港町神戸を代表する公園、メリケンパーク。JR元町駅から鯉川筋を海側(南)へ約10分歩いたところにある公園だ。かつてのアメリカ領事館前にあったメリケン波止場と神戸ポートタワーが建つ中突堤との間を埋め立てて造られた。
パーク内には、震災メモリアルパークや神戸海洋博物館、観光遊覧船の発着場所などがある。
2017年1月1日に開港150年を迎える神戸港。メリケンパークでは、「神戸開港150年記念事業」としてリニューアル工事が始まっており、記念イベントも予定され、徐々に盛り上がりを見せている。
神戸を代表する公園「メリケンパーク」の見どころを紹介しよう。
観光
2016.11.09
神戸らしい景色が楽しめる公園
メリケンパークの見どころ紹介
writer : 塚本隆司
海を眺める憩いの公園
神戸でのんびりとした時間を楽しみたい、ゆっくり景色を眺めていたいなら、メリケンパークがおすすめ。朝夕の散歩やジョギングにもピッタリのスポットなのだ。
岸壁に腰かけ海を眺めるのもいいが、一風変わった楽しみ方もできるモニュメント「メリケンシアター」の碑がある。神戸は、1896(明治29)年に日本で最初に映画(活動写真)が上映された地。これを記念したのが「メリケンシアター」だ。大きな石に映画のスクリーンのようにくりぬいた穴。その向こうに神戸の海が見える。客席のように並ぶ石には、国内外で活躍した往年の映画俳優たちの名前が刻まれている。
スクリーン越しに、神戸での記念写真を撮るのもいいかもしれない。
世界とつながる神戸
神戸港は、古くから海外貿易の拠点であり、海外との交流が盛んだった。その証がパーク内にいくつかある。
海に向かって歩き出そうとしている家族の像は、1908(明治41)年に神戸港から出航した最初のブラジル移民船「笠戸丸」を記念した「希望の船出」碑だ。海外移住への基地でもあった神戸の歴史を伝えている。
ビー玉で遊ぶ2人の子どもの「マーブリング・キッズ像」は、オランダ・ロッテルダムから神戸港とロッテルダム港の姉妹港提携20周年を記念して贈られたもの。2人が遊ぶビー玉は、オランダから神戸港に初めて伝えられた。
他にも、コロンブスのアメリカ大陸到達500年を記念して建造された復元帆船「サンタ・マリア号」の望楼とアンカーが展示されている。同帆船は、2013年まで展示されていたが、損傷が激しく解体された。
モニュメントがいっぱいの公園
公園西側には、1989年に開かれた「第1回神戸ファッションフェスティバル」を記念する鐘楼「オルタンシアの鐘」がある。神戸市の市花「あじさい」をイメージして作られた。
東には、世界的に有名な建築家フランク・ゲーリー作の「フィッシュ・ダンス」が建つ。高さ22mの巨大な鯉のオブジェだ。神戸開港120年を記念して設置された。
歴史好きの人ならば、神戸港といえば幕末に設立された「神戸海軍操練所」を思い浮かべる人もいるだろう。坂本龍馬が海援隊の基礎を作った場所にふさわしく、海援隊をモチーフにした「神戸海援隊像」が海に向かって建っている。
他にも震災の時の状況を保存した「神戸港震災メモリアルパーク」など、神戸の歴史が詰まった、見どころの尽きない公園なのだ。
デートに来るならやっぱり夜景
メリケンパークの一番の見どころといえば、景色。心地よい海風が吹き、地元の人にも愛されている場所なのだ。
昼間は、パーク内にジュースやハンバーガー、ホットドッグなどを売る店もあり、軽くランチをしたり、一息ついたりするのもいいだろう。夕暮れが近づく頃からが人気の時間だ。
神戸ポートタワーがある中突堤からは、ハーバーランドの夜景が美しい。行き交う船、モザイクガーデンの明かり、観覧車のイルミネーション、時間を忘れて見とれてしまう光景だ。
パーク内から見る神戸ポートタワーも神戸海洋博物館のライトアップとあわせ幻想的な光景が見られる。神戸の夜の思い出になるだろう。
スマートポイント
- メリケンパーク内は入場無料。いつでもだれでも入れる憩いの公園だ。神戸・元町の繁華街や商業施設が集まるハーバーランド、JR・阪神電車の元町駅にも徒歩15分くらいで行ける。
- おすすめの楽しみ方は、なんといっても夕暮れから夜へと変わるひととき。広場から海を眺めるのも良し、神戸ポートタワー側で観覧車や行き交う船を眺めるのも良し。
- 神戸開港150周年記念事業に向けた工事で、様変わりする模様だ。飲食店も増え、より楽しみやすい公園になりそうだ。
ライターのおすすめ
地元民も大好きな散歩スポット。犬の散歩をしている人やビール片手に夜景を眺めている人、2人だけの世界に浸る恋人たち、さまざまな楽しみ方があるようで、神戸の公園らしいステキなスポットです。
塚本隆司
ご覧頂きありがとうございます。
「行きたい」気持ちが「行こう」に変わった瞬間が今ならうれしいです。