るだけでは、本当の「一保堂のお茶」をお客さまに届けたことにはならない。ならば、淹れ方も知ってもらおう、とオープンしたのが『嘉木』なのです。
メニューは約12種類のお茶で、すべて日替わりのお菓子が付いてきます。例えば、3種類ある煎茶の中から「芳泉(ほうせん)」(756円)を注文すると、10gの茶葉、急須と湯呑み、お菓子が運ばれてきます。
お湯は適温まで冷ますため、別の湯呑みに一度移してから急須へ、そして抽出の時間は1分間。スタッフさんがついて説明してくれるので、誰でも美味しいお茶を淹れることができます。
甘さと渋みのバランスが良いのが「芳泉」の特徴。一度入れた後は新たなお湯をさして、3煎ほど楽しめます。この日のお菓子は、京都の老舗和菓子屋『大黒屋鎌餅本舗』の「鎌餅」でした。何が出てくるかは、お楽しみ。
本格茶葉からティーバッグまで。お土産にしたい京銘茶
茶葉は、1回分の10gの袋から、小缶、大缶など種類によって様々な容量で購入できます。一保堂らしいのは、こちらの定番のデザイン缶。写真は煎茶の「正池の尾」の100g入りの小缶(1,620円・箱代含)です。華やかなデザインは、お土産にも喜ばれそう。
もっと手軽に楽しみたい方のために、ティーバッグもあります。ちょっとしたお土産に人気なのが、ほうじ茶、玉露、煎茶が各4つずつ入ったティーバッグセット(702円)。淹れるのは手軽でも、味は本格的で香り豊か。旅先やオフィスでも利用しやすいのが嬉しいです。
日本茶の魅力を知るワークショップ
もっと深く日本茶の世界を知りたい!という方は、2階のワークショップスペースで開催されている教室やイベントに参加するのがおすすめです。淹れ方の基本を教えてもらえる定期教室のほか、「茶香服(ちゃかぶき)」と呼ばれるきき茶ゲームをしたり、器とのコラボ企画があったりと、様々な内容で開催されています。お茶の楽しみ方、暮らしへの取り入れ方がぐっと広がりそう。日程や詳細はHPで確認してから出かけてみてくださいね。
カップがかわいい、テイクアウト商品も
1階で注文できる、テイクアウトメニュー(411円~)もあります。マイボトルなら、20円引いてもらえる嬉しいサービスも。なんといっても、カップのイラストがかわいい! 動物たちが、お茶を淹れているデザインです。日本茶を飲みながら、京都の街をゆっくり歩いて散策するのもオツなものです。
スマートポイント
- 喫茶室『嘉木』は「自分で淹れる」がコンセプト。スタッフさんが横について、淹れ方を説明してくれる。10:00~13:00限定の抹茶と番茶のセット(972円)は、2種類のお茶とお菓子が楽しめてお得。
- お茶の淹れ方や点て方の基本を教えてくれる定期教室のほか、器とのコラボなど、様々な趣向でイベントを開催している。開催の日程や詳細は、HPでチェックを。
- 茶葉のほか、オリジナルの急須、茶筒、グラスなども販売している。専門店ならではの「いかにお茶を美味しく保ち、淹れるか」を追求した道具の数々。少しずつでも家に揃えたくなる。
ライターのおすすめ
売り場も、喫茶室も、しっとりと落ち着いた雰囲気がとても魅力的でした。普段、「水分補給」に何気なくがぶがぶ飲んでいるお茶とは、まったく違った味わいのお茶も。贅沢な時間が過ごせます。
並河智子
人を知ること、街を知ること、新たな出会いがおもしろいなぁとライター仕事を満喫中。
INFORMATION
スポット名 | 一保堂茶舗 |
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住所 | 京都府京都市中京区寺町通二条上ル |
ジャンル | グルメ |
電話番号 | 075-211-3421 |
料金 | 喫茶メニュー648円~、茶葉378円~、テイクアウトメニュー411円~ |
営業時間 | 10:00~17:00、喫茶室「嘉木」10:00~17:00(LO16:30) |
定休日 | なし |
駐車場 | あり |
備考 | HP:http://www.ippodo-tea.co.jp |