沖縄には、海が見える「海カフェ」や山の中の「山カフェ」など景色を楽しめるカフェがたくさんありますが、今回は、喧騒から切り離されて、ここにしかない風景とゆったりとした時間を楽しめる、身体にも心にも優しい「隠れ里風カフェ 七色の風」をご紹介します。
グルメ
2016.09.19
ここにしかない風景を独り占め
隠れ里風カフェ 七色の風
writer : 島袋景子
読谷村の住宅街のゲートをくぐると…
沖縄本島中部、読谷村の住宅街の中に現れたゲート。その先には緩やかな下り坂が。この先にどんな風景、どんなお店があるのだろうか? とドキドキ、ワクワクしながら降りて行くと、まるでミニ植物園の様な広々としたお庭とその片隅にひっそりと佇む小さなカフェ「隠れ里風カフェ 七色の風」が現れました。
小さな隠れ家の窓から眺める変わらない自然
10年前にオープンした隠れ里風カフェ「七色の風」は30席ほどの小さなお店。
魅力は何といっても、広大なお庭。池の周りをブーゲンビレア、椰子の木、シダ植物などの亜熱帯の植物が囲む広々としたお庭の風景は、海とは違う沖縄の自然の美しさを感じることができます。カフェの窓からはそのお庭をゆっくりと眺めることができ、喧騒からは完全に切り離された景色の中にいると、そこだけ時間が止まったような不思議な感覚になります。お庭はさまざまな昆虫や動物の棲家にもなっていて、時にはマングースがお店をのぞきにくることもあるのだとか。
道路の拡張などで便利になる一方、自然が失われていく中、ここの自然は守りたい。変わらないほうがいいこともあるでしょ。と、オーナーの吉永民子さんは優しく微笑みながら話してくれました。
旬のお野菜をたっぷりと
お食事のメニューはシンプルに「ハンバーグ定食」と「魚のあんかけ定食」と「おやさい定食」の3種類。お客さんの要望に応えて新たにメニューに加えたという「おやさい定食」は動物性食品、調味料を使わずに調理したおかずと黒米ごはんのセットでベジタリアン対応。
この日は、モーウィにエンサイ、オクラ、モロヘイヤ、バジルなどの旬の野菜を使った10種類以上の色鮮やかなお料理が並びました。ベジタリアン以外の人にも満足してもらえるようにと味付けも工夫されており、一つひとつ異なる味付けは飽きさせず、食べ応えも十分。食べなれた食材にこんな調理方法もあったんだ!とうれしい驚きがいっぱい散りばめられています。
「ハンバーグ定食」と「魚のあんかけ定食」にも6種類の小鉢がつくので栄養たっぷり。旬のお野菜をふんだんに取り入れ、気候やお客様の好みに合わせながら丁寧に料理されたお料理は、心にも身体にも優しいお食事でした。
優しい一杯で心も身体も満たされる
お食事の他にも、手作りのデザートや有機コーヒーなどのドリンクも充実しています。コーヒーを注文すると、お店の奥から豆を挽く音が聞こえてきて、とても幸せな気分になります。お庭を眺めながら楽しむ丁寧に淹れられたコーヒーの味は、忘れられない一杯になるはずです。
「飲食店経営の初心者からお店を始め、手探りしながらも、お客さんとの出会いを楽しんでいるうちに気がつけば10年がたったのよ」と、民子さん。お店を手伝う娘の布祈(ふき)さんも「自分達が好きなもの、おいしいと思うものを出しているだけです」と。二人が作り出す、肩の力の抜けた、ゆったりとした時間もまた、リピーターが多い理由のひとつなのでしょう。
幸せの風に包まれて
「七色の風」という店名には「来てくれたお客さんに幸せの風」が吹きますように。という民子さんの想いが込められているそうです。その名前の通り、食事を終えて、坂道を登り帰るころには、なんだか身体と心から余計なものを払い落して、大事なものを取り込んだような心地良い気分で家路につきました。
スマートポイント
- お庭には遊歩道もあり、食後にのんびりお散歩ができます。
- お料理が出される器は、読谷村内の工房でつくられた個性的なやちむん(陶芸)達。器を眺めるのも楽しいです。
- 西海岸に位置する読谷村からみる夕陽はとても美しいです。お店近くの世界遺産座喜味城跡や残波岬などにもぜひ、寄ってみてください。
ライターのおすすめ
母娘でいろいろと試しながら作っているという旬のお野菜料理の数々。気に入ったお料理はレシピを聞いて、自分で作ってみても楽しいですね。
島袋景子
ウチナンチュもナイチャーも観光客も、沖縄には“笑顔”が溢れている。そんな“笑顔”に出会える情報をお届けします。
INFORMATION
スポット名 | 隠れ里風カフェ「七色の風」 |
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住所 | 沖縄県読谷村座喜味2511-2 |
ジャンル | グルメ |
電話番号 | 090-3797‐3022 |
料金 | 1,600円 |
営業時間 | 11時30分~17時30分 |
定休日 | 月・火曜日 |
駐車場 | あり |