本島中部の北中城「イオンモール沖縄ライカム」近くの中村ビル5階にアトリエを構える中村洋装は、同フロアでメンズとレディースの洋服を展示・販売しています。
オーナーであり、デザイナーでもある中村卓矢(なかむら たくや)さんは、顧客の顔が見えるサービスを大切にし、これまで取材などには、ほとんど応じてこなかったのですが、今回は特別に取材許可をいただきました。
ヨーロッパの風習のように世代を超えて、お父さんから息子へ、お母さんから娘へと、家族に託されていくテーラーメイドの一着がここにあります。
おみやげ
2017.07.18
writer : Naoko Uchima
本島中部の北中城「イオンモール沖縄ライカム」近くの中村ビル5階にアトリエを構える中村洋装は、同フロアでメンズとレディースの洋服を展示・販売しています。
オーナーであり、デザイナーでもある中村卓矢(なかむら たくや)さんは、顧客の顔が見えるサービスを大切にし、これまで取材などには、ほとんど応じてこなかったのですが、今回は特別に取材許可をいただきました。
ヨーロッパの風習のように世代を超えて、お父さんから息子へ、お母さんから娘へと、家族に託されていくテーラーメイドの一着がここにあります。
1997年にオープン以来、20年を越える中村洋装を訪れるのは、地元の人が大半を占め、親子二世代にわたる長い付き合いの家族も多いそう。幅広い年齢層に長く愛される中村洋装の魅力はどこにあるのでしょう?
中村洋装がスタートした’90年代後半は、沖縄の雑誌『hands』(現在は休刊)を中心に、ファッションや音楽、バンドブームでした。当時、沖縄のファッション業界を牽引していたのが、バルーンスカートの生みの親として知られるファッションブランド「PICTURES」の大城司さん、今はなきサイバーパンクのブランド「キュービック」、その次に頭角を現してきたのが中村洋装だったそうです。
独創性が魅力の2ブランドと違い、中村洋装はシンプルで飽きのこないデザインが受け入れられ、いつの間にか馴染むように県内のクリエイターやおしゃれな人たちの間で浸透していったのです。
スタッフの石嶺亜美(いしみね あみ)さんは、「シンプルだけど,さりげないデザインが効いていて(ここへ来るお客様は)そこに気がついてファンになってくれた方が多いようです」と語ってくれました。
中村洋装では、お客様との対話をとても大切にしています。その中から趣味や好みを汲み取り、要望に合わせて、購入した洋服の基本のシルエットを崩さないようカスタマイズやお直しをしてくれます。
簡単なお直しならコーヒーを飲んでいる間にすませてしまうこともあるし、長い付き合いのお客様とは、それが大切なコミュニケーションの時間に。洋服を通しての出合いが、その後、何十年にもわたって続く理由がここにも一つありそうです。
洋服にまつわる人生のエピソードも数知れません。
「父がいつも大事に着ていたから、亡くなった時に服と一緒にお見送りをしました」とか、「遺された服を家族が譲り受け、今でも着ているよ」
中村洋装にはそんな声も届きます。
中村さんは、中学生の頃に雑誌でみたTOKIO・KUMAGAIというデザイナーの洋服に衝撃を受けたそう。中村洋装の服は、クラシックでアバンギャルド。
シンプルだけど、凝ったデザインが、カジュアルにも、スマートにも、どちらでも着こなせる印象です。
お洒落をすることに100%気合いを入れるわけではなく、ちょっと抜く感じでファッションを楽しむお客様が多いようです。
沖縄のアパレルをまとめ、グループで県外や海外で活動するAPARTMENT OKINAWAについて、「ピカソたちの住んでいたLe Bateau Lavoir(バトー・ラヴォワール)のようなイメージ。一つのアパートに住み、アトリエを構え、お互いを触発しながら創作活動を行う拠点のようなものと捉えているとのこと。
「沖縄のファッション業界の人は狭いようでいて、意外と知らない者同士のことも多い。APARTMENT OKINAWAがきっかけとなって、触発し合ったり、新たなインスピレーションが生まれるようになったらおもしろいですね」
中村さんの夢は、「できれば県外、海外へもトランク一つに服を詰めて出かけていって、自分達の作った服を見てもらいたい!」とのこと。
一見シンプルだけど、沖縄の中村洋装にしかない服、中村さんとの出会いを含めて、ぜひ沖縄旅行でとっておきの一枚を見つけてみてはいかがでしょうか。
スマートポイント
ライターのおすすめ
スタッフの亜美さんが着ているジャケットや小技の効いたシャツがステキでした。男女問わず、年齢や流行に関係なく、おしゃれを楽しむ人たちにとって、特別な一枚がきっと見つかると思います。
Naoko Uchima
地域に根ざした情報をグローバルな視点で捉え、楽しく、ディープな沖縄のヒト、モノ、コトをご紹介。
スポット名 | 中村洋装 |
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住所 | 沖縄県北中城村字島袋1932-5F |
ジャンル | ファッション |
電話番号 | 098-930-2277 |
料金 | 10,000円(税別)〜 |
営業時間 | 13時〜20時(日曜日のみ〜18時) |
定休日 | 水曜日 |
駐車場 | あり(建物一F) |
備考 | HP : http://nakamurayoso.com facebookページ |