創業は160余年、首里の玉那覇味噌は琉球王朝に愛された老舗の味噌蔵。そのおいしさをもっと広めようと2016年3月、ハーバービュー通り沿いに「味噌めしや まるたま」がオープンしました。
気軽に立ち寄れる食堂のような店内でいただけるのは、定番の味噌汁からサバ味噌、変わりダネの味噌フォンデュまで実にさまざま。体に良くてとってもおいしい、味噌の新境地に出合えます。
グルメ
2024.11.11
沖縄老舗味噌を味わう楽しみ
味噌めしや まるたま
writer : 阿久津彩子
天然無添加醸造・玉那覇味噌の魅力とは
まずは主役の玉那覇味噌。その魅力をオーナーの中西武久さんにうかがうと「素材と製法、優しい甘味」という三つのこだわりを紹介してもらいました。
「丸大豆・国産米・島マース・麦。玉那覇味噌は四つの素材のみを使用し、昔ながらの木樽で3カ月以上寝かせます。年間を通じて気温が高い沖縄では短期間で熟成が進むので、発酵食品に適した環境。塩辛さよりも甘みが際立ち、まろやかな風味を感じます」
沖縄の自然風土にゆだねた味噌造り。スーパーに並ぶ多くの味噌は常温や冷蔵庫にずっと置いていても熟成はしませんが、玉那覇味噌は酒精・アルコールなどの添加物を加えて発酵を止めることはせず、味の要となる麹菌がそのまま生きています。
写真で見ると熟成の度合いは一目瞭然。1週間、1カ月、半年と発酵が進むたびに濃い色合いになり、豊かな風味と深いコクを感じるようになります。時を重ねた味の変化もまた、生味噌の楽しみといえそうですね。
さらに、麹菌を体に直接取り込むことでコレステロール抑制や老化防止、美肌効果もあり、まさに良いこと尽くめの調味料。そんな健康的で美味しい味噌をもっと身近に感じてほしいと考えたのが「味噌めしや まるたま」誕生のきっかけでした。
味噌は万能調味料!世界が広がる味噌レシピ
「単なる味噌専門の食堂ではなく、味噌の魅力を発信するアンテナショップにしていきたい」と話す中西さん。玉那覇味噌はお母さんのご実家。幼少期から慣れ親しんだこの味を多くの人に伝えるとともに、味噌の可能性を広げていきたいと思っています。
そこで、まるたまでは玉那覇味噌の販売をはじめ、味噌を使ったさまざまなアレンジメニューを提案しています。味噌といえば味噌汁しか頭に思い浮かばなかった私ですが、和風洋風、バラエティに富んだ味噌めしにびっくり。
たとえば、ランチタイムで人気の「紅豚ロース生姜焼き定食」(970円)は特製の味噌ダレで調味された一品。今まで生姜焼きは醤油ベースと思い込んでいましたが、意外や意外。味噌を使ったほうがまろやかになり、豚肉の旨みとぴったり合うから不思議です。
玉那覇味噌のおいしさをストレートに味わうならば、沖縄風の「味噌汁定食」(700円)がおすすめ。大きな丼の中には豚肉や卵、きのこに根菜と具材がたっぷりと入り、すべての素材を味噌が優しくまとめています。
お昼は他にも「味噌屋のさばの味噌煮」、沖縄料理の「いなむどぅち定食」など6種類ほどを用意し、味噌汁とご飯はお代わり自由。味噌が主役なのですが、熊本県産の自然栽培玄米も隅に置けない存在です。
朝定食、夜はお酒と一緒に味噌メニューを
朝から夜まで営業しているので観光前に立ち寄るのも、ゆっくり夕食の時間を楽しむのもいい。7時30分~10時の朝定食では「ノルウェー産サーモン定食(特製味噌ソース)」(700円)といった定番の朝食から、テイクアウト可能なおにぎり(190円~)と味噌汁(160円)のセットも販売しています。
10時~14時のランチを挟んで、17時以降はディナータイム。一見どこが味噌メニュー?と思う「豚ニラピザ」(810円)にもトマトソースに味噌がしっかりと入っています。
「チーズも味噌も発酵食品なので相性がいい。島豆腐をラザニア風に見立てた料理や味噌フォンデュも試してほしい」と中西さん。家庭で作るカレーやハンバーグにもスプーンひと匙分の味噌を加えるだけで、料理全体を引きたてる隠し味になるそうです。
食べれば食べるほど、そして中西さんの話を聞けば聞くほど、どんどん引きこまれる味噌の世界。開店して3カ月ながら、ほぼ毎日通う常連さんやリピーターの旅行者がいるのも頷けます。朝昼晩、お好きな時間で絶品味噌めしをご賞味ください。
※こちらは、2016年6月2日公開の記事となります。更新日はページ上部にてご確認いただけます。
※記事中の写真、価格は取材当時のものとなります。
スマートポイント
- 国際通り、県庁前に近い場所。12時~13時のランチタイムは混雑する場合もありますが、朝食・夕食は比較的ゆっくりと食事を楽しめます。
- 人気のカフェや沖縄料理店でも重宝されている玉那覇味噌。常温保存OKなので沖縄土産におすすめです。500g600円~店頭販売をしています。
- 味噌本来のおいしさを知るには、野菜ディップが一番。こんなにも違うのか!と異なる味わいに驚くはず。
ライターのおすすめ
どれもおいしかったのですが、いち押しは味噌トマトソースのピザ。「レシピを盗みたい!」と思わず叫ぶ私に「いいですよ」と余裕の中西さん。味噌普及のため、家庭でも気軽に挑戦できるメニューを提供しているとは!なんともおミソれ致しました!
阿久津彩子
得意ジャンルは食・人・体当たり。沖縄の旬を味わえるおいしいお店から本当は秘密にしたい穴場スポットまで幅広くご紹介します。
INFORMATION
スポット名 | 味噌めしや まるたま |
---|---|
住所 | 沖縄県那覇市泉崎2-4-3-1F |
ジャンル | グルメ |
電話番号 | 098-831-7656 |
料金 | 1,000円~2,000円 |
営業時間 | 7時30分〜14時30分 17時〜21時30分 |
定休日 | 日曜日、第2・第4木曜日 |
駐車場 | なし(周囲にコインパーキングあり) |
備考 | HP : https://marutama-miso.com/ |