コザ(現在の沖縄市)といえば、国際色豊な街並みや外国人相手のバーやクラブがあり、映像関係者や写真家にとって、被写体としての魅力に溢れる街だ。そんな沖縄市八重島に、1950年代にできた琉米文化を象徴する一番古い「ニューコザ」という歓楽街があったことを知る人は、地元でも少ない。
復帰前後に、このような街がコザや金武、辺野古など、沖縄各地に形成されていった。そのひとつであり、当時のままの佇まいで、現代に再生したのが「コーヒーハウス響」である。オーナーの洲鎌盛雄(すがまもりお)さんが、復帰前のコザが残る場所で何かできないかと、2009年8月、念願の喫茶店をオープンした。
自らリノベーションも手がけ、当時のままをできる限り残した店内には、噂を聞きつけたオーディオマニアや写真愛好家、団塊世代の仲間達が訪れ、地元の人との交流が生まれる不思議な空間となっている。