日本書紀にも創建の経緯が記されている、聖徳太子が建立した寺。約11万平方メートルもの敷地の中心にあるのが、飛鳥時代の様式を残す中門・五重塔・金堂・講堂から成る四天王寺式伽藍。境内にはほかにも聖徳太子を祀る太子殿や弘法大師、空海を祀る大師堂などさまざまな仏様を祀るお堂がいくつも点在し、多くの人が参詣に訪れる。
人々に親しまれてきた、お太子様の寺
仏教を日本に広めた聖徳太子が建立したと伝えられることから、太子信仰の中心地として知られる四天王寺。
聖徳太子の月命日である22日には境内で市が開かれ、太子の一生を描いた絵伝を収蔵する絵堂や伽藍も無料開放される。1月22日には「聖徳太子四十九歳摂政像」の特別ご開帳が行われるなど、境内では聖徳太子を偲ぶさまざまな行事が行われている。
飛鳥文化の特徴を色濃く残す伽藍
四天王寺の伽藍は、四天王寺式伽藍配置と呼ばれ、南北一直線に中門・五重塔・金堂・講堂が配されたもの。大陸文化の影響が色濃く反映された伽藍は飛鳥時代特有だ。幾度の災害や戦火に見舞われたが、当時の様式を忠実に再現して復元されている。※現在、伽藍の建物は耐震工事中で一部拝観、見学ができない建物あり(~2018年)
多数所蔵する国宝や重要文化財も見どころ
聖徳太子を祀る太子殿のほか、六時礼讃堂・元三大師堂・本坊西通用門などの建造物が国指定の重要文化財となっている。創建当時から伝わる品々など500点あまりの国宝・重要文化財を所蔵する宝物館は見学も可能だ(開館日は要問合せ)。毎年4月22日に催される聖霊会舞楽大法要では、重要無形民俗文化財となっている天王寺舞楽が披露され、人々を雅な飛鳥絵巻の世界へと誘う。