手仕事の新しい芽が開く場所
沖縄のセレクトショップ

居心地のいい場所にひとめぼれ

道路から眺めても、ドアを開けてお店に入っても、沖縄の工芸や手仕事商品をメインにしたショップとは思えない、雰囲気づくりは新鮮で心地良い。


もともとは沖縄の工芸品を紹介するお店を東京に出店しようと考えていたという宮城さん。帰省中にたまたま見かけた空き物件にひとめぼれしたのだとか。

「角地だから二つの方向から自然光が入ってくるから明るいんですよね。午前中から夕方へと、時が流れるにつれて雰囲気が変わるし、それに通りを歩く人や車の往来がほど良い感じだし、沖縄らしい光の強さも気に入って…」

出会いとご縁が重なって、現在の場所にお店を構えることにしたのだそうだ。

これからが期待できる若手作家にスポットを

ある時から沖縄の器にひかれるようになった宮城さんは、発表の場が少ない若手作家が世界に飛び立つきっかけになればと東京時代にWEBショップを始めることに。

リアルショップを立ち上げる時も陶器やガラスなどの器を中心にした商品構成を考えていたそうだが、伝統×チャレンジでがんばっている若い作家をより多くの人に知ってもらうには間口を広げるのがいいと、器以外のアイテムも積極的に取り入れることにしたという。

こちらは、シュッとしたスタイルが目をひくオリジナルのブルーライングラス。伝統的な琉球ガラスの製法を守りながら、シンプルで洗練されたデザインが評価されている奥原硝子製作所とのコラボによるものだ。

そしてこちらはオリジナルキャンドルhorizon。沖縄の市場に漂う南国の香りをイメージして、ハイビスカス、プルメリアなどの甘い香りにカモミール、グリーン系の爽やかさをブレンド。大豆とパームをベースにした植物素材100％の優しいキャンドルは大切な人へのお土産にもぴったり。

工芸について知識がなくても楽しめそう

作り手のセレクトで気を使っているのは、「沖縄の工芸についての知識がなくても体感的に楽しんでもらえる」こと。


例えば、オープン当初から扱っている工房コキュ。読谷村の北窯で修行を積んで独立した芝原雪子さんが沖縄の赤土を使って焼き上げる器達。男性的でも女性的でもない中性的なテイストが感じられ、思わす手を伸ばしてみたくなる。

こちらはルクセンブルグで暮らしたことがあるdeccoの仲村盛隆さんの磁器。スタイリッシュなフォルム、クールな質感、ヨーロッパのアンティークの器を思わせる独特のテイストが印象的。

そして、吹きガラス工房彩砂（ルリ）の小野田郁子さんのランプシェード。宙吹きガラス特有の気泡が見る人に、さまざまな印象を抱かせるなんともいえない世界観。カフェやレストランのオーナーにもファンが多い。

沖縄の作り手にとっての発信の場

炎と釉薬の絶妙なバランスで生み出された独特の質感で、評判を集めている宮城正幸さんの水差しは、幽玄で力強く、存在感がとてつもない。このように個性溢れる若手の作家の作品を個展形式やテーマイベントで提案しているのがmiyagiya-bluespotだ。

器以外にも、おすすめはたくさん。そよ風が似合いそうなAco Miyagiさんのmillie haven。「器を作るように一点一点ていねいに仕立てられる服作りの姿勢が素敵なんです」と宮城博史さん。服作りの世界だとどんなに小さなブランドでも、製造は工場に委託することがほとんどなのがアパレル業界。そんな中、デザインから縫製まで責任を持って仕上げているmillie havenは工芸的なものづくりで人気を集めている。

「沖縄の作り手にとっての発信の場であり続けたいですね。これからもジャンルにとらわれることなく、しっかり丁寧にものづくりをしている人達を紹介していきます」と宮城さん。だからこそより一層輝いて見える沖縄のいいものに、miyagiya-bluespotで出合えるかもしれない。