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観光観光

2019.12.11

天平の時代に思いを馳せながら
超大スケールの平城宮跡を巡る

writer : 磯本歌見

平城京はかつて奈良にあった日本の都。「なんときれいな平城京」と暗記した平城遷都は710年。平城京の中心北側にあった都の中枢が「平城宮」。昭和30年からの発掘調査の成果をもとに、今なお整備は進み往年の姿を再現しつつあります。それではぐるりと一周めぐってみましょう。

平城宮の正門「朱雀門」へ

朱雀門平城宮跡の西の端、平城宮跡資料館からスタートし、時計と反対周りで一周することに。ボランティアガイドさんをお願いし、一緒に回りました。まずは、朱雀門を目指します。平城宮のメインゲートである朱雀門は、左右には高さ6mの築地塀がめぐり約1km四方の平城京を取り囲んでいたそうです。間口25m、高さ22m、スケールの大きさは半端ない巨大な門です。奈良時代前期の門ということで薬師寺東塔や東大寺転害門などを参考にしています。天然のヒノキを使って宮大工が作ったそうです。

特別名勝に指定されている「平城宮東院庭園」

東院庭園築山石組複雑な形状の池の周りに建つ建物朱雀門から東へ進み、日本庭園の原形である「東院庭園」へ。【大仏開眼】のドラマのロケ地にもなったこの庭園、敷地の中央に複雑な形状の池があり、その周りにいくつかの建物があります。当時の天皇が宴会や儀式を催し、外国使節をもてなす迎賓館としての役割も担っていたようです。現存最古の築山石組もあり、貴重な古代庭園として特別名勝もに指定されています。

「第二次大極殿跡」からの景色もオススメ

奈良時代の柱穴遺構1遺構2「東院庭園」から北に進み、「遺構展示館」へ。発掘した状態(遺構)をそのまま見ることができるのが最大の売りどころです。考古学ファンは泣いて喜ぶ必見のスポットです。発掘調査で見つかった奈良時代の柱穴の展示などもあり、なかなかほかでは見ることができない貴重な遺構です。
第二次大極殿跡そして第二次大極殿跡へ。天平17(745)年、聖武天皇が紫香楽宮から平城宮に戻って新たに造ったのが「第二次大極殿」です。奈良県出身の人気グループ「kinki-kids」の堂本剛くんが「ココ(第二次大極殿跡)からの景色が一番好き」といったことからファンの聖地としても有名です。

「第一次大極殿」は平城宮の中心施設

第一次大極殿そしていよいよ「第一次大極殿」へ。大極殿は、古代の都における中心施設で、元日朝賀や天皇の即位の儀式や外国使節との謁見が催された平城宮でもっとも重要な建物です。大極殿は、法隆寺金堂や薬師寺東塔の構造にならいました。発掘調査の結果や現存する建物、絵巻物などに描かれている当時の建物を参考にし、朱雀門は実に5年、大極殿は9年もの月日をかけて再現されました。
高御座四神と十二支が描かれた内壁ではなかに入ってみましょう。中央に天皇が着座する王座「高御座」が置かれています。これは各種文献史料などを参照して製作した実物大の模型です。また、内壁にも注目。上村松園の孫にして松篁の息子、奈良在住の日本画家・上村淳之(あつし)氏による四神と十二支が描かれています。

「平城宮跡資料館」でさらに詳しく学ぶ

平城宮跡資料館発掘のジオラマ模型ボランティアガイドの説明「第一次大極殿」を出て最初の「平城宮跡資料館」へ。これでぐるりと一周回ったことになります。資料館には発掘品はもちろんのこと、宮殿内部の様子から役所の仕事までわかりやすく展示しています。平城宮の歴史や発掘調査の過程についても紹介していますよ。
クリアファイルとスタンプラリーのシートスタートするときにもらったスタンプラリーのシート、コンプリートしたので受付に渡すとほら!こんなかっこいいクリアファイルをいただきました。平城宮を駆け足で1周約5km、3時間のコースでしたが、ボランティアガイドさんのわかりやすい説明のおかげで「平城宮の魅力」をたっぷり満喫することができました。

※こちらは、公開日が2017年1月8日の記事となります。更新日は、ページ上部にてご確認いただけます。

スマートポイント

  • 朱雀門、第一次大極殿など、各施設にはそれぞれボランティアガイドがいて、わかりやすく説明してくれる。3時間コースや6時間コースなど、一緒に回ってくれるガイドさんもいるので、持ち時間などに合わせて選ぼう。
  • 広い平城宮跡を回るのでお茶など水分は忘れずに。自動販売機は平城宮跡資料館と遺構展示館にしかないので注意。
  • 主だった施設のそばには無料駐車場があるので、施設ごとに車で行くことも可能。自転車で一周回ることもできる。

ライターのおすすめ

とにかくすごいスケールの平城宮跡。ボランティアガイドさんのおかげで知識や情報を入手できました。すご~~い施設なのになんと入場料は無料。施設内には時間内なら自由に出入できるし、公園内は終日入園可能です。

磯本歌見

関西最西端・忠臣蔵の故郷「赤穂」に住みながら、フットワークの軽さを活かして京阪神・奈良まで取材へ。仏像ガールでご朱印女子。

INFORMATION最新情報は、各施設の公式ウェブサイト等でご確認ください。

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