1994年、世界遺産に登録された醍醐寺は、豊臣秀吉が「醍醐の花見」を繰り広げたことでも知られる桜の名所。貞観16年(874)に弘法大師の孫弟子理源大師・聖宝により創建され、国宝は6万9420点、国の重要文化財は6500点と見所満載。中でも三宝院は、桃山時代の華やかな雰囲気が感じられる寝殿造りで、秀吉が設計した庭園も望めます。桜の本数、壮麗な庭から天下人・秀吉の圧倒的権力が伝わってくるようです。
重文と国宝のオンパレード「三宝院」へ
醍醐山全山を寺域とし、約200万坪もの広大な敷地を持つ醍醐寺。まずは総門を入ってすぐ左の「三宝院」を訪れたい。ここは醍醐寺の本坊的な存在で、秀吉が自ら設計したという庭園があります。桃山時代の華やかな雰囲気を今に伝える貴重な庭園、見る角度や季節によって変わる、多彩な表情を楽しんでみてはいかが。庭全体が見渡せる表書院は国宝に指定されており、石田幽汀や長谷川等伯一派の作といわれる襖絵は必見。
約3週間、長~く楽しめる桜のシーズン
慶長3年(1598)の春、畿内から700本の桜を集め、三宝院の建物と庭園を造り、盛大な宴を開いたといわれる太閤秀吉の「醍醐の花見」。400年以上経った今でも、春になるとしだれ、ソメイヨシノ、山桜、八重ザクラと、境内にはさまざまな桜が咲き誇ります。順に咲いていくので、約3週間と長い期間桜が楽しめるのも魅力。毎年4月の第2日曜日には、時代装束を身に着けた人々が境内を練り歩く「豊太閤花見行列」が開催されます。
弁天堂まで歩いてみよう
桜の名所として知られる醍醐寺ですが、紅葉やイチョウに囲まれるように佇む朱塗りの弁天堂は、隠れた紅葉の名所でもあります。秋には池の澄んだ水面に真っ赤な葉が映り込み、息をのむほどの美しさ。弁天堂へ行くまでには、醍醐天皇の菩薩を弔うために建てられた京都最古の木造建築物の五重塔や、西国三十三観音霊場の第11番札所、観音堂があります。観音堂では、ご利益とお参りした意味を込めて、御朱印をいただくのもおすすめ。
※こちらは、公開日が2016年6月11日の記事となります。更新日は、ページ上部にてご確認いただけます。