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グルメグルメ

2024.08.29

ここは沖縄の大阪!?
酒好きが集う隠れ家「おとん」

writer : 長嶺陽子

※2015年11月16日の記事の為、各料理の金額は当時のものとなります。

夜になればあちらこちらに居酒屋の赤ちょうちんがともり始める栄町市場。
細い道に店がひしめいていて、ただでさえ迷いそうな市場の路地のさらに奥の奥。
何度か通っていても、「あれ? どこにあったっけ?」と思うような場所に、ぽつりとちょうちんの灯をともしているのが「おとん」という店だ。
その名の通り、大阪出身の店主が迎えてくれる居酒屋で、安くておいしい酒とつまみをゆっくり味わえる。時に飛び交う関西弁のツッコミに「はて? ここはどこなんだっけ?」と不思議な気持ちになりながら、泡盛をちびちび飲むのもなんだか楽しい。
地元の酒好きはもちろん、全国からのリピーターも多い、週末限定の沖縄「隠れ家」だ。
居酒屋おとんの赤ちょうちん

縄のれんの向こうには……

何度か訪れている店なのに、今日もやっぱり迷ってしまった。
ようやく路地の向こうに灯りを見つけて、縄のれんの奥の引き戸をからりと明けると、「おう、久しぶりやね」という声。
「おとん」の店主・池田哲也さんはこの場所に店をかまえて7年。
それ以前にも那覇市の久米でお店をやっていたので、もう沖縄在住十数年になるけれど、軽妙な大阪イントネーションの語り口は変わらない。
「おとん」の店主・池田哲也さん
カウンターにさっそく腰かけ、所狭しと貼ってあるメニューを眺めながら「何から食べようかな~」と考える。
手ごろな価格のメニューは「ジーマーミー豆腐(250円)」「グルクンかまぼこ(500円)」など沖縄素材のものに加えて、「鯖の缶詰(300円)」
「スジコン(350円)」「エイヒレ(300円)」「ぎんなん(300円)」など、沖縄ではちょっと珍しい、しかし、酒好きにはたまらないものがずらりと並んでいる。季節によってメニューは変わることもあるそうだ。

コーヒー泡盛、ホッピー、焼酎などお酒も多種

お酒のほうも手ごろな価格で、沖縄定番「オリオン生ビール(500円)」「泡盛(グラス300円~)」はもちろん、「自家製コーヒー泡盛(350円)」「ホッピー(500円)」などの他、日本酒や焼酎などの銘柄も置いてあり、沖縄旅行で「泡盛以外のものも飲みたいな」という気分になった時にはちょうど良さそう。
「おとん」に置いてあるお酒

つまみは「おとん」ならぬ「おかん」風の手づくり味

あれこれ悩みながら、まずは「なつかしの味 ポテトサラダ(300円)」。
なつかしの味 ポテトサラダ
そして、これまた実に懐かしい、お弁当にいつも入っていたような「赤ウインナー炒め(350円)」。
赤ウインナー炒め
ええい、これも美味しそうだ!「軟骨ソーキポン酢(450円)」。
軟骨ソーキポン酢
「そんなに一人で食べられへんやろ~?」と池田さんはいうけれど、大丈夫、これくらいぺろりと行けます。ポテトサラダはほんのり粒マスタードの風味とほど良い甘み、玉ねぎやキュウリのシャキシャキ感が絶妙。赤ウインナ―のちょうどいい塩気はお酒をぐっとひきたてる。軟骨ソーキポン酢はさくっとした歯触りの中に豚肉のとろっとした旨みがつまっていて、それをポン酢でさっぱり味付けしているので、味のバランスはばっちり。
酒に合う料理達の優しい味わいは「おふくろの味ってこんな味?」と思わせる。そう、「おとん」ならぬ「おかん」の味だ。
ホッピーとつまみ
くいっとホッピーをあおりながら次々つまみに箸を伸ばすのは、まさに居酒屋の醍醐味、といったところ。

もうひとつのつまみは関西弁トーク

「いろんなお客さん来てくれるのはありがたいんやけどね、やっぱりうちは酒が飲める人にゆっくり楽しんでもらいたいと思てんねん」と池田さん。
なので、「おとん」は未成年や子ども連れのお客さんには遠慮してもらっているそう。
気さくな雰囲気ながら「大人のための居酒屋」であることに池田さんはこだわっている。
そして、おいしい料理とともに「おとん」の最高のつまみは、時おりぴりっと毒舌も入る池田さんの関西弁トーク。
この日、沖縄県外から来ていた二人連れのお客さんも、あっという間に池田さんとの会話で笑顔に。
ちなみに、二人はだんなさんが単身赴任のため、それぞれで沖縄旅行に来て、久しぶりに沖縄で落ち合った、というご夫婦。
「なんや、不倫カップルやなかったんかい」
「ちがいますよー」
身も蓋もない会話をはさみつつ、オリオンビールのジョッキがどんどん重ねられていく。
池田さんと二人連れのお客さん

今は週末だけの隠れ家

実は池田さん、数年前に大病を患ったこともあり、今のところお店を開くのは基本的に金曜土曜のみ。でも、以前からのお店のファンの後押しもあり、池田さんのリハビリも順調で、「おとん」は週末ごとに賑わっている。
縄のれんをひょいとくぐっては、
「ちょっと他の店に飲みに行ってくるけど、また後で寄るからさ~」
なんて声をかけていく地元の常連客もいる。
沖縄だけど沖縄っぽくない、でもやっぱり沖縄ならではの居酒屋の空気を味わえる、「おとん」。栄町市場の迷路で、迷いながら、ぜひたどり着いてほしい場所だ。
栄町市場の迷路

スマートポイント

  • 基本的に金曜、土曜のみの営業だが、祝日前日など開ける日もあるので確認を。
  • 自家製コーヒー泡盛は、ほど良いほろ苦さでおすすめ。
  • 日本酒、焼酎などのメニューも充実していて楽しめる。

ライターのおすすめ

9席ほどのカウンターの他に、路地を挟んだ向かいに20人ぐらいまで座れるよしず張りの席もあるので、グループで飲みに行くこともできます。

長嶺陽子

東京の出版社を経て沖縄へ移住し10年。那覇市久茂地にて夫とともに泡盛居酒屋「カラカラとちぶぐゎ~」を営む。

INFORMATION最新情報は、各施設の公式ウェブサイト等でご確認ください。

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