飛鳥時代創建の四天王寺は、さまざまな仏様が集まる信仰の地。連日法要に加え、供養や祈祷が行われていますが、特に弘法大師と聖徳太子の月命日である21日と22日には境内で市が開かれ、とてもにぎやか。多くは骨董品を並べる店ですが、手作りの雑貨や日用品、乾物に植木、焼きたての干物、駅の忘れ物の傘など様々。“お大師さん”、“お太子さん”と呼ばれ、今も人々に親しまれながら信仰を集める縁日で、掘り出し物を探してみませんか。
観光
2016.02.25
老若男女が四天王寺に集う
「おだいしさん」の楽しみ方
writer : 田口真由美
境内ではさまざまな法要が行われています
訪れた日は21日だったので弘法大師の縁日”おだいしさん”の日です。浄土真宗の祖、弘法大師への信仰は厚く、境内の奉納所には無数の大師像が納められています。
この日は大師堂の前で月命日の法要が行われます。四天王寺の僧侶が境内を歩くと、自然と人々が集まり手を合わせます。
弘法大師像が持つ杖と紐で繋がった錫杖(しゃくじょう)があり、これを鳴らすと煩悩が払われるとか。シャンシャンという音が境内に響きます。
ヨーロッパやアメリカ、日本など骨董品も様々
縁日では約300の露店が軒を連ねています。そのなかでも一番多いのが骨董品を並べるお店です。染付けの器や昭和を感じるおもちゃ、年代モノのカメラや古着などなど、貴重な骨董品からガラクタ…?まで、あらゆるものが並んでいます。
土産物店で売っているのを見た事がある郷土玩具や人形がずらりと並んだ
店も。子どもの頃に持っていた懐かしい品に思わず手が伸びます。
おしゃれなアンティークの家具や食器などは、インテリアのアクセントにもなりそう。古いものならではの味がいい感じです。
鮮やかな着物は外国人観光客に大人気
露店の中でも目を引くのが、鮮やかで色とりどりの着物や帯。バーゲンのように商品でいっぱいの店頭から探すのは楽しいものです。絞りや絣、銘仙など上質な生地のものは古いですが上質なものも。そのまま着るのはもちろん、リメイクして洋服や小物にする人も多いそうです。
名物の甘酒でちょっと休憩
縁日では屋台グルメも魅力のひとつ。大阪の屋台では欠かせないたこ焼き、お好み焼きのほか、淹れたてのコーヒーが楽しめる店もあります。なかでも長年愛されているのが、南東の入り口付近にある甘酒のお店。生姜をたっぷり入れると体が温まります。寒い時期にはぜひどうぞ。
甘酒の湯飲みはお店のオリジナル。お大師様が描かれています。1杯100円という安さも人気の理由です。
お店の人と話しながら、楽しく買い物を
骨董店やリサイクルショップがお店では並べられない品を安く販売していたり、自分で作った手作り品を並べているので、お得な商品がいっぱいの四天王寺の縁日。長年ここで店を出している人も多く、またお客さんも長年通い続けてる人ばかり。おじいちゃん、おばあちゃんたちのコミュニケーションの場ともなっています。
こんな張り紙をしてあるお店も。初めてでもがんばって”値切り”にチャレンジしてみてください。「これなんぼ?」「二つ買うからまけて♪」と交渉次第で安くなるかもしれませんよ。こんな雰囲気も大阪の縁日ならではです。
21、22日以外にもお彼岸やお盆に縁日が開かれる四天王寺。お太子様とお大師様に見守られながら、人やモノとの出会いを楽しんでみませんか。
スマートポイント
- 境内には座って食事ができる休憩所があり、売店や食堂も。カレーやうどんなどがリーズナブルに楽しめます。
- 四天王寺へは地下鉄谷町線「四天王寺前夕陽ヶ丘駅」が最寄の駅。そこから四天王寺までの道沿いに商店があり、縁日にはここにも出店が並んでいます。境内だけではなくお寺周辺もこの日はにぎやかです。
- 縁日の時は伽藍が無料開放され、参詣することができます。毎月22日には、開祖聖徳太子の一生を描いた壁画の拝観が無料開放され、僧侶による法話と解説「絵解き」も行われているのでぜひ参詣を。
ライターのおすすめ
六時礼讃堂の石舞台には亀の池があり、たくさんの亀が住んでいます。亀まんじゅうなど、亀をモチーフにした商品が四天王寺名物として販売されいているのでお土産におすすめです。
田口真由美
愛知県出身。美味しい食べ物、歴史ある土地や建物、熟成したものが大好きなフリーライター。
INFORMATION
スポット名 | 四天王寺 |
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住所 | 大阪府大阪市天王寺区四天王寺1-11-18 |
ジャンル | 観光 |
電話番号 | 06-6771-0066 |
料金 | 御堂・境内は入場無料 (有料施設あり) |
営業時間 | 御堂の外からのお参り
24時間
お堂・中心伽藍・庭園 4月~9月 8:30~16:30 10月~3月 8:30~16:00 六時堂 8:30~18:00 |
定休日 | なし |
駐車場 | あり |
備考 | HP : http://www.shitennoji.or.jp/ |