沖縄本島北部の本部町と言えば、「沖縄美ら海水族館」が有名ですが、
その北西およそ9km、“タッチュー”と呼ばれるとんがり山
「城山」が目印の離島、伊江島をご存知でしょうか。
初夏に咲き誇るテッポウユリの群生や、
豊富なダイビングスポットも人気です。
しかし一番の魅力は、古き良き素朴な原風景が残るスローな島時間。
これは、宿泊してこそ味わえる本当の贅沢です。
2015年5月現在、島内には、ホテル、ペンション、
民宿、ゲストハウスなどが、20ほど軒を連ねており、
リゾートから安宿まで、お好みのスタイルが見つかるはずです。
沖縄おもしろ情報
2015.06.11
[伊江島]タッチューの麓に
佇む個性派“アート宿”
writer : 小川研
ガウディ? ジブリ? 魔女の家? その正体は!?
地元の聖地、タッチューの麓を巡ると、ちょうど北側
(登山口などのある南口の正反対)に、一風変わった建物が、
突然に姿を現します。個性的な外観は、2007年にオープンした
『casa VIENTO(カーサ・ビエント)』、
スペイン語で“風の家”を意味する、民宿です。
“ガウディの建築”、“ジブリ風”、“魔女の家”…
様々に形容されるオリジナルな風貌から、“アート宿”と呼ばれています。
曲線や穴などをモチーフとした全体の構造に、
色とりどりな琉球ガラスを取り入れたディテールは、
まさに“作品”と呼ぶにふさわしい…。
オーナーの金城夫妻は、ともに沖縄県立芸術大学を卒業。
若旦那の和樹さんは、大阪の広告代理店でデザイン職などを経た後、
2009年に故郷の伊江島に戻り、実父の初代オーナーを引き継ぎました。
外観とは対照的に素朴で落ち着く内観
“打ち寄せる波、星や島の豊かな自然”をイメージしているという、
アーティスティックな佇まい…。
元は、先代が陶芸用アトリエとして建造したものといいます。
そして、2代目として受け継いだ和樹さんが手を加え、
現在の姿に進化しました。とはいえ未だ建築途上。
最終的にどんな風に仕上がるか、非常に楽しみです。
客室は、2Fに個室(ツイン)3部屋に、
大部屋(2F・畳、1F・床)2部屋の構成です。
また、1F奥には、冷蔵庫もあり調理場も兼ねた、
ゆんたく(おしゃべり)部屋が控えます。
基本は素泊まり宿なので、こちらで自炊もOK。
特筆すべきは、なんと沖縄の宿には珍しい囲炉裏があります。
仄かな火に当たりつつ語り合う旅人同士の一期一会は、
まさに旅の醍醐味と言えるでしょう。
さらに、1Fの玄関入ってすぐ右側に広がる大きなスペースには、
伊江島の言葉で“花のつぼみ”を意味するカフェ
『kukumui(ククムイ)』も併設されています。
ちょっとした雑貨なども販売しており、
お土産も見つかるかもしれませんね。
伊江島の野菜をふんだんに使ったヘルシーな朝食
伊江港や島内の食事処まで送迎もOKという心遣いも嬉しい限り。
そしてもう一つ。オプション(+750円)の朝食も外せません。
島産の新鮮野菜を中心に、動物性タンパク質および脂を一切使わない
ヘルシーなプレートは、特に女性やファミリー層に人気です。
タッチューの頂を眺めつつ、緑あふれるテラスでいただくのが正解です。
(写真提供/casa VIENTO)
その名の通り、いつでも心地よい風が吹き抜ける、
モダンながらも素朴な伊江島ステイ…。
聖地タッチューの厳かな麓で、
リゾートの喧騒とは無縁の静寂を、心ゆくまでご堪能下さいね。
スマートポイント
- 駐車場無料、エアコンも無料で全室完備。またテレビは意図的に置いていないため、島本来の静寂を感じさせてくれます。バス&トイレは共同ですが、シャンプー、リンス、ボディーソープ、石けんは備え付け。 タオルやドライヤーも使えます。共同炊事場に冷蔵庫、洗濯機は有料で使用できます。送迎もあるので、レンタカーも必要ないでしょう。着替えと歯ブラシさえ持ってくれば、快適に過ごせること請け合いです。
- 時折、トークショーや上映会などのイベントや展覧会も開催しているので、事前に電話などで、チェックしてみましょう。きっと、+αのお楽しみを得られますよ。
小川研
世界を歩きまくって醸成されたオンリーワンのフィルターを媒介し、沖縄情報を立体的に熱(苦し)く伝える。
INFORMATION
スポット名 | casa VIENTO |
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住所 | 沖縄県国頭郡伊江村字東江上549 |
電話番号 | 0980-49-2202 |
料金 | 宿泊料金 1泊1名(2名以上の場合)3,500円~ |
営業時間 | チェックイン/チェックアウト 15:00/10:00 |
駐車場 | あり |
備考 | HP http://casaviento.info/index.html |