「ならまち」の始まりは奈良時代、職人たちが元興寺の境内に住み着き、にぎわったのが始まりとされています。江戸時代から明治にかけては奈良を代表する商業地として栄え、街並みが整備されました。今は、町家を生かしたミュージアムやカフェ、ショップ、工房などが点在する、奈良を代表する観光地として人気です。
観光
2017.05.13
等身大の奈良を発見できる
情緒漂うならまちレトロ散歩
writer : 磯本歌見
趣きある町家を生かした施設にGO
「ならまち」の見どころの一つは、昔懐かしい伝統的な町家を活用した施設。江戸時代の町家を再現した「ならまち格子の家」や、江戸時代のからくりおもちゃで遊べる「奈良町からくりおもちゃ館」、江戸から明治にかけての生活民具や、古い商家の看板などを展示する資料館「奈良町資料館」、蔵や離れの座敷、茶室など町家のよさを味わうことができる「奈良町にぎわいの家」など、ならまちの歴史や人々の暮らしが学べる施設はぜひ回ってほしいところです。
町家の軒先に吊られた身代り申
ならまちの家の軒先には、赤いぬいぐるみがぶら下がっています。これは「庚申(こうしん)さん」のお使いの申をかたどった魔除けを意味するお守りで、家の中に災難が入ってこないようにとの願いがこもっています。代りに災いを受けてくれることから「身代り申」。また、背中に願い事を書いて吊るすので「願い申」ともいわれています。ならまちの中心にある「庚申堂」は「庚申さん」が祀られています。かつて元興寺境内であったならまちには、このような庶民信仰がしっかりと息づいているのです。
日本最古の寺院「元興寺」にもお参り
もともとは元興寺の境内だったならまち。ならまちに行くなら、元興寺にはお参りしたいですね。元興寺は、蘇我馬子が飛鳥の地に建てた我が国最古の寺院、法興寺(飛鳥寺)を平城京に移したもの。当時は南北500m、東西250mに及ぶ大伽藍でしたが、平安時代中ごろから衰え、浄土教が広まるにつれてその中心は現在の極楽坊に移っていきました。極楽坊は僧坊の一郭でしたが、ここに奈良時代に智光(ちこう)が画工に描かせた浄土曼荼羅(智光曼荼羅)が安置され、ご本尊として祀られるようになりました。見どころは、国宝の極楽堂、禅室、五重塔など。極楽堂の禅室の一部の瓦は、日本最初の瓦で飛鳥から運び移されたものです。境内は、春は桜、夏は桔梗や百日紅など四季の花が咲き、心和む時間が過ごせます。
カフェやショップ、工房などが点在
ならまちには、町家の雰囲気を生かした多くのカフェ、ショップ、雑貨屋さんや工房などが点在しています。散策してお気に入りのお店を見つけたら、食事やお茶を楽しんで。狭い路地にもどんどん入っていっちゃいましょう。かわいい猫ちゃんがお昼寝してるかも。そうそう、「ならまち」は「にゃらまち」ともいわれ、猫が似合う街並みとされているんですよ。街並みの雰囲気を楽しみながらブラブラするのも、かなり癒されますよ。
奈良ならではのお土産をゲット!
せっかく奈良に来たら、奈良ならではの土産をゲットしたいもの。ふきんやのれん、ショールなど奈良特産・蚊帳生地製品を製造販売する「吉田蚊帳」、160年の歴史を誇る砂糖一筋の老舗、御門米飴でも有名な「砂糖傳 増尾商店」、奈良を代表する酒蔵「清酒春鹿」など、ならまちには奈良の特産品を販売する店がたくさんあります。古都奈良にふさわしい老舗でお土産を吟味してくださいね。
スマートポイント
- ならまちの中心にある「奈良町情報館」までは近鉄奈良駅から徒歩13分、JR奈良駅からは徒歩25分かかる。土日・祝日を中心に運行する循環バス「ぐるっとバス」の利用もオススメ。
- ならまちには、公共の施設はもちろん、「おもてなしトイレ」として民間が開放しているトイレが何ヵ所かある。「おもてなしトイレ」の看板を目印にしよう。
- 行き先や道に迷ったら「おたずね処」と書かれたちょうちんが吊るされた場所でたずねよう。
ライターのおすすめ
落ち着いた風情がありどこか懐かしいならまち界隈。ここはゆっくり時間が流れているような気がします。街角でもお店でもあなたのお気に入りがきっと見つかるはずです。
磯本歌見
関西最西端・忠臣蔵の故郷「赤穂」に住みながら、フットワークの軽さを活かして京阪神・奈良まで取材へ。仏像ガールでご朱印女子。
INFORMATION
スポット名 | ならまち |
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住所 | 奈良県奈良市鳴川町37-4 |
ジャンル | 観光 |
電話番号 | 0742-27-1820(ならまち振興事業部) |
料金 | 施設により異なる |
営業時間 | 施設により異なる |
定休日 | 施設により異なる |
駐車場 | 施設により異なる |
備考 | HP:http://narazai.sakura.ne.jp/ |