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2016.03.10

沖縄の民具と工芸に出合う
読谷村・住宅街の雑貨店りゅう

writer : 長嶺陽子

読谷村古堅の閑静な外人住宅街にある、沖縄の民具や工芸品を扱う雑貨店りゅう。
那覇から58号線を北上して、嘉手納基地のあたりを過ぎ、読谷村方面に向かって比謝川の赤い橋を越えてすぐの道を右手に入っていくと、「こんなところに外人住宅街が?」と思うような場所に、小さなお店の看板がたくさん並んでいます。
りゅうはそこからさらに奥まった所。ちょっと心配になるようなくねくねした細い坂道を上ってたどりつく場所に佇む、隠れ家のような雑貨店です。
沖縄の民具や工芸を愛する女性店主が営む「おうち」のようなお店。
ほっとできるひと時を過ごしに、沖縄の手づくり文化に出合いに、訪ねてみませんか?
雑貨店りゅう外観

住宅街の奥にある、「おうち」のような雑貨店

住宅街の中を細い道を上っていくと、コンクリートの2階建て駐車場が見えます。ここが雑貨店りゅうの入口。
雑貨店りゅうの入口
ご自宅を訪ねるような感覚でドアをくぐると、緑に囲まれた庭の中に
一軒家が。
庭の中にある一軒家
ガラス戸を開けて中に入ると、リビングのような空間に琉球ガラスや
沖縄の陶器のほか、植物の葉で作られた入れ物、懐かしい雰囲気のカゴ、バッグ、琉球石灰岩で作られたシーサーなど、たくさんの工芸品が並んでいます。
店内
懐かしい雰囲気のカゴ
沖縄の陶器
他ではあまり見かけたことがないような、珍しいものもいろいろ。あれ? でも、作家さんの名前や作品の解説などの札はありませんね。
「気になる作品があれば、お客様が手に取ると思うんです。その時初めて、作品のどこがいいのか、作家さんがどんなところで苦労して作っているのか、私の口からどんどんお伝えしたいんです」とりゅうの店主・古川順子さんは朗らかに話します。

沖縄の民具の魅力を若い世代にも伝えたい

古川さんがりゅうをオープンしたのは2014年4月のこと。
縁があって東京から沖縄へ移住して約10年。
読谷村の陶芸工房でスタッフとして働き、たくさんの沖縄の手仕事に触れるうちに「沖縄のいいモノを紹介できる場所を作りたい」という思いが高まって、雑貨店づくりを目指したそう。
中でも、今は作り手が高齢化して、貴重な存在になっているカゴやザルなど沖縄の民具の魅力を伝えたいと古川さんは考えています。
沖縄の民具
「沖縄の人にとっては、昔からおばあちゃんの家にあるような見慣れたものでも、県外から来た私の目で見るとすごく新鮮で素敵に見えるんです。技術や製法、素材の生かし方もすごい。実際に触れることで、若い方にも先人の知恵がギッシリつまった民具の魅力をお伝えできればと思っています」と古川さんはいいます。
素材

アットホームな空間でおもてなしやイベントも

りゅうは単なる雑貨店ではなく「人が集う場所」でもあります。店主の古川さんとお客様、お客様と工芸作家さん、そしてお客様同士が情報を交換し、モノや人との出会いを楽しめる場所です。
ギャラリーのスペースの奥は、キッチンになっていて、お茶をふるまっていただいたり、おしゃべりを楽しんだり……まさに古川さんのおうちに遊びにきたような雰囲気です。
キッチン
また、ダイニングのスペースでは、沖縄の工芸品や手作り雑貨のワークショップ、料理教室など、不定期ですがイベントも随時催されています。
た小物入れづくりのワークショップの様子

写真は2月に開催された牛乳パックを素材にした小物入れづくりのワークショップの様子。右から2人目が店主の古川さん

旅の途中で、沖縄の手仕事に出合いに、古川さんの明るい笑顔に出会いに、りゅうを訪ねてみてはいかがですか。かけがえのない想い出が生まれるかもしれませんよ。
赤い椅子の上にOPENと書かれたプレート

スマートポイント

  • 少しわかりにくい場所なので、カーナビなどの利用を。たどり着くとアットホームな空間が待っています
  • 店主の古川さんは沖縄の工芸などに詳しい方。いろいろな情報を教えてくれます
  • ワークショップ、料理教室などのイベントは予約制。ブログなどで確認を

ライターのおすすめ

店主の広いアンテナと深い人脈による工芸品のセレクトは一見の価値あり。ここでしか出合えないモノがきっとあります

長嶺陽子

東京の出版社を経て沖縄へ移住し10年。那覇市久茂地にて夫とともに泡盛居酒屋「カラカラとちぶぐゎ~」を営む。

INFORMATION最新情報は、各施設の公式ウェブサイト等でご確認ください。

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