お菓子になった伊江島小麦はお土産にぴったり
いえじま家族が現在展開している商品は、3種類のお菓子と小麦粉です。まずこちらは、伊江島産の全粒粉を35%配合し、トルティーヤのように薄く伸ばしてカラりと揚げた「伊江島小麦チップス ケックン」(島内価格350円)。シンプルな塩味と黒糖&シナモン味のふたつのバリエーションを楽しめます。そのまま食べてもおいしいですが、チーズに合わせたり、ジャムやドライフルーツ、牛乳を加えて食べたりするのもオススメですよ。11月にはスパイシー味が新たに加わりますのでお楽しみに。
続いてご紹介するのは、伊江島産小麦の全粒粉とごぼう、黒糖、卵で生地を作り、伊江島産のピーナッツをちりばめたビスコッティ(島内価格410円)。ツブツブした舌触りとザクザクした食感が心地良く、ほのかな苦味とピーナッツの風味が混ざり合った味わいがコーヒーにぴったり。
それから、こちらのちんすこう(島内価格410円)。沖縄旅行のお土産として多くの人が購入しているちんすこう。ラードで練り上げた生地が特徴ですが、いえじま家族のちんすこうはヴィーガン対応。伊江島産のピーナッツと菜種油を上手に使って、ラードに負けないクリーミーで旨味のある仕上がりになっています。
香り豊かな小麦粉でパンづくりはいかがですか?
もちろん、小麦粉もおすすめです。最新式の製粉機を使い、小さなロットで少しずつ粉にしているので伊江島小麦の持ち味である豊かな香りが生きています。休日の朝をちょぴり贅沢に過ごしたい時はパンケーキ。大切な誰かと自分自身へのプレゼントにオリジナルのクッキー。
そして、ぜひチャレンジしてみたいのが伊江島小麦でパンづくり。小麦の味をシンプルに味わいたいならプレーンなパンを、変化をつけたいならレーズンやドライフルーツやナッツをブレンドして。工夫次第でいろいろ楽しめそうですね。せっかくの沖縄産の小麦なので、できれば、沖縄風の天ぷらや沖縄名物のヒラヤーチー、ポーポーにもシャレンジしてみましょう。
川のない伊江島で主食として受け継がれてきた在来小麦
「意外に思うかもしれませんが、伊江島では昔から小麦が主食として食されてきたんです。川も湖もないこの島では水が十分に得られませんでした。田んぼがないのはそのせいで、だから米の代わりになるものが必要だったんです」
そう語るのはいえじま家族で生産現場の責任者を務める山城靖さん。
島内では試験栽培も含めると、いくつかの品種が栽培されていますが、メインは長年この島で育てられてきた在来品種「江島神力」と新品種の「にしのかおり」。両方とも温暖な地域に適した品種なのだとか。しばらく前までは栽培する人も少なくなってしまい、伊江島産の小麦を口にする機会はめっきり減っていたそうです。
島人の手で復活した古くて新しい特産品
そんな中、いえじま家族が小麦に取り組み始めたきっかけは、社長の玉城堅徳さんが、昔からよく食べていた“ぬじぬふ天ぷら”だったとか。小麦を水で溶いて揚げただけのシンプルな料理なのですが、島外の人に食べてもらったところ、豊かな香りと独特のもちもち感に大感激。それが4年ほど前のこと。その翌年に始まった小麦栽培は紆余曲折を経てようやく軌道に乗ってきたと、山城さんは満面の笑顔を浮かべておしえてくださいました。島の人の手で復活した古くて新しい特産品、伊江島小麦の魅力をぜひ味わってみてください。