沖縄の野草と薬草が茂る、赤瓦の古民家
到着すると外周は石垣に囲まれ、のどかな沖縄の一軒家に見える。
そして緑の木々に囲まれた入口の階段は、
何やらただ者ではない重厚感が漂っている。
古民家の入口は、さらに想像をより深く突き動かすように
青々とした緑の木々が茂っている。
「なるほど。これが薬草料理のカフェか」
そんな想像を余儀なくさせる光景。
若干の躍動感を感じながら
これから足を踏み入れる古民家と出くわす食事に
さまざま想像だけが膨らんでいく。
この庭で自家栽培している野草や薬草は、
このカフェの食材に使われている。
デトックス効果のある「がらまんじゃく定食」
腸内デトックス効果がある「がらまんじゃく定食(3,500円)」は、玄米雑穀や野草・薬草と野菜を使った菜食料理で「食べるエステ」とのテーマを掲げている。
すべての料理は日ごとに朝から手作り。
3色の雑穀・玄米ご飯だけでも20種以上の食材を使用。
野草ジュースは全部で6種類用意している。
それぞれの料理が異なった味つけで、
それそれの料理が主役となる濃いめの引き立つ味。
老舗の玉那覇味噌醤油が製造している半年間木樽で寝かせた無添加の天然醸造「王朝味噌」や天然塩「粟国の塩」、太白胡麻油など厳選した調味料を使用した料理である。
品数が多く、各々の味つけが異なるため
「この食材は何だろう?この味付けはなんだろう?」
と頭の中で考えながら食べる。
じっくりと噛みしめながら食べる。
すると食べ終わった時
満腹感と満足感に満たされている。
ゆっくりじっくり味わいながら食べてほしい、
そんな「がらまんじゃく定食」だった。
薬草で着色した玄米ご飯や野菜達。
「調理方法にも遊びを取り入れている」
そう話す女将の山城清子さん。
現在までの約35年の間、料理の研究をしながら
2015年から料理教室も行っている。
古民家の庭には、ユリ科のクワンソウがひっそりと咲き、
料理や着色料として使われている。
数年後には幻になるかも!?「cafe’ がらまんじゃく」の定食
笑顔で滑舌よく話す山城さんの口をついて出てきた言葉。
「見て遊んで、食べて遊んで。まじめに遊びながら仕事してるのよ。笑」
ただし、今後は少しずつ整理しながら、数年後にはティータイムが楽しめる喫茶店に変更していきたいとのこと。
「ひとつの定食に約20品目の食材を使っていて、調味料を含めたら数十種類の品目に及ぶんですよね。手間暇かけて朝から手作りしているわりにはあまりもうからないのよ。笑」と話す女将の山城清子さん。
豪華な料理であり、高価でもあるがゆえに、時間と労力が必要となる沖縄の薬草料理。腸内デトックス効果と長寿定食と聞けば、興味を持つ人も少なくないだろう。
だが、もしかすると数年後にはこの金武町の地で食べることができなくなる幻の定食になるかもしれない。
「年齢的にもね、もうだいぶ疲れてきてるのよね。笑」
そう爽やかに話す山城さんの笑顔の裏には、
何を未来に描いているのだろうか。
現在はランチ以外に沖縄料理の教室やマクロビ教室など、地元に根づいた活動を始めている。
少しずつ姿を変えながら、カフェを営業する難しさと人生や仕事の楽しみ方を山城さんから教えられた気がする。
そして、メニュー表にはこう書かれていた。
「世界の名コックは母です」
なんだか心が温まる場所。
今後の「cafe’ がらまんじゃく」の動向を末永く見守っていきたい
ところだ。売り切れ次第で終了のため、ランチを目当てに行くのがオススメである。