桂川に架かる渡月橋が美しく、遥かな古の時代より訪れる多くの旅行客を魅了してきた京都・嵐山。その嵐山が紅葉の終わった12月、年に1度のわずかな期間だけ露地行灯によって照らされます。和のイルミネーションとして約2500基の露地行灯が設置され、いつもとは違う景色が作り出される京都・嵐山花灯路。「思わず歩きたくなる路」がテーマの21世紀型のイベント、京都・嵐山花灯路で、美しく彩られる嵐山のスポットを紹介します。散策の参考にしてみてください。
観光
2017.01.28
嵐山の路地を灯りと花で演出!
行灯が照らす京都・嵐山花灯路
writer : けいたろう
渡月橋と桂川
京都嵐山のシンボルといえば、何といっても桂川に架かる渡月橋。嵐山を訪れる人を出迎えるランドマーク的な役割の渡月橋は、京都・嵐山花灯路でも同様に、訪れた人を感動させてくれます。
渡月橋は古色を帯び、嵐山を借景とした姿は平安絵巻その物か浮世絵かという雰囲気ですが、京都・嵐山花灯路のイベント期間中は様相が一変! 橋はオレンジ、背景となる嵐山は青く照らし出され、普段とはまったく違った、現代的な表情となります。
月が渡る橋という風流な名前の渡月橋は、実際に月と橋のツーショット撮影も可能。嵐山がライトアップするこの時期に狙ってみてはいかがでしょう?
また、渡月橋の下を流れる桂川の水面には、ライトアップされた背後の嵐山や街の灯りが美しく映り込みます。渡月橋を見た後も、桂川沿いを少し歩いてみましょう。
竹林の小径
嵯峨嵐山で渡月橋と並んで、象徴的なスポットなのが竹林の小径。遥か平安の頃より、京都の都会の喧騒から離れ、この地を清らかな土地として印象づける役割を担っています。
静謐な雰囲気に包まれ、夏でも涼しげな空気感が漂う竹林の小径。普段は夜になると、真っ暗になってしまいますが、この時期は美しくライトアップされ、多くの人で賑わいます。
また、竹林の小径の中心近くには、源氏物語にゆかりのある野宮神社。その脇に伸びる枝道を北に進んだ先には、2015年秋に新たに整備された竹林の散策路。またまだ新しく穴場的なこちらでもイベントに併せてライトアップされています。
露地行灯に照らされる嵐山の寺社と街並み
嵯峨嵐山は京都有数の観光地で、渡月橋とその周辺の街並み、竹林の小径が代表的な風景として有名ですが、エリア内にはさまざまな寺院・神社・歴史的遺構が点在。静けさの似合うスポットですが、イベント期間中は夜の特別拝観を行い、普段とは一味違った風情を生み出しています。
京都・嵐山花灯路では、イベントのテーマに「思わず歩きたくなる路」を掲げていて、各スポットを結ぶ、何気ない道々にも、露地行灯、いけばなが設置され、幻想的な雰囲気に包まれます。
また嵐山の市街地のお店や旅館の軒先にも、行灯のあかりがプラスされ、いっそう華やいだ雰囲気になっています。
小倉池と長神の森
イベントに訪れた多くの人が目指す、竹林の小径を抜けた先に小さな池があります。その小倉池はカワセミなどが生息し、昼間はバードウォッチングスポットとして有名な池ですが、京都・嵐山花灯路期間中は水面に光が映り込み、まったく違った表情を見せてくれます。
その先にある長神の森という公園では、さまざまな形状の露地行灯にあかりが灯されています。これらの行灯はコンペで募集された、行灯のデザインの歴代の最優秀賞受賞作品。
それぞれに独特な美しさのある個性的な行灯が集まり、幻想的な雰囲気を醸し出しています。
また、長神の森ではメッセージを書いた紅葉型のシールを大型行灯に貼りつける『コトノハ行灯』や、ハート型に並べられた灯りの前で記念撮影ができる『恋灯ろう』など、参加型のイベントを開催。京都・嵐山花灯路の思い出づくりにピッタリです。
法輪寺のD-K LIVEと夜景
嵐山の風景が様変わりする京都・嵐山花灯路の中で異彩を放つのが法輪寺。古来より子どもが十三歳になると、成人の儀式として法輪寺の虚空蔵菩薩から智恵を授けてもらう十三まいりが行われ、参拝者が京都中から訪れる名刹。枕草子の中で清少納言に京都を代表的する寺として紹介されています。
そんな由緒ある法輪寺では、京都・嵐山花灯路の期間中、毎日D-K LIVE in 嵐山・法輪寺というライブが行われます。デジタル掛け軸と呼ばれるD-K LIVEは、約100万枚のCG画像で構成されたプロジェクションマッピングがランダムに変化。同じ光景を2度見ることは不可能で、一期一会の出会いとなっています。
イベント期間中はゲストアーティストが日替わりで毎日登場し、デジタル掛け軸の登場人物のようなライブが行われます。
また法輪寺はメイン会場となる区域と渡月橋を隔てた南側。山の中腹にあり,舞台からは嵐山、京都市内の夜景も眺めらます。
スマートポイント
- 路地に置かれた行灯からもれる、やわらかい光の雰囲気を写真に撮影するなら、思い切ったローアングルで撮影がオススメ。
- 十三まいりでは、渡月橋を渡り終えるまでに振り返ると授かった知恵を返さないといけないという謂れがあり、渡月橋は法輪寺橋という別名あったほどの名刹。十三まいりは七五三以上に大切にされている行事です。
- 京都・嵐山花灯路で使用する電気の一部は、京都府内の太陽光発電施設で発電されているエネルギーで賄われ、とってもエコロジーなイベントです。
ライターのおすすめ
京都・嵐山花灯路では人気の観光地の嵐山が華やいだ雰囲気に包まれ、嵐山を訪れた方にもオススメのイベントですが、12月の京都の夜はたいへん寒いです。完全防寒装備をお忘れなく!
けいたろう
大阪在住のフードアナリスト。足を使って関西中の美味しい食べ物情報を探し出し配信します。お楽しみに!
INFORMATION
スポット名 | 京都・嵐山花灯路-2017 |
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住所 | 京都府京都市右京区嵯峨中ノ島町付近 |
電話番号 | 075-212-8173(京都・花灯路推進協議会事務局 平日10:00~18:00) |
料金 | 散策無料 拝観料などは別途 |
営業時間 | 17:30~21:30 ※雨天決行 開催時期 12初旬~中旬(予定) |
定休日 | なし |
駐車場 | 近隣に有料Pあり |
備考 | HP:http://www.hanatouro.jp/ |