奈良観光のスタートでもあり、メインにもなる奈良公園。広大な敷地内には東大寺、興福寺、春日大社があり、ホントに広い!鹿を見て、大仏様を見て、五重塔を見てと詰め込みプランニングをするあまり、ちょっと後回しになりがちなのが、お昼ご飯。そこでオススメなのが菊水楼です。奈良公園の入り口でアクセス抜群な上に、雰囲気もバッチリ!奈良観光の際のお食事に菊水楼、お見逃しなく!
グルメ
2017.01.30
登録有形文化財の老舗旅亭!
古都奈良を満喫できる菊水楼
writer : けいたろう
菊水楼のたたずまい
菊水楼は奈良公園の入り口、春日大社の一の鳥居の前、興福寺の宿坊であった興善院跡にあり、奈良観光に無理なく組み込むことが可能。
しかし、お店の最大の魅力は、その立地だけではありません。
まずスゴいのが、そのたたずまい。美しく風情ある門をくぐり、目の前に現れるのが奈良最古の歴史を誇る老舗料亭、菊水楼本館です。
多くの賓客を迎えてきた菊水楼は、運慶が仏師としてごく初期に手掛けた国宝の大日如来像を所蔵し、廃仏毀釈の折り荒廃しつつあった圓成寺から、文化財保護の目的を含め譲り受けた部材を随所に使用。
実際の歴史より深い趣きを感じると同時に、純然たる旅亭の内部にお寺の建築様式や意匠が入り込んでいて、ちょっとカオス。
菊水の彫刻や、透かし彫りなどが随所に施され、一部天井にも仏堂などに使用される折上格天井という特殊な建築様式を採用。現在では再現が困難な建築技術も多く、国の登録有形文化財に指定されています。
料亭としての菊水楼
菊水楼は奈良に迎賓館を造るべく明治24年に料亭旅館として開業。現在は、旅館業を行っておらず料亭、レストランとして営業しています。本館2階では、かつて宿泊用に使用された部屋を個室として利用。本格会席料理を昼は10,000円、夜は15,000円から堪能できます。なお、料理内容は季節により変更。
提供される料理は、四季の旬の食材の持ち味を生かした絶品ですが、それに輪を掛け魅力的なのが、お部屋。
迎賓館として使用されていた部屋はそれぞれ名前が付けられ、特徴的な造りの天井、柱、欄間などに凝った意匠が施され、屏風や小さな置物に至るまで歴史を感じる逸品が設えられています。また壁には、東大寺の僧侶の書による掛け軸なども掛けられています。
代表的なお部屋をいくつか紹介します。
こちらは、丸い窓に丸い照明、角を丸めた折上格天井が特徴的な『丸窓』。
次の部屋は黄金色の壁、柱の彫金が見事な『大判』。
庭の紅葉が美しい『楓』。
菊水楼の和洋食レストラン
歴史ある菊水楼は利用したいけど、個室での会席料理は、ちょっと予算が…。という方はレストランのご利用はいかがでしょう?
菊水楼では、老舗旅亭という固定概念にとらわれることなく和と洋のレストランをそれぞれ展開。手軽に料亭の味の堪能が味わえます。
洋食レストランのパスタセットは、サラダとスープのセットがついて1500円と老舗旅亭とは思えない価格!
他にも名物となっているのがピラフ。
サラダ、スープセットで3200円。ちょっとリッチなランチになりますが、熟成肉を贅沢に使用し、濃厚な旨味がギュッと凝縮された逸品で、この味を求め他県から訪れるファンもいるほど。
また、冬季のディナータイム限定のビーフシチューは、かすかに酸味が香る濃厚スープと、カボチャの上品な甘さなど、たっぷり入った野菜の相性がバッチリ!
なお、和食レストランは2017年1月現在、一部リニューアルのため休業。3月にメニュー一新し、営業再開予定。
2016年新たにオープンの、うな菊
125年の長い歴史を積み重ねた菊水楼は新たなに本格江戸前うなぎ専門店の『うな菊』を2016年6月15日に開店。
お店は料亭敷地内の本館の手前、圓成寺から移築された門をくぐり庭を抜けた先、かつて皇族が宿泊するために建築された離れを改装した店舗。
こちらでもリーズナブルな価格での料理の提供。お重の大菊で4,000円、丼の小菊なら2,200円でいただけます。
うな菊のメニューの中でも特徴的なのが、あいのせ重。
ハーフ&ハーフのうな重で、蒲焼きの鰻としら焼きの鰻の味が一度に楽しめます。白焼きを味わったことがないという方は、ぜひ味の違いをお楽しみください。
うな菊で提供される鰻は、生きた状態の活鰻のみを使用。もちろん信頼の国産うなぎというこだわりはあるものの、特定の産地に固執することなく、静岡・愛知・三重などその時期に合わせ、最良のうなぎを仕入れ、必要な分だけ捌くことで、最高の品質のうなぎを提供しています。
菊水楼とパーティープラン
これまで料亭、和食洋食のレストラン、鰻専門店としての菊水楼を紹介しましたが、さらに圧巻なのが大広間。
本館3階の90帖のスペースを贅沢に使用した大広間には、現在、奈良で唯一の舞妓の御披露目が行われる舞台があります。
迎賓館として建てられ、世界各国のVIPや国賓を長年もてなしてきた菊水楼の大広間ですが、決して手の届かない存在ではなく、親族の集まり、各種宴会や会合、企業の忘年会などに利用可能で、さらには舞妓遊びをすることも可能です。
他にも菊水楼は全館で宴会・パーティーの利用に加え、ウェディングのプランも用意。一生の記念の場所にすることも可能です。
スマートポイント
- 菊水楼の名は門を移築した圓成寺が、南朝の武将・楠正行に所縁のある寺で、楠木家の家紋である菊水に由来しているとされています。
- 菊水楼の洋食レストランでは夜も価格は昼と同じ。ランチでもお得なくらいですが、ディナーとして利用すると、さらにリーズナブルに美味しい料理が食べられます。
- 折上格天井、透かし彫りなど建築的価値も高い菊水楼は建築マニアにもオススメのスポット。レストラン利用の際、本館から入って建築当時と変わらない趣きを楽しめます。
ライターのおすすめ
「すべてはお客様のために」が信条の菊水楼は、老舗とは思えないほど柔軟。夏には本館3階Fから流しそうめんを行うイベントなども企画。ランチを初め親族の法要や結婚式など、あらゆるシーンでご利用頂けます。
けいたろう
大阪在住のフードアナリスト。足を使って関西中の美味しい食べ物情報を探し出し配信します。お楽しみに!
INFORMATION
スポット名 | 菊水楼(きくすいろう) |
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住所 | 奈良県奈良市高畑町1130 |
電話番号 | 0742-23-2001 |
営業時間 | 和レストラン:11:00~14:30(15:30 close) 現在休業中※2017年1~2月 洋レストラン:ランチ:11:00~14:30(15:30 close) :ディナー:17:00~20:00 (21:30 close) うな菊:11:00~19:00(20:30 close) 料亭:昼:11:00~13:00(15:30 close) 夜:17:00~19:00 (21:30 close) |
定休日 | 火曜 |
駐車場 | あり(17台) |
備考 | HP:http://www.kikusuiro.com/ |