なぜ、沖縄が好きなのか?なぜ、移住を決めたのか?
改めて真剣に考えると、きっかけは2011年の2月にさかのぼります。
その時、初めて沖縄を訪れた私は想像以上に強く吹く風に
「沖縄って常夏じゃないの?」と、早くも困惑。
ひとまず暖をとろうと道の駅に立ち寄りました。
鳴り止まない精米機をBGMに、
広々とした店内にはたくさんの野菜や果物が並び、
気になる加工品がずらり。
騒がしくも楽しいこの場所で、
私は運命の出会いを果たすことになるのです。
特集
2015.03.20
writer : 阿久津彩子
なぜ、沖縄が好きなのか?なぜ、移住を決めたのか?
改めて真剣に考えると、きっかけは2011年の2月にさかのぼります。
その時、初めて沖縄を訪れた私は想像以上に強く吹く風に
「沖縄って常夏じゃないの?」と、早くも困惑。
ひとまず暖をとろうと道の駅に立ち寄りました。
鳴り止まない精米機をBGMに、
広々とした店内にはたくさんの野菜や果物が並び、
気になる加工品がずらり。
騒がしくも楽しいこの場所で、
私は運命の出会いを果たすことになるのです。
道の駅のほぼ中央で人待ち顔をしていた彼。
すこしだけぽっちゃりめで、でもそんなところもかわいくて。
恥ずかしがり屋なのか、頬を赤く染めながら道行く人を見つめている…。
そう、トマトです。
私がこの世で一番好きな野菜であるトマト。
愛してやまないトマトを寒い時期から食せるなんて、
なんとすばらしいことだろう。
これで一年中トマトを好きなだけ食べることができるのだ
(※その後、驚愕の事実が判明)。
ああ、休日をくれた会社よ、無事に飛んでくれたJALよ。
そして、常夏と思っていたので
シャツしか羽織っていない私めがけて吹きすさぶ海風よ。
道の駅に連れてきてくれて、本当にありがとう!
…などと、運命の出会いに深く感謝した私は、
旅のスケジュールを大幅に変更。
本島中のファーマーズマーケットや直売所を巡って
南国の野菜や果物を味わう、ヘルシーな旅行を満喫しました。
トマトとの出会いからはじまり、どんどん縮んでいった沖縄との距離。
その後、タンカン、ビーツ、アテモヤ、パッションフルーツと、
数多くの恋を重ね(実際は夫一筋)、
縁あって沖縄暮らしを本格的にスタート。
現在は移住4年目を迎え、
季節を通して南国の野菜と果物の豊かさに驚く日々を送っています。
たとえば、トロピカルフルーツの代表格・パインは
こぶりなものでも十分な香り。
蜜を虫や動物に教えているのか、濃厚な匂いにくらっときます。
都内では超がつくほど高級な国産マンゴーも沖縄で祝・初購入。
私には食べる機会があるのだろうか…と、
半ばあきらめていた高嶺の花ですが、ついに手中に収めました。
ピンポン玉サイズのミニマンゴーは特に絶品。
売り場で発見するとすぐに捕獲してしまう大好物のごちそうです。
紫外線、潮風、湿度にも負けず、
生産者の方々の愛情を受けて育てられた野菜と果物は、
どれも力強いおいしさ。
色や苦み、酸味、甘みなどに
栄養がたっぷり詰まっているように感じます。
沖縄を旅するときは、その土地土地でとれた自然の恵みを
ぜひ味わってみてはいかがでしょうか。
食べ方が分からない場合は、
近くのおばぁに聞いてみるときっと親切に教えてくれますよ。
目にも舌にもおいしい沖縄の食材は、
各地にまだ眠っているにちがいない。
未知との遭遇に期待しながら料理の腕を磨き、
これからもじっくりこつこつ沖縄の暮らしを楽しんでいこうと思います。
※県産トマト年中食べられる説は誤りでした。
本州でトマトの収穫期といえば夏場ですが、
日差しが底抜けに強いこちらでは2月から6月までがシーズン。
移住1年目は、「これでトマト三昧の生活が送れる!」 と、
喜びの悲鳴をあげたものですが、
その夢はまったくのまぼろしに終わりました。
夏本番の8月にはトマトのト文字もなく、
強い日差しでもぐんぐん育つ
ゴーヤーやナーベラー(へちま)が市場を席巻するのです…。
阿久津彩子
得意ジャンルは食・人・体当たり。沖縄の旬を味わえるおいしいお店から本当は秘密にしたい穴場スポットまで幅広くご紹介します。