沖縄本島最北端の辺戸岬を通過して、車で進むこと約15分。
国頭村の山の中、
急に視界が開けて現れる沖縄本島最北端の集落「奥」である。
その一角にある海と山に囲まれた宿が「民宿海山木(みやぎ)」。
この民宿の特徴は長閑な自然だけでなく、建物・庭・料理・オーナーなど、
何やら不思議な魅力が満載だった。
果たして、その不思議な魅力とは一体何なのか!?
それでは、じっくりと解明していこう。
沖縄おもしろ情報
2019.10.23
国頭村の海と山に囲まれた宿
「民宿海山木」が奇想天外!?
writer : miya-nee(みやねえ)
ここはどこ!?樹木に覆われた民宿海山木
まず、駐車場に車を停めると小さな掘っ立て小屋が見える。
まさか!?と思い近づくとここが民宿。
敷地内に入ると立派な宿泊棟があり、少しホッとする。
敷地の奥に進むと、そこは深い樹木に囲まれた緑一面の世界。
手間をかけて手入れした結果なのか、
ただ放置しすぎたせいなのかは聞き忘れてしまった。
建物から庭の植樹まで全てオーナーが手掛けたという。
約10年間かけて少しずつ作り上げた
建物の内装やインテリアの完成度は高い。
何とも言えない居心地の良さと田舎の暖かい空気感が漂っている。
外壁に飾られた貝殻は、ただの放置なのかアイデアなのかと迷うところだ。
まるで秘境のような不思議な環境、恐るべし「民宿海山木」。
では、屋内を案内しよう!
玄関はまさにアートだった!不思議なシーサーと赤瓦を使った玄関口の床、
ガラスの浮き玉などを飾り、沖縄を感じさせる、まさに沖縄らしい民宿。
そう、ココは秘境ではない。沖縄の民宿なのだ。
この民宿の自慢のひとつに薪で炊く岩風呂がある。
温泉の少ない県・沖縄では貴重すぎる岩風呂。
念のため言っておくが、お湯は温泉ではなく沸かし湯だ。
この予約制の家族風呂は、窓越しに緑を臨み、
自然鑑賞できる展望風呂でもある。
宿泊棟の談話室に騒然と並ぶ本。
ざっと見てみると、歴史書から小説、
ガイドブックから漫画までとカテゴリは幅広く、
雨の日ならばここで長時間過ごせる。
伊達正宗に至っては歴史書から漫画まで10冊以上登場する本棚。
オーナーは伊達政宗になりたかったんだろうか?との疑問が頭を過った。
自然の宝庫!部屋とヤドカリとテラス…
一番大事な宿泊部屋の話。部屋タイプは和室と洋室の2タイプ。
余計なものを置かずスッキリと広々した和室。都会の喧騒から離れ、
のんびりと田舎の快適さを味わえる部屋。
洋室は2ベッドのフローリングで、こじんまりとしたテラス席を設置。
和室越しには、リゾート感が漂う広いテラスがある。
庭の緑を眺めてのんびり静かに過ごせる絶好の場所。
ひとつだけ言うと、夏場は蚊に注意してほしい。
絶好の餌食だったのか、私は20カ所ほど刺されてしまった。
そして気づくと、ビックリな訪問者がやってきた!
それはなんとヤドカリ。大きな陸ヤドカリである。
海の近い民宿ならではの光景をじっくりと目を凝らして見学。
夕食はみんなで会食!大皿の沖縄料理
夕食の時間になると、休憩所には大皿料理が並ぶ。
県産食材を豊富に使ったオーナー手作りの沖縄料理は、
日ごとに調達した食材でアレンジ。
野菜の食感など素材を生かした味つけや魚の種類に応じた調理法など、
オーナーの独特なセンスが光るアイデア料理である。
県内の人なら沖縄料理以外、少人数ならひとり一皿のプレートで、
と利用客に合わせたユニークなサービスを展開。
宿泊者への心配りと
オーナーのアイデアをひしひしと感じる「民宿海山木」。
和める空間造りを目指した何とも上等で面白い宿である。
最後に、おもしろオーナーをご紹介!
しっかり者の奥様が影で仕切り、表面上のオーナーがご主人のミヤギさん。
このオーナー、明るすぎる人柄でとにかく話が長い。
永遠と浴びせかけるダジャレやオチ付きの陽気な会話攻撃。
頼む、少し静かにしてくれ!だが、よくよく耳を傾けると、
クリエイティブな発想と豊富なウンチク話が盛りだくさん。
こ、これは…実は頭脳派の確信犯だったのか!?
そんなオーナーの話には、
吸い込まれるようなパワーとスピード感(早口!?)があった。
「魚を釣ってきたらね、1尾につきビール1本サービスするよ。
それ料理してあげるから、夕食時に一緒に食べよう!笑」
とオーナーより。
そんな特典を勝手に作ってしまったオーナー。
面白楽しい人柄とクリエイティブな発想は、民宿のあちこちに宿っていた。
国頭村の海と山の自然に囲まれた「民宿海山木」。
何もしない贅沢な時間が味わえます。
(嬉しいことに・・・もれなく面白オーナーもついてきます)
※こちらは、公開日が2015年7月27日の記事となります。更新日は、ページ上部にてご確認いただけます。
スマートポイント
- 沖縄本島最北端の辺戸岬やパワースポットの大石林山まで車で約15分。
- 奥集落の散策や海水浴が楽しめる。夏場は連泊がオススメ!
- 緑が多い分、蚊が多いのも特徴的。虫除けスプレーは必須!
ライターのおすすめ
テレビやネット環境がなく、時代に逆境した自然豊かな宿。ここ国頭村の奥集落はコンビニがない分、やんばるの海や山の自然が満載。沖縄本島最北端周辺の観光にも適した連泊でも楽しめる民宿。
miya-nee(みやねえ)
JTBの元ツアーコンダクター。現在はライターをはじめとして、Web講師、カメラマンなどと多岐にわたる仕事に取組む。