京都市街地の北西に鎮座する今宮神社は、平安時代に疫病が流行した際に、疫病を鎮めるため、一条天皇が創祀。長い歴史の中で、一度は勢いを失うものの、徳川3代将軍家光の側室であり、5代将軍綱吉の母である桂昌院の手によって再建されました。紫野の落ち着いた雰囲気と相まって、都会の神社のような派手さはありませんが、疫病鎮めと玉の輿のエピソードの他にも、魅力的な要素が多く、人気の観光スポットとなっています。
玉の輿のエピソードの聖地
平安時代に創建されたものの、変動する社会情勢の中で、廃れてしまった今宮神社を盛り立てた桂昌院。彼女は、神社近くの八百屋の娘として生まれた女性でしたが、自身の努力により幸運を引き寄せ、家光の側室にまで出世。彼女の生涯は、まさに日本版のシンデレラストーリー。桂昌院の通称の玉にちなみ、玉の輿という言葉が誕生。今宮神社は通称、玉の輿神社とも呼ばれ、現在でも女性に人気の神社となっています。
今宮神社とやすらい祭
今宮神社は、厄疫鎮めの神社として創祀され、現在も色濃くその特徴を伝えているのが、毎年4月の第2日曜日に執り行われる、やすらい祭。桜の花が舞い散る頃、花の精にあおられ、人々に病気をもたらす疫神を、赤毛・黒毛の鬼が踊りながら町を練り歩き、花傘へと惹き寄せ、疫社へと鎮めます。長い毛を振り乱して踊る鬼の姿が特徴的なこの祭りは、太秦の牛祭、鞍馬の火祭とともに、京都の三奇祭に数えられています。
今宮神社の人気スポット
今宮神社には、重軽石(おもかるいし)とも呼ばれている、叩くと怒り、撫でて軽くなれば願いが叶うと伝えられている阿呆賢(あほかしさん)という不思議な石があります。この石は、病気のある人は、病気平癒を祈って、石を撫で、体の悪いところを摩れば回復が早くなるともいわれています。また今宮神社といえば、参道の創業千年を超える、あぶり餅屋さんが有名で、京都らしさを感じられる食べ物として人気を集めています。
※こちらは、公開日が2016年6月9日の記事となります。更新日は、ページ上部にてご確認いただけます。